晴  読  雨  読  2000
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2000.12.31-200 馬上少年過ぐ(司馬遼太郎、新潮文庫)

中編が7編。やはり明治維新の頃を舞台にしたものがおもしろい。この本が今年になって200册目です。といことで、今年最後の本は司馬遼太郎氏にしました。
今年の収穫は司馬遼太郎氏と山本周五郎氏、宮本輝氏に出会ったこと。多くの本を読んだが3氏と宮城谷昌光氏、池波正太郎氏、景山民夫氏の本がその大半をしめている。

2000.12.30-199 社会的共通資本(宇沢弘文、岩波新書)

「社会的共通資本は、一つの国ないし特定の地域に住むすべての人々が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような社会的装置を意味する。」「社会的共通資本は自然環境、社会的インフラストラクチャー、制度資本の大きな範疇にわけて考えることができる。」気になるテーマだったが、「第7章・地球環境」のみが残っただけ。

2000.12.28-198 虚空遍歴(下)(山本周五郎、新潮文庫)

「人間の真価はなにを為したではなく、何を為そうとしたかだ」という山本周五郎氏の人間観が濃密に表れている。主人公の不器用で忠実な生き方は、壮絶で哀しい。「支度ができたから、でかけることにするよ」が最後の言葉だった。死のみが安息の場である。

2000.12.27-197 虚空遍歴(上)(山本周五郎、新潮文庫)

浄瑠璃の世界に身をおいた主人公を通し、芸の厳しさや孤独、悩みが切々と伝わる。

2000.12.26-196 黄金時代(椎名誠、文春文庫)

中学から大学までの椎名誠の不安定でギラギラした自伝。「いつも途方にくれていた」という。少年時代の焦りとイライラ感がよみがえる。時間のたつのを忘れ、未明に読了。椎名誠らしい、いい本です。

2000.12.24-195 朝日新聞の「調査報道」(山本博、小学館文庫)

リクルート事件や平和相互銀行事件の調査報道についての体験的記録。マスコミの姿勢やあり方についても厳しい。「政治家とカネ」の関係を生々しくダイナミックに描写している。

2000.12.21-194 グリコ・森永事件(宮崎学・大谷昭宏、幻冬舎アウトロー文庫)

生々しく迫力があるドキュメントです。キツネ目の男と新聞記者がそれぞれの立場からグリコ・森永犯の実像に迫る。警察の内部事情も興味深い。

2000.12.16-193 読むクスリ28(上前淳一郎、文春文庫)

元気をくれるクスリです。人間が生きていく智恵や工夫、アイデアがいっぱい。人間のいとなみを感じる。

2000.12.14-192 地上げ屋(宮崎学、幻冬舎アウトロー文庫)

元地上げ屋だから書ける地上げ屋の生々しく迫力のある自伝的ドキュメント。バブルで泣いた人あり、笑った人あり、悪いやつありで、「あの頃、みんなバカだった」的バブルの総括。

2000.12.12-191 最後の将軍(司馬遼太郎、文春文庫)

徳川幕府最後の将軍となる徳川慶喜の苦悩と孤独を描いたもの。「竜馬がゆく」は別にして、池波正太郎氏や山本周五郎氏と比較して、その硬筆な文章はなじみにくい。維新の功労者である慶喜が将軍であったのは2年ほど、そのあと1913年(大正2年)まで普通の人として生きた。この本の出版は、なんと1974年8月1日(第2刷)でした。

2000.12.10-190 景気と国際金融(小野善康、岩波新書)

やはり国際金融はむつかしい。「好況期には、経済力とは供給力」で、「不況期における経済力とは、需要力」という理論から、経済や国際金融について展開。為替レートや国際収支は、とにかくむつかしい。

2000.12.09-189 生きている源八(山本周五郎、新潮文庫)

現代小説と戯曲が各1編と時代小説が10編。時代小説は、いづれもシャレていてやさしくて山本周五郎の世界を満喫。

2000.12.08-188 忍者群像(池波正太郎、文春文庫)

ストイックで凄まじい生き方、死に方をした忍者たちを描いた短編が7編。なんと、この本が、出版されたのは1979年11月25日(第1刷)。茨木の古本屋さんで出会うまでの21年間、この本はどこをどのようにさまよっていたのだろうか。

2000.12.07-187 坂の上の雲(八)(司馬遼太郎、文春文庫)

日露戦争に日本は勝利したが、この戦争で活躍した人たちに、むなしさのみが残る。そして40年後には大平洋戦争が始まる。

2000.12.05-186 坂の上の雲(七)(司馬遼太郎、文春文庫)

庶民が登場するサブストーリーが興味深い。日本もロシアも参謀本部の内状はドタバタ。

2000.12.04-185 坂の上の雲(六)(司馬遼太郎、文春文庫)

読書のペースが落ちています。戦争モノはどうも進みません。無能な指揮者のため勝ち負けの別れ目が刻々と変わっていく、愚かな戦争です。

2000.11.30-184 坂の上の雲(五)(司馬遼太郎、文春文庫)

悲惨な戦争というよりも、滑稽な戦争です、その中身は。でも、信じられないほど多くの死が、そこにはあります。

2000.11.29-183 坂の上の雲(四)(司馬遼太郎、文春文庫)

海軍と陸軍では誕生の経緯や考え方、組織があまりにも異なる。そんな状況の中で日露戦争が始まった。無能な指導者のもと多くの人たちが無駄に死んでいったことをあらためて知る。

2000.11.28-182 新パソコン入門(石田晴久、岩波新書)

ウインドウズ98を勉強中なのと岩波新書がたまってきたのとで、割り込みで読了。同じ著者で「パソコン入門」(岩波新書)があるが、その本の初版は1988年。その間にパソコンを取りまく状況が急激に変化してきました、そしてこれからも。

2000.11.26-181 坂の上の雲(三)(司馬遼太郎、文春文庫)

精神主義に支配されない合理主義的な若者たちの言動が小気味良い。愛すべき明治人・正岡子規が逝く。

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2000.11.24-180 坂の上の雲(二)(司馬遼太郎、文春文庫)

ダイナミックな時代です。登場人物も若いが国家も時代も若い。

2000.11.21-179 坂の上の雲(一)(司馬遼太郎、文春文庫)

明治維新後、日本は近代国家への道を急ぐ。四国松山出身の秋山兄弟と正岡子規を中心に、エネルギッシュでパワーフルな時代が見えてくる。それにしても、みんな若くて行動的です。

2000.11.19-178 竜馬がゆく(八)(司馬遼太郎、文春文庫)

大きな充実感とともに読了。風のように颯爽として飄々した竜馬は、時代に追いつき追われ、慶応3年11月15日の夜、ついに時代を追いこしてしまった。「私心を去って自分をむなしくしておかなければ人は集まらない。人が集まることによって智恵と力が持ち寄られてくる。仕事をする人間というものの条件のひとつなのであろう。」

2000.11.17-177 竜馬がゆく(七)(司馬遼太郎、文春文庫)

大政奉還という奇手を使い無血革命を導こうとする竜馬。コーディネーターであり、まさしく時代の寵児。指導者の多くが詩人であり文化人である。そこが現代の政治家とあまりにも異なる。

2000.11.16-176 竜馬がゆく(六)(司馬遼太郎、文春文庫)

竜馬の奮闘で薩摩藩と長州藩が攻守同盟を結んだ。徳川幕府の瓦解が大きな音を立てはじめた。特急スーパー雷鳥32号の車中で読了。

2000.11.14-175 竜馬がゆく(五)(司馬遼太郎、文春文庫)

相変わらず忙しい竜馬。西郷隆盛と出会い、活躍の場がさらに広く深くなっていく。

2000.11.13-174 竜馬がゆく(四)(司馬遼太郎、文春文庫)

乱世の時代には多くの指導者が輩出する。竜馬は世界観を持った勝海舟の知友たちと出会い成長していく。旧来の慣習や思考にとらわれることなく、竜馬は発想し行動する。まさに「竜馬がゆく」。

2000.11.13-173 竜馬がゆく(三)(司馬遼太郎、文春文庫)

時代が大きく変わろうとする中で、竜馬は時代と距離感を保ち、自分のポジションやスタンスを持っている。フィールドワーカーでありネットワーカーでもある竜馬が面目躍如。暗殺の対象である勝海船と出会い、彼の門人になる。

2000.11.11-172 竜馬がゆく(二)(司馬遼太郎、文春文庫)

司馬遼太郎氏のおもしろさ、すごさを堪能しています。もっとはやく、この本に出会いたかった。行動派の竜馬は、旧来の慣習や思考にとらわれることなく、筋肉でさまざまな矛盾や問題、思想、時代の流れやエッセンスを識る。

2000.11.10-171 竜馬がゆく(一)(司馬遼太郎、文春文庫)

武市半平太は坂本竜馬について言う。「豊臣秀吉も徳川家康も、だまっていてもどこか愛嬌のある男だった。明智光秀は知謀こそそのふたりよりすぐれていたかもしれないが、人に慕い寄られる愛嬌がなかったために天下をとれなかった。英雄とは、そうしたものだ。たとえ悪事を働いても、それがかえって愛嬌に受けとられ、ますます人気の立つ男が、英雄というものだ。竜馬にはそういうところがある。」 桂小五郎との出会いと交流が楽しい。竜馬とその周りの人間な気持ちが若くて行動的である。

2000.11.09-170 ちいさこべ(山本周五郎、新潮文庫)

「山本作品には、孤独や哀傷、絶望と失意、退廃と無常、疲労と虚無といった、人生の裏面にライトをあてたかにみえる作品もかなりある。と同時に、“負”の要素をも“正”に転化させてしまおうとする、かなり強引とさえいえる向日性が同居して、作品の奥行きをさらに深めている」とあとがきにある。「花筵」「ちいさこべ」「ちくしょう谷」の中編、いづれもスケールが大きく精神的な深さがあり感動的である。山本周五郎氏の世界が凝縮されている。他に短編が1編。

2000.11.08-169 つゆのひぬまに(山本周五郎、新潮文庫)

短編小説は、やはり山本周五郎氏か池波正太郎氏です。現代小説が1編と時代小説が8編。「おしゃべり物語」はこっけいで楽しいし、「山女魚」「水たたき」「つゆのひぬま」は映像的で情感がにじみでてくる。

2000.11.06-168 名門企業(清水一行、角川文庫)

男女関係のドロドロした話や企業小説など短編が10編。アメリカのハードボイルド作家、ジョー・ゴアズは、「短編小説は非情である。芸術に名を借りた小手先のごまかしは、ほとんど通用しない。書き手のひとりよがりにいったては、完全に拒絶される。ひとつの単語も、ひとつの文節も、ひとつの表現もゆるがせにできない。」「複数の人間に訪れるゆっくりとした時間の流れや、そこで生起する出来事を描くものではなく、ひとりの登場人物の人生を決定的に変えてしまう、ある一瞬を鮮やかに切り取ってみせるものだ」そうです。清水一行氏の10編のうちどのくらいが、あてはまるのだろうか。

2000.11.05-167 住民投票(今井一、岩波新書)

巻町、御嵩町、名護市、神戸市、徳島市の住民投票運動を現場からリポート。1948年の社会科の教科書『民主主義』には、「民主主義の原動力は、国民の自分自身にたよっていこうとする精神である。自らの力で自らの運命を切りひらき、自らの幸福を築き上げていこうとする、不屈の努力である。・・・人間の力に対する信頼こそ、民主主義の建設の根本の要素なのである。しかも、民主主義における人間への信頼は、英雄や超人や非凡人に対してささげる信頼であるよりも、むしろ、ここに住み、そこに働いている「普通人」に対する信頼である。」とある。
住民投票運動からさまざまな問題や課題が見えてくる。

2000.11.01-166 雨の山吹(山本周五郎、新潮文庫)

雨の音を聞きながら山本周五郎氏の世界にひたっています。現代小説2編と時代小説8編の短編。

2000.10.30-165 おごそかな渇き(山本周五郎、新潮文庫)

現代小説1編と時代小説9編の短編。「かあちゃん」「将監さまの細道」「紅梅月毛」「雨あがる」が心にしみてくる。特に、精神的に疲れているときには、たまりません。「おごそかな渇き」は、山本周五郎氏の絶筆となった作品です。

2000.10.27-164 梟の城(司馬遼太郎、新潮文庫)

待ちのぞんでいた本です。例の茨木の古本屋さんで購入。二人の忍者の考えと行動、そしてその生涯を興味深く読みました。痛快であるとともに深い。

2000.10.25-163 子産(下)(宮城谷昌光、講談社)

鄭を守り育てた子皮と子産について、孔子は弟子に言う。「賢を薦めるのを賢というのだ」「麭叔は管仲を成功させ、子皮は子産を成功させた。ところが、管仲と子産が自分の才にまさる者を成功させたとは、きかぬ」。子皮は賢者で知の人、子産は恵者で情の人である、と宮城谷昌光氏は言う。あまりにも深くて重い。

2000.10.24-162 子産(上)(宮城谷昌光、講談社)

久々の宮城谷昌光氏の文章は、格調が高く重厚です。二大国の晋と楚にはさまれて、苦悩する小国・鄭。この本の帯には、「信義なき世をいかに生きるか」とある。大満足しつつ下巻へ。

2000.10.23-161 江戸ざくら金四郎(山手樹一郎、春陽堂)

金さんの頭の回転が速いように、話の展開のスピードが速くて、時代劇というより現代劇を観ているような感じです。山手樹一郎氏の5册の本は、去年の文化祭で図書館から無償でいただいたものです。図書館に感謝。

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2000.10.21-160 遠山の金さん(山手樹一郎、春陽堂)

全22話。とにかくテンポが良くて痛快、テンポが良すぎる感じもありますが。テレビよりもずっといい、のは当たり前か。金さんがうらやましい。

2000.10.18-159 槍一筋(山手樹一郎、春陽堂)

山手樹一郎にハマってしまいました。日本人がなくしてしまった世界が小説の中にあるからでしょうか。短篇が12編。

2000.10.16-158 夜の花道(山手樹一郎、春陽堂)

短篇が11編。男女の細かい交流や人情など、なつかしくさとほほえましさとともに、山手樹一郎の世界へ引き込まれていきます。OCAT5Fのベンチで読了。

2000.10.15-157 春風街道(山手樹一郎、春陽堂)

短篇が11編。土の臭いや風の香りなど景色が見えてくる時代小説です。これらの小説の世界がスムーズに心地よく入ってきます。

2000.10.14-156 峠(下)(司馬遼太郎、新潮文庫)

越後長岡藩の家老となった河井継之助の死にざま、生きざまが壮烈で明快。自分と藩がおかれている立場や状況、将来への深い洞察と理解が大きいだけに、死の瞬間にかなしみが凝縮されている。得るところが多かった名著。司馬遼太郎氏の凄さがはじめてわかりました。

2000.10.09-155 峠(上)(司馬遼太郎、新潮文庫)

本文だけで677ページの長編。越後長岡藩の藩士・河井継之助の思想・行動・意志が痛快で魅力的。司馬遼太郎氏の世界の凄さが理解できるとともに堪能しました。大満足です。

2000.10.06-154 子どもの危機をどう見るか(尾木直樹、岩波新書)

「子どもの危機は、社会の危機である」という。適確な資料とフィールドワークが中身の濃い内容にしている。「子供たちが感性としての市民性を高めているにもかかわらず、今日の社会が子どもの自立や自己決定を妨げるような仕組みになっていることです。そのギャップが、子どもにストレスを生じさせ、現在の危機の要因にもなっているのです」。ぜひ、ご一読を。

2000.10.06-153 日本人ごっこ(吉岡忍、文春文庫)

日本大使の娘ユウコを名乗ったタイの少女を通して、タイの実情やタイと日本の関係が見えてくる。タイトルに引かれて古本屋さんで購入したが、以前に読んでいました。

2000.09.27-152 忍びの女(下)(池波正太郎、講談社文庫)

生身の人間であろうとする、女忍者・小たまの行動が魅力的で引きつける。明日の議会を気にしながら深夜に読了。

2000.09.25-151 忍びの女(上)(池波正太郎、講談社文庫)

「蝶の戦記」の時代から数年、豊臣秀吉が死んだ後、徳川家康側の女忍者として活躍する小たまの奔放な性格が楽しい。

2000.09.23-150 蝶の戦記(下)(池波正太郎、文春文庫)

時代が大きく変わろうとしているとき、時代の流れにノッテいく人もいれば、時代に取り残されていく人もいる。意識的あるいは無意識的に。魅力的な登場人物が、精一杯生きている。

2000.09.22-149 蝶の戦記(上)(池波正太郎、文春文庫)

久しぶりに池波正太郎氏に再会。島本町にある唯一の古本屋さんが閉店する日に購入。時代は戦国時代、主人公は若い女忍者だから、とにかくおもしろい。山本周五郎氏もいいが、池波正太郎氏もいいです。

2000.09.20-148 大炊介始末(山本周五郎、新潮文庫)

用紙事情が窮屈だった終戦後数年のなかから、山本周五郎氏は簡潔に省略して練りきたえる努力を積み重ねた、と解説にある。アンドレ・ジッドの言葉から、「大芸術家とは、束縛に鼓舞され、障害が踏切台となる者であります。ミケランジェロがモオゼの窮屈な姿を考えだしたのは、大理石の不足によるものだといいます。アイスキュロスは舞台上で同時に用いうる声の数が限られている事によって、そこで止むなく、コオカサスに鎖ぐプロメトイスの沈黙を発明しました。ギリシャに琴に絃を一本つけ加えた者を追放しました。芸術は束縛より生れ、闘争に生き、自由に死ぬ のであります」。

2000.09.18-147 おさん(山本周五郎、新潮文庫)

読んでいて、哀しみとやさしさが懐かしい風景とともに蘇ってきます。追われるように、ページを繰ってしまいます。短編が10編、「青竹」「夕靄の中」「夜の辛夷」「おさん」がいい。ドラマを見ているようだ。

2000.09.14-146 人情裏長屋(山本周五郎、新潮文庫)

こころも体もボロボロです。そんなときには山本周五郎氏の本がしみてきます。こころと体を回復させてくれる短編が11編。

2000.09.05-145 メディア・リテラシー(菅谷明子、岩波新書)

メディア・リテラシーとは、メディアの特性や社会的な意味を理解し、メディアが送り出す情報を「構成されたもの」として建設的に「批判」するとともに、自らの考えなどをメディアを使って表現し、社会に向けて効果 的にコミュニケーションをはかることでメディア社会と積極的に付き合うための総合的な能力のこと。世界各国での実践や教育現場での工夫、市民団体の活動などを報告。この本から、特に刺激を受ける部分はなかった。

2000.09.05-144 翔ぶが如く(十)(司馬遼太郎、文春文庫)

古い価値と新しい価値、古い文化と新しい文化との渾沌とした長い戦争は終った。この戦争に誰もその意義や意味を見いだせない。重くて大きい固まりを飲まされたような、全10巻でした。

2000.09.03-143 翔ぶが如く(九)(司馬遼太郎、文春文庫)

無意味で壮絶な戦争が続く。この戦争で多くの若者が無駄 死にした。1泊(朝食つき、バス・トイレなし)6300円の東京の宿舎で読了。

2000.09.01-142 翔ぶが如く(八)(司馬遼太郎、文春文庫)

薩摩軍は、鹿児島を出発し東京をめざすが、熊本城の攻撃で立ち往生。政府軍との戦闘が開始されたが、薩摩軍には戦略も展望もなく、アナクロ的に戦うのみ。

2000.08.30-141 翔ぶが如く(七)(司馬遼太郎、文春文庫)

ついに西郷隆盛が起たざるを得ない状況に追い込まれる。西郷隆盛は周囲の人間が描く西郷隆盛像に追いつめられていく。この間、大久保利通 との交流もまったくない。

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2000.08.26-140 翔ぶが如く(六)(司馬遼太郎、文春文庫)

各地で反政府活動が活発になってき、熊本で反乱が起こる。鹿児島の西郷隆盛は以前として動かず。

2000.08.25-139 翔ぶが如く(五)(司馬遼太郎、文春文庫)

大久保利通は政治家としての高い能力を発揮し、台湾問題について清朝政府と平和的に解決する。一方、国内での反政府勢力はその力を結集しつつある。政府勢力も反政府勢力も世界を意識しつつ行動している。

2000.08.22-138 翔ぶが如く(四)(司馬遼太郎、文春文庫)

大久保利通は東京、西郷隆盛は鹿児島で対照的な生活をおくっている。征韓論派の江藤新平は佐賀で反乱を起こすが、大久保のすばやい対応で鎮圧され、さらし首にされる。大久保と西郷の対決の日が近づきつつあることを予感させる。そんなとき、新政府が台湾を攻撃する。迷走し混乱する新政府。

2000.08.19-137 翔ぶが如く(三)(司馬遼太郎、文春文庫)

西郷隆盛と大久保利通がついに決裂。伊藤博文の暗躍などにより、征韓論派の西郷隆盛は敗れ鹿児島へと去る。文学的な西郷隆盛は政治的な大久保利通 に敗れた。二人を中心に、東京と鹿児島でさまざまな動きが。

2000.08.17-136 翔ぶが如く(二)(司馬遼太郎、文春文庫)

征韓論をめぐって、幼少の時からの親友であり、徳川幕府を倒すために共に戦った、西郷隆盛と大久保利通 が対決。軟弱で意志の弱い新政府幹部にかこまれ、二人は一層熾烈な戦いの渦中に。

2000.08.11-135 翔ぶが如く(一)(司馬遼太郎、文春文庫)

明治維新の頃のプリミティブな政治を描いた、長編小説全10冊の1册目。人間模様がおもしろい。

2000.08.10-134 歴史と小説(司馬遼太郎、集英社文庫)

エッセイの嫌いな司馬遼太郎氏が、新聞や雑誌に発表したものを集約。司馬遼太郎氏のファンにとって、興味深くもあるし興ざめでもある。

2000.08.07-133 九つの問答(司馬遼太郎、朝日文芸文庫)

多彩なゲストとさまざまなテーマについて対談する、司馬遼太郎氏の知的興味と知識がすごい。

2000.08.06-132 生きものたちの部屋(宮本輝、新潮社)

小説家の「書く」苦しみがよく理解できるエッセイです。宮本輝氏も激しくわがままな情念の持ち主なのです。「檀」を読んだあとだけに、小説家の生活ぶりや行動がなおさら興味深い。

2000.08.05-131 檀(沢木耕太郎、新潮文庫)

「火宅の人」を通して作家・檀一雄とその妻の愛と苦悩を、立体的に重層的に構成されたノンフィクション。厳しさと甘えの両面 を持つ厳しい無頼派の作家・檀一雄の行動と、それを耐えてささえる妻の愛と苦しみ。沢木耕太郎氏らしい構造的で不思議な魅力を持った作品です。

2000.08.03-130 日本人への遺言(司馬遼太郎、朝日文庫)

田中直毅氏との対談「日本人への遺言」がいい。週刊誌に連載されたもので、深みに欠ける感じがあり、少しものたりない。田中氏を含め6人の識者と対談。

2000.08.02-129 豊臣家の人々(司馬遼太郎、中公文庫)

豊臣秀吉の魅力と苦悩がいっぱい。連作のおもしろさが味わえる。

2000.07.29-128 言い触らし団右衛門(司馬遼太郎、中公文庫)

短編が5編。5編とも不思議で魅力的な人たちが主人公。でも短編はものたりない。

2000.07.27-127 ここに地終わり海始まる(下)(宮本輝、講談社)

中途半端な読後感。主人公の心の動きや行動が理解できないし、彼女が恋愛感情を抱き体の関係を持つ元歌手の心の動きや行動が、まったく理解できないし不愉快な存在です。女性週刊誌に連載されるメロドラマという感想です。

2000.07.26-126 ここに地終わり海始まる(上)(宮本輝、講談社)

結核療養所で18年間入院生活をおくった24歳の女性が主人公で、この設定がなかなかおもしろい。退院した彼女にとって、見ること経験することすべてが新鮮。男女の恋愛関係や恋愛感情が複雑にからみあい不思議な展開に。若い女性の心理描写 がうまい。

2000.07.25-125 歳月(司馬遼太郎、講談社文庫)

本文だけで700ページの大長編。江藤新平が、こんな壮絶な生き方、死に方をしたなんて知りませんでした。。江藤新平のこっけいさと悲壮さのバランスが悲しい。大久保利通 の老獪な政治的能力に翻弄される江藤新平が無惨。むつかしい小説です。

2000.07.20-124 北斗の人(司馬遼太郎、角川文庫)

北辰一刀流の開祖・千葉周作の生涯を描いた長編。暑い日が続くが一気に読了。変革の時代を生きた千葉周作の合理的で自省的な姿勢に感動。「歴史通 」「人間通」である司馬遼太郎を再認識。

2000.07.19-123 彦左衛門外記(山本周五郎、新潮文庫)

奇想天外な遊びごころあふれた小説です。解説で奥野健男氏が、「二十歳前後の人生に関わる特別 の文学が太宰治であるとすれば、中年の人生に関わる特別の文学は山本周五郎であると考えている。」と言う。どちらもシャレがきつく辛らつです。図書館にある山本周五郎氏の文庫本はすべて読破。

2000.07.17-122 ギョーザのような月がでた(椎名誠、文春文庫)

夏、ビール、太陽、風、Gパンが良く似合う作家です。あいかわらず日本全国を移動・行動しています。それにしても、今年の夏は暑すぎる。

2000.07.13-121 オレンジの壷(下)(宮本輝、光文社)

戦争の時代にヨーロッパで活躍した祖父の日記を縦軸に、時代や歴史を超えて、女性の心の動きや葛藤、悲しみを丹念に描いているが、わたしにはよく理解できない。

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2000.07.10-120 オレンジの壷(上)(宮本輝、光文社)

離婚に傷ついた主人公が、祖父の日記と手紙をたよりに、1923年頃のフランスと祖父の足跡を追いかける。ミステリアスで思索的で、下巻が楽しみです。

2000.07.08-119 尻啖え孫市(司馬遼太郎、角川文庫)

主人公の孫市は、滑稽で豪快で魅力的です。政治と宗教が複雑に錯綜する中での、孫市の活躍が爽快。信長や秀吉、家康とのつながりも興味深い。

2000.07.07-118 読むクスリ27(上前淳一郎、文春文庫)

人間ってすばらしい、世の中っておもしろい。そんなことを感じさせてくれる本です。

2000.07.03-117 反骨(鎌田慧、講談社文庫)

ハードな内容です。ジャーナリストとして、釜石市長として、権力と公害問題と闘った不屈の人生。精神的にも肉体的にもタフで持続的な生き方はすばらしい。

2000.06.27-116 麻雀放浪記(四)番外編(阿佐田哲也、角川文庫)

体力がいります。バクチ打ちの友情と裏切りが錯綜する不思議な空間。まさにハードボイルドです。

2000.06.26-115 麻雀放浪記(三)激闘編(阿佐田哲也、角川文庫)

壮絶なのにこっけいで、哀しいのにおかしくて。バクチ打ちの世界には想像を絶するものがあります。

2000.06.25-114 麻雀放浪記(二)風雲編(阿佐田哲也、角川文庫)

こっけいなぐらいに哀しくておかしい。バクチ打ちが麻雀を始めたら止められないように、こちらも読み出すと止められません。ラスト近くの京都・大恩寺での、坊主とバクチ打ちとの釣り鐘や仏像を賭けた麻雀戦は、スピーディーでパワーフルで上質なコメディーを見るようです。

2000.06.24-113 麻雀放浪記(一)青春編(阿佐田哲也、角川文庫)

昭和20年10月東京・上野のバクチ場から、坊や哲のバクチ打ちの生活がスタートする。アナーキーな時代に「無頼」たちが跋扈する。「無頼」たちの活躍ぶりに、読む方も体力を必要で疲れます。畑正憲氏が解説を書いているが、ごう慢でイヤな人ですね。

2000.06.23-112 最後の伊賀者(司馬遼太郎、講談社文庫)

「下請忍者」「伊賀者」「最後の伊賀者」など魅力的な忍者もの3編と不思議な世界を描いた4編。いづれも歴史の裏側で活躍した人びとを描いた7編の短編。

2000.06.21-111 戦雲の夢(司馬遼太郎、講談社文庫)

セサル&マナワナのコンサートの準備をぬって読書にはげんでいます。時代の流れに取り残された武将の哀しく辛い生きざまと死にざま。自分と時代を冷静に見つめる主人公のメセンがせつない。

2000.06.20-110 果心居士の幻術(司馬遼太郎、中公文庫)

神話を題材にしたものや戦国時代の忍者の話や新選組の裏面 史などの不思議な短編が6編。忍者の生きざまを描いた「果心居士の幻術」と「飛び加藤」は面 白かったが。

2000.06.19-109 草原の椅子(下)(宮本輝、毎日新聞社)

あとがきで宮本輝氏は、『「草原の椅子」のなかで、私は市井のなかの「人間力のあるおとな」を主人公に置きたかった。学歴や肩書や地位 や収入とは関係なく、慈しみの心を持つ、人間力のあるおとなを書きたいと思った。』と言う。「おとな」が「おとな」であるための苦悩や葛藤を描いたメルヘンのような小説です。

2000.06.17-108 草原の椅子(上)(宮本輝、毎日新聞社)

心に沁みる小説です、とくに50歳前後の男性には。50歳前後になると、「自分はあと何年生きるのだろうか」「自分の今まではなんだったのか」など、人生や家族、将来について考えてしまうのです。宮本輝氏とは、20年程前に読んだ「優駿」以来です。友人の勧めで宮本輝氏と再会したが、しばらく追いかけます。

2000.06.17-107 ながい坂(下)(山本周五郎、新潮文庫)

城代家老として城主に会いにラストシーンで、「ここは坂だったのか」と気付く場面 や主人公を見つめる同僚二人の会話は秀逸。意志的な主人公が苦しみもがきながら、人生という「ながい坂」をのぼっていく。孤独で厳しい「ながい坂」はまだまだ続く、主人公にとっても、誰にとっても。ガーンと頭を殴られたような読後感。

2000.06.16-106 ながい坂(上)(山本周五郎、新潮文庫)

下級武士に子に生まれた主人公が自分の努力で出世していくが、誹謗や中傷の中さまざまな妨害に直面 していく。藩の複雑な事情もからみ、後編が楽しみ。主人公と妻との関係も興味深い。

2000.06.14-105 ある運命について(司馬遼太郎、中公文庫)

「遠い世からの手紙」「歴史の風景」「同時代のひとびと」「身辺風土」のテーマで発表されたエッセイをまとめたもの。司馬遼太郎氏の作品の背景や動機などがうかがえる。「草するにあたって」のなかで、「都市のすばらしさは、ひとびとがそこに参加する場所だ」「都市は機能である。自分の志を、この場-機能-の中でどう遂げるかが、都市生活の合目的のひとつである。学問、芸術、経済、あるいは愛と友情、さらには、暮らし。---」

2000.06.13-104 あちゃらかぽいッ(色川武大、文春文庫)

エノケン・ロッパ・シミキンなどが活躍した頃、浅草の軽演劇の世界で自由にアナーキーに生きた芸人たちのおかしくて哀しい話がいっぱい。作者を含めて奇妙な人たちが生きていた、生きることを許された不思議な時代、空間がある。

2000.06.10-103 新麻雀放浪記(阿佐田哲也、文春文庫)

理屈や論理でははかりえない孤独で壮絶なばくち打ちの生き方が感動的です。沢木耕太郎氏が解説を。

2000.06.08-102 ハッピーエンドじゃなけりゃ意味がない(景山民夫、ブロンズ新社)

1988年から1997年に雑誌に発表されたエッセイ。宗教や環境保護についてのエッセイも多く、景山民夫氏の意識や精神の動きが見えてくる。動物、特に犬についてのエッセイが楽しい。

2000.06.07-101 新選組血風録(司馬遼太郎、角川文庫)

夢と野心を抱いて新選組に集まった若者たちの生きざま・死にざまを描いた15編。時代背景なのか全ての人たちが魅力的で個性的である。

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2000.06.06-100 雨のみちのく・独居のたのしみ(山本周五郎、新潮文庫)

100册目ですから、1カ月20册弱のペースです。弱者、庶民の立場に立ったエッセイ。頑固でシャイ(シャイだから頑固なのか)な山本周五郎氏の一面 がうかがえ楽しい。創作に向かう姿勢や私生活も興味深い。

2000.06.04-099 風流太平記(山本周五郎、新潮文庫)

荒唐無稽の感はあるが、大スぺクタル活劇。オープニングからハラハラどきどきさせて調子がいい。主人公の花田万三郎がさわやかで、彼を慕う二人の女性の対比がおもしろい。

2000.05.30-098 正雪記(山本周五郎、新潮文庫)

本文だけで729ページの大長編。本の厚さが2.8cmもあります。由井正雪を描いた、スケールの大きい話しで圧倒されます。人のつながりの不思議さや哀しみの中で、由井正雪は着実に淡々と死に向かっていく。

2000.05.28-097 山彦乙女(山本周五郎、新潮文庫)

中編。前半のテンポはゆるいが、中盤からは調子がいい。野性的で奔放な主人公・山彦乙女の登場以降は特にいい。後半は少し走りすぎの感じがある。ラストシーンが詩的で映像的。

2000.05.28-096 やぶからし(山本周五郎、新潮文庫)

山本周五郎氏は短編の名手といわれているそうですが、個人的には短編よりも長編の方がいいと思っています。現代小説1編の含め12編の短編小説。「抜打ち獅子兵衛」がいい。「山だち問答」は以前読んだ短編の焼き直しか。ちょっとズルイ。

2000.05.25-095 幕末遊撃隊(池波正太郎、集英社文庫)

時代が人間を育てる、という感を強くします。幕末に生きる若者はみんな大人で、生き方が意思的でストイックです。現代も混乱の時代なのに、時を無駄 に過ごしている。

2000.05.25-094 人生は五十一から(小林信彦、文芸春秋)

タイトル名にひかれて図書館で。いつもながらの博識に裏付けされた辛口のエッセイが心地よい。ニセモノやまがいものを嫌う姿勢やニセモノとホンモノを見わける観察眼はさすが。あとがきのタイトルが、「横丁居住者の生活と意見」、そんな本です。

2000.05.24-093 ペルー蜃気楼紀行(立松和平、サンドケー出版局)

ペルーことをもっと知りたいと思っていたら、図書館でこの本を発見。立松和平氏が、テレビ東京の番組取材で1994年5月31日〜6月13日、11月22日〜12月5日の間ペルーに。なによりも、写 真がペルーの歴史、文化、地理と不思議さを雄弁に語っている。

2000.05.24-092 史記の風景(宮城谷昌光、新潮文庫)

多くの日本人に影響を与えた「史記」についてのエッセイ。宮城谷昌光氏のまじめで真摯な姿勢、勉強熱心で緻密な構成力、大胆な想像力を伴った創作ぶりがうかがえる。

2000.05.19-091 華栄の丘(宮城谷昌光、文芸春秋)

久々に宮城谷昌光氏に再会、味わって読みました。なつかしい、あこがれの人に会った気分です。やはり格調が高く品位 がある。「徳」「器量」「礼」などの言葉が心のなかに抵抗もなく入り込み、精神をさわやかにする。本当にいいです。

2000.05.18-090 夜明けの辻(山本周五郎、新潮文庫)

戯曲1編を含め短編が11編。「嫁取り二代記」「夜明けの辻」がいい。時代小説には、季節感があり自然の描写 にひかれる。

2000.05.17-089 小説日本婦道記(山本周五郎、新潮文庫)

しみじみとした11編の連作短編集。母や妻をテーマに、山本周五郎氏のあこがれの女性像を。「忍耐」「持続」「時」を感じさせる。

2000.05.16-088 栄花物語(山本周五郎、新潮文庫)

山本周五郎氏はやはり長編がいいです。田沼意次を中心に混乱した時代の流れに翻弄される男女を描いたもの。田沼意次の政治を新しい視点で捉えて新鮮。政治と庶民の見方が一面 的でないのがいい。山手線の車中で読了。

2000.05.13-087 人情武士道(山本周五郎、新潮文庫)

現代小説2編を含め短編小説が12編。時代小説はままだが、現代小説はいけません。東京で打ち合わせを終え、新幹線の中で読了。新幹線や電車の中で読むのは、やはり短編小説がふさわしい。「曾我平九郎」「癇癪料二十四石」「大将首」「人情武士道」がまあまあ。

2000.05.12-086 すべては愛に始まる(景山民夫、角川書店)

1994年から1995年に雑誌に発表されたエッセイ。阪神淡路大震災やオウム事件があった時期のせいか、エッセイにいつものはじける感じがなく物足りない。

2000.05.11-085 オンリー・イエスタデイ(景山民夫、角川書店)

以前文庫本で読んだのだが図書館にあったので再読。景山民夫氏の中学3年生から高校3年生の4年間のできごとを描いた自伝的小説。思春期の切なく多感なこころの動きが伝わってくる、時代のやさしさも。経験や体験が自分の財産になっていく時代がうらやましい。

2000.05.10-084 明和絵暦(山本周五郎、新潮文庫)

改革派と反改革派が権謀術数をつくして血みどろの暗闘。「人間の真価は何を為したでは無くて、何を為そうとしたかである」をテーマにした長編。山本周五郎氏が31歳のときの新聞小説で、練れてない印象が残る。

2000.05.09-083 酔いどれ次郎八(山本周五郎、新潮文庫)

短編が11編、そのうち現代小説が2編。現代小説はどちらもいまいち。時代小説では、「彦四郎実記」「浪人一代男」「酔いどれ次郎八」がまあまあ。

2000.05.08-082 深川安楽亭(山本周五郎、新潮文庫)

短編が12編。「内蔵允留守」「蜜柑」「おかよ」「真説吝嗇記」「深川安楽亭」がとくにいい。タイトル名が味わい深く、イメージをふくらませ、読み終わったあと感心させる。

2000.05.07-081 柳橋物語・むかしも今も(山本周五郎、新潮文庫)

運命にもてあそばれながら懸命に生きる男女を描いた2編。愚直に無器用に生きる姿に息がつまりそうになる。江戸時代の下町の人情や生活ぶりがよくわかる。

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2000.05.02-080 エル・ドラードの鷲(景山民夫、中央公論社)

ペルーを舞台に古代遺跡をめぐるスケールの大きい力作だが、景山民夫氏が亡くなったため未完。これからの展開が楽しみなだけに、残念。今ペルーのフォークローレのチャリティコンサートの準備を進めているので、小説の世界に入り込んでしまう。巻末に景山民夫氏の年譜。突然の死が惜しまれる才能豊かな、あこがれの作家です。

2000.05.01-079 仰天旅行(景山民夫、実業之日本社)

びっくり仰天する旅行をテーマにした短編が11編。ゴールデンウイークに旅行に行く予定のない人は、家でこの本を読んで大いに笑ってください。

2000.04.30-078 戦後思想を考える(日高六郎、岩波新書)

1976年から1980年に朝日ジャーナルなどに掲載されたもの。時代の考察や分析が、2000年の今でも古く感じさせないのはさすが。『戦後思想を考える』『「滅公奉私」の時代』『管理社会化をめぐって』などがいい。平易な文章でわかりやすい。いい本に出会った。

2000.04.29-077 サラマンダー(景山民夫、ベネッセコーポレーション)

思索的で読むのに少々疲れます。主人公がある事件を通 じて、社会や企業に対する考え方が大きく変わるのですが、その変化にリアリティーがないのです。景山民夫氏が少しお疲れモードの中で書いたようで、頭デッカチで、キレがないしアソビがない。

2000.04.27-076 野鼠戦線(景山民夫、徳間書店)

映画を観てるような小説です。ゲーム的でバーチャル的でリアリティーを感じないが、とにかく痛快。景山民夫氏は岡本喜八監督の「独立愚連隊」に大きな影響を受けたらしいが、そのままという感じの小説。岡本喜八監督も「独立愚連隊」も好きだから満足ですが。

2000.04.26-075 TVメディアの興亡(辛坊治郎、集英社新書)

読売テレビ・辛坊治郎氏のアメリカ留学の大きな成果 。ソフトの出口・入口を通したアメリカのメディア事情がよくわかり、参考になる。アメリカと日本を比較することで見えてくる部分が多い。大阪でも2003年から始まるデジタル放送の経緯や可能性、問題点などが明確に。放送局の再編される時代が到来するかもしれないが、プロダクションにとっていい時代になるかどうかは、まだまだ見えてこない。

2000.04.26-074 町奉行日記(山本周五郎、新潮文庫)

短編の名手と言われた山本周五郎氏の短編が10編。「土佐の国柱」「晩秋」「落ち梅記」は、しみじみとして心が洗われるよう。「町奉行日記」は構成とテンポが良く、読んでいて気持ちがいい。「わたくしです物語」は軽妙でおかしい、これも山本周五郎氏ワールドなのか。10編とも山本周五郎氏のエッセンスが凝縮されている。

2000.04.25-073 五辨の椿(山本周五郎、新潮文庫)

タイトルのように中身も映像的な小説です。「この世には御法定で罰することのできない罪がある」、と自らの手で裁く、おしのの行為がいじらしく、詩的で美しい。

2000.04.25-072 ティンカーベル・メモリー(景山民夫、角川書店)

エンターテインメントとしては良くできているし、構成やシチュエーションもさすが。現世や前世、守護神など内容はかなり宗教的な要素が多く、少しひいてします。参考文献として、「ひとにぎりの愛を」大川きょう子(幸福の科学出版)、「無限の愛とは何か」大川隆法(幸福の科学出版)があり、かなりひいてしまう。 

2000.04.24-071 発破屋硬太(景山民夫、読売新聞社)

「樅ノ木は残った」の余韻を引きずったまま、この本を読了。主人公の少年が過ごした、昭和30年から36年までをテレビ番組や歌謡曲などを通 して、時代の空気や少年のせつない思い、くやしさ、悩みを。景山民夫はいつも「少年」の心を持っている。主人公の父親のラストシーンのセリフは、オチがあってシャレている、いかにも景山民夫らしい。

2000.04.23-070 樅ノ木は残った(下)(山本周五郎、新潮文庫)

満足感と充実感で読了。原田甲斐の死ぬ間際での言動が壮絶。「政治と個人」「組織と個人」の問題を原田甲斐を通 して、「殉じる」という切り口から鋭く追求。樅の木の化身ような宇乃の存在が、原田甲斐の壮絶な殉死で終わるラストシーンをさわやかにする。

2000.04.22-069 樅ノ木は残った(上)(山本周五郎、新潮文庫)

文庫本で528ページの大作です。長編だけに途中から読むスピードが一気に加速。主人公の原田甲斐が意志的でストイックで野性的で魅力がある。戦略的な小説です。

2000.04.21-068 暗い花道(梶山季之、徳間文庫)

独身の経営コンサルタントが、さまざまな業界、職種のなかで想像力と推理力で大活躍。その設定、アイデアがいい。1965年(いまから35年前)の発表なのに、古くささを感じない。梶山季之氏の筆力もあるが、企業や人間の欲望が昔のままなのか。

2000.04.20-067 人生だあッ(梶山季之、集英社文庫)

「人生だあッ」「流浪の人」「俺は歩いてゆく」の3編。「黒の試走車」を読みたかったのですが、図書館や古本屋さんで見つからなかったので。梶山季之氏の本ははじめて、少し雑いように感じるのですが。

2000.04.20-066 燃えよ剣(下)(司馬遼太郎、新潮文庫)

時代が大きく変わろうとするとき、時流に抵抗するものも迎合するものもいる。しかし、全てのものたちがその流れの想像以上のパワーに翻弄され傷つく。土方歳三の生き方には、男のロマンとやさしさと意地がある。

2000.04.19-065 燃えよ剣(上)(司馬遼太郎、新潮文庫)

浪人や百姓上がりの寄せ集め集団である新選組の青春グラフティー。新選組局長近藤勇と副長土方歳三の関係がおもしろい、ひょうひょうとした沖田総司の存在も。時代が若者たちを鍛え育てる。

2000.04.18-064 赤ひげ診療譚(山本周五郎、新潮文庫)

黒沢明監督「赤ひげ」の原作。長崎遊学から戻った保本登が‘赤ひげ’と呼ばれる新出去定や患者と接することにより、医者として人間して成長していく姿が美しい。貧しい最下層の人びとへの優しさと富者への憎しみが、物語を重層的にしている。

2000.04.15-063 さぶ(山本周五郎、新潮文庫)

久しぶりに感動しました。何度も涙が流れそうになりました。「人生」のすべてが、この1册に集約されているような力作です。山本周五郎氏を本格的に追いかけることにします。

2000.04.14-062 カネに死ぬな掟に生きろ(宮崎学、徳間書店)

久しぶりの宮崎学です。気持ちのいい語り口で、「男は闘う動物である」「カネより大切なもんが世の中にはあると知れ」「市民社会にツバを吐け」「ケンカに勝つ方法を教えたろ」「仲間と女がいるから闘えるんや」など、アウトローについて言及。

2000.04.13-061 家族シネマ(柳美里、講談社)

芥川賞を受賞した「家族シネマ」を含め、「真夏」「潮合い」の3編。柳美里を読むのははじめてだが、少女・夢・想像などがイメージされる演劇的な世界です。

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2000.04.13-060 上意討ち(池波正太郎、新潮文庫)

11編の短編があり、「上意討ち」「恋文」「雨の杖つき坂」「色」「晩春の夕暮れに」がいい。解説で、「そもそも何のために人は小説を読むのだろうか。結局それは、『われわれ自身に与えられた人生は、ただ一回しかない・・・』からだと作者・池波正太郎が別 の一著の中でいっている。その一回きりの人生をどう生きようと、それは人それぞれの勝手なわけだが、同じ一度だけの人生ならできる限り充実した多彩 なものでありたい。ドラマチックな興奮に満ちたものでありたい。そう思えばこそ人は小説を読むのである。」

2000.04.12-059 異端は未来の扉を開く(梁石日、アートン)

新宿梁山泊の座長・金守珍や作家・馳星周との対談やエッセイなど。あとがきに、「従来の作家は部屋に閉じ籠り机に向かって書いているだけの世界だったが、これからはあらゆるジャンルの人たちとの交流の中から新しい文学の世界が創造されるだろうと思っている。文学の細分化はすでに破綻しているからだ」。肉体的にも精神的にもタフで現場的な作家だ。

2000.04.12-058 血と骨(梁石日、幻冬舎)

パワーフルで重量感のある本、読むのに体力が必要です。済州島から来た主人公・金俊平は厳しい環境のなかで暴力・バクチ・女の生活を。夫婦・親子・家族の濃密な関係の中で、それらの人たちへ向けられた壮絶な暴力は、結局自分を憎み、破壊するための暴力なのか。読みごたえがありました。

2000.04.10-057 項羽と劉邦(下)(司馬遼太郎、新潮文庫)

項羽と劉邦以外に韓信や彭越などが活躍。百敗した劉邦が、紀元前202年に項羽に勝った。「論というものは核心にうそを置かねば成立しないものではあるまいか」。そして「劉邦は学こそないが-むしろ学びがないからこそ-儒家であれ道家であれ学問がもっている虚偽というものにひっかからなかった」。あまりにも人間的な劉邦が、最後に項羽を破った。

2000.04.08-056 項羽と劉邦(中)(司馬遼太郎、新潮文庫)

項羽と劉邦の性格や考え方、方法論の違いがおもしろい。戦争が続く不幸な時代だが、多くの魅力ある思想家が輩出する文化的な時代でもある。

2000.04.05-055 項羽と劉邦(上)(司馬遼太郎、新潮文庫)

茨木の古本屋さんで購入。中国史上はじめての統一帝国をつくった秦の始皇帝が没っし、再び混乱の時代に。陳勝・呉広の一揆の後、現れた項羽と劉邦が天下をめざす。宮城谷昌光氏と同じ中国の歴史小説だが、司馬遼太郎氏の読み方がわからず少しとまどいながら読了。3月から読書のペースが落ちています。

2000.04.04-054 「連結決算」がよくわかる本(北條恒一、PHP文庫)

企業や経営のスタイルが変わるとともに、会計処理の方法も変わらざるをえない。2000年3月期の決算から本格的に導入される、連結決算書の読み方・つくり方について、やさしく解説。しかし、よくわかりませんでした。かつて、PHP出版の仕事で、「財務諸表の読み方」というビデオパッケージを演出したことがありました。そんなことを思い出しつつ、ヘロヘロになりながら読了。

2000.03.29-053 経営革命の構造(米倉誠一郎、岩波新書)

「すべてはベンチャービジネスから始まった」の帯に惹かれて購入。経営革命の歴史と人物を、イギリス産業革命からシリコンバレー・モデルの登場まで追跡。歴史から何を学べばよいのか見えてきません。

2000.03.26-052 勉強はそれからだ/象が空を3(沢木耕太郎、文春文庫)

中身がうすいという印象が残ります。じりじりするような感じがなく、ものたりない。「象が空を」の3作目だが2作目だけが良かった。解説に内容がなくひどい。

2000.03.25-051 スーツの下で牙を研げ!(佐高信、集英社文庫)

読者からの相談に佐高信氏が鋭く毅然と回答。回答の中に佐高信氏の会社や組織に対する考えが。「会社に満足しているあなた、会社に不安を感じていないあなたは、この本を読む必要はありません。」とあるが、そういう意味では大部分のひとはこの本を読む必要がある。

2000.03.23-050 幕末(司馬遼太郎、文春文庫)

幕末の暗殺を描いた短編が12編。今年は山本周五郎氏と司馬遼太郎氏を追いかけようと思うのだが、まだよくわかりません。司馬遼太郎氏の作品についても、どんな作品を読んだらいいか教えてください。

2000.03.20-049 寝ぼけ署長(山本周五郎、新潮文庫)

「新青年」に掲載された探偵小説。10編の短編全てがあたたかい人間の交流を描いたものです。映画やテレビのドラマにでもなりそうな雰囲気のある世界です。でも、映画やテレビではこの雰囲気を描くことはできないだろうなあ。山本周五郎氏のどんな作品を読んだらいいか教えてください。

2000.03.17-048 どんな人生にも雨の日はある(景山民夫、新潮文庫)

景山民夫氏のエッセイを読むと、若い頃の過ごし方について、景山民夫氏と自分を比べ、情けなく反省しきりです。取りかえしのつかないことですが。外国に行ったのは、社会人になってから、それも仕事で短期間だったし。英語の勉強、はじめようかな。

2000.03.17-047 つまり何なんだ(景山民夫、新潮文庫)

週刊朝日に連載されていたエッセイの続編。世の中、不愉快なことや腹の立つことが多すぎる。多弁で多能、多趣味で博学の景山民夫氏には、怒りながらも、いつも遊びのこころ、遊びのゆとりがある。

2000.03.14-046 だから何なんだ(景山民夫、朝日文芸文庫)

「さよならブラックバード」以来、気になっていた景山民夫氏の本を町内の古本屋さんで3册購入。週刊朝日に連載されていたエッセイで、お気楽に読了。バタバタと忙しいときには、ふさわしい本です。景山民夫氏は多面 的で才能のある不思議な人です。読書の時間がなくてストレスが溜まっています。

2000.03.01-045 さよならブラックバード(景山民夫、角川文庫)

明日から議会がはじまるというのに、読み出したら止めることができません。主人公の中学1年生の少年が、ある事件を契機にいじめの対象となっていく前半は哀しくて辛くて。ある人物との出会いから重い展開から、軽快な展開へ。「あとがきにかえて」で、景山民夫氏が障害を持った長女の存在と死について述べている。本編を読み終えた後の、「あとがきにかえて」はひびく。1998年に亡くなった景山民夫氏最後の長編小説、もっと生きていてほしかった、合掌。

2000.03.01-044 株の罠(清水一行、角川文庫)

「株の罠」「白い挑戦」「爛れた才覚」「黝い光芒」「長い橋」の短編が5作。小心な下級官吏が罠にはまっていく、「株の罠」がおもしろい。「株の罠」以外はいまいちだが、一気に読了。さすがにストーリーテラー。

2000.02.29-043 ボーダレス・ワールド(大前研一、新潮文庫)

読みにくい本です。文章がその人を表わすように、いかにも経営コンサルタント風でエリート意識や自意識過剰な、いやな大前研一氏の本です。「再びの生きがい」の読後感との落差に愕然。大前研一氏の本を手にするのはやめます。

2000.02.27-042 再びの生きがい(堀田力、講談社文庫)

ロッキード事件を担当したエリート検事から福祉の世界へ転じた理由や堀田力氏の福祉・ボランティアについての考え方など。論理的なのにわかりやすく平易な文章で構成されている。いろいろなヒントがあり、多くの人に読んでほしい良書。

2000.02.26-041 中国古典の言行録(宮城谷昌光、文春文庫)

中国の古典から古人の叡智を、自己啓発、日常の心得、人間関係、指導者への帝王学、経営戦略にジャンル分けして紹介と解説。中国の歴史の壮大さ、人間の歴史の重さを感じます。中国の古典をマニュアル、実用書としてしか読めないヒトもいるのだろうな。ついに宮城谷昌光氏の文庫本は全て読破。いままで読んだ宮城谷昌光氏の作品を思い出しつつ、ゆっくりとしみじみと読了。あとは、図書館にある「史記の風景」「石壁の線より」を残すのみか。次は司馬遼太郎か山本周五郎に挑戦。

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2000.02.23-040 代議士のつくられ方(バク・チョルヒー、文春新書)

東京17区で選挙を戦った自民党新人議員の選挙戦略や代議士が生まれるまでの仕組みなど。地方議員とのタテの関係や派閥のドンとのつながり、公明党との戦いをドキュメント。ドロドロとした世界を戦略というメセンで客観的に描いている。来年の選挙をひかえ勉強になります。

2000.02.21-039 象徴天皇(高橋絃、岩波新書)

戦後、象徴天皇が誕生したいきさつや経緯、おもわくなどを丹念に追跡。しかし、古色蒼然とした不思議な世界です。いまでも皇室ではこのようなセレモニーが行われているとは。全くの別 世界です。

2000.02.16-038 春の湖(宮城谷昌光、講談社文庫)

現代小説が3編。「春の湖」は処女作で「天の花園」とともに20代前半に書かれたもの。「黄金の小箱」はそれから20年後に書かれたもの。五感の鋭さを感じさせるもので、壊れやすさと脆さと美しさをそなえている。

2000.02.15-037 地球持続の技術(小宮山宏、岩波新書)

地球温暖化、化石資源の枯渇、廃棄物の大量発生など、地球の破局に対して技術になにができるか。理科の教科書を読んでいるようで、あまり頭に入らず。理科系の文章は苦手。

2000.02.15-036 青べか物語(山本周五郎、新潮文庫)

たぶん山本周五郎を読むのは初めて。最初はとまどいもあったが、途中から小説の世界へ引き込まれていく。性に奔放で人生を楽しむ人たち。大人同士、子ども同士、大人と子どもの濃密な関係。こんな世界が昭和初代の日本にあったのだ。

2000.02.14-035 夏姫春秋(下)(宮城谷昌光、講談社文庫)

悲劇の美女・夏姫は、自分の肉体から涌く「風」でまわりの男たちを翻弄し、自分自信がその「風」に人生を弄ばれる。幻の夏姫が、巫臣との出会いで一人の女としての夏姫に生まれ変わる。

2000.02.13-034 夏姫春秋(上)(宮城谷昌光、講談社文庫)

大国の楚と晋に翻弄される小国・鄭の絶世の美女・夏姫をめぐり、多くの男たちが争い敗れ死んでいく。そこに夏姫の深い悲しみと苦しみが。天と地のあいだを流れる、目に見えない「風」が存在する。

2000.02.12-033 不思議の果実/象が空を2(沢木耕太郎、文春文庫)

やはり気になる沢木耕太郎氏。「象が空を1」に期待を裏切られたが、前作が書斎的、静的であったのにくらべ、今回は動的な内容。観察眼の確かさ、インタヴューのうまさ、相手への切りこみ方など取材能力の高さがうかがえる。「インヴューというのは相手の『知っていること』を聞くことですよね。しかし、その一歩向こうに、相手が普段はほとんど意識していないことも聞こうとするインタヴューもありうる。質問を投げかけられたことで、普段意識していない部分を語り出す場合もあるわけです。インタヴューされる側がインタヴュアーにこれを聞いてほしい、自分のことを理解してほしい、と思ってくれれば、彼ないし彼女は無限に語り出し、言葉は無限に流れてくる。」そのような関係を築くためには、を「身の丈」大きくするしかない、という。「身の丈」とは人としてのスケール、器量 をさす。それが、沢木耕太郎氏の作家としてのスタンスである。

2000.02.10-032 王家の風日(宮城谷昌光、文春文庫)

再読、それも今年の1月に読んでいるとは。同じ本を買うのを避けるための、この読書ノートなのに。手帳にチェックするのを忘れていたからで、情けない。魅力的な人物が多く登場し、飽きることなく、焦ることなく、じっくりと再読。

2000.02.09-031 日の丸・君が代の戦後史(田中伸尚、岩波新書)

日の丸・君が代問題について、思想・良心・表現の自由という観点から歴史的に検証。日の丸・君が代に関わる事件やエピソード解説し、分かりやすい。良書。

2000.02.08-030 知られざる王国NHK(大下英治、講談社文庫)

タイトルから、NHKの暗部や隠された部分など、問題点を追いかけるドキュメントを連想したが、「がんばっていることを知ってほしいNHK」的な本でがっかり。丹念な取材は評価できるが、NHKをヨイショするだけの内容で、社内報か広報誌に載せるのが適当。全く期待はずれの長編。

2000.02.07-029 辞令(高杉良、新潮文庫)

オーナー企業の不透明で不公平な人事により主人公は左遷される。登場人物に貫通 行動がなく、読んでいて混乱し疲れる。会話の内容は品性を欠き、心理や情緒の流れに繊細さがなく不自然で、小説としてはずいぶん雑い。解説もひどい。高杉良を読むのは、もうやめにします。

2000.02.04-028 おせん(池波正太郎、新潮文庫)

女性を主人公にした短編小説が13編。「蕎麦切おその」「烈女切腹」「御菓子所・壷屋火事」「平松屋おみつ」がいい。『短編小説を書くことからはなれてしまうと、私の場合は長編を書くときの自信がもてない。短編を書いて構成力を養っておかぬ と、どうも安心ができないのだ』と、短編の名手・池波正太郎氏はいう。

2000.02.03-027 楽毅・第四巻(宮城谷昌光、新潮社)

亡国の将となった楽毅は、孟嘗君と魏で再会。賢者は賢者を識り、勇者は勇者を識るというが、再会のシーンには楽毅の生涯が凝縮されており、あまりにも感動的。素直に謙虚な姿勢で、混乱と策謀の時代を生き抜いた楽毅。大いなる満足。

2000.02.03-026 楽毅・第三巻(宮城谷昌光、新潮社)

呼沱での楽毅と趙与の戦いは、頭脳戦であり心理戦である。好勝負を見るさわやかさがあり、二人のかけひきに友情のようなものを感じる。しかし、中山国は滅亡した。後半の趙の沙丘における父子の戦いは壮絶で圧倒されるが、利が先行したものでドロドロしている。

2000.02.02-025 楽毅・第二巻(宮城谷昌光、新潮社)

自省的で内省的な楽毅にあこがれます、素直なところも。海越出版社が倒産し、新潮社があとを引き継いだんですかね。時間の移動の描写 もうまいが、楽毅と狐祥と初夜のシーンは音楽が聞こえてくるようで、時間の流れが静止したようだ。書物を通 して歴史を学ぶとともに、旅を通じて世界を学ぶ楽毅の姿勢は、フィールドワーク・フットワーク・ネットワークに通 じると思うのですが。

2000.02.01-024 楽毅(上)(宮城谷昌光、海越出版社)

待望の楽毅です。図書館はいつも貸し出し中で文庫にもなっていないし。昨日、知り合いと電車の中で会い、そのまま駅前の飲み屋へ。別 れた後、楽毅4册を家に持ってきてくれました、感謝!!期待どおりの本です。楽毅とその父、中山王とその太子を中心に、趙・斉・魏・韓など周辺の国との横の展開が興味深い。孟嘗君の存在が物語りを引き締め、厚みを増す。

2000.01.31-023 佐高信の異論武装(佐高信、徳間書店)

佐高信氏の対談集で、その相手は西部邁、田原総一朗、永六輔、三國連太郎、大石芳野、田中秀征、TAMAYO、椎名誠、黛まどか、羽生善治、三好徹、辺見じゅん、早坂暁の各氏。田原総一朗氏との対談は「噂の真相」上で行われたもので、それ以外は「サンサーラ」上で行われたもの。そのせいか、田原総一朗氏との対談のみ佐高信氏の舌鋒が鋭い。羽生善治氏との対談が興味深いぐらいで、佐高信氏らしくない対談集。

2000.01.29-022 黒幕(池波正太郎、新潮文庫)

11編の短編のうち1編だけが明治維新前後の話で、他の10編は戦国時代の話。「猛婦」「霧の女」「黒幕」「槍の大蔵」がいい。池波正太郎氏は男と女の情感を描くのがうまい。

2000.01.28-021 夕陽が眼にしみる/象が空を1(沢木耕太郎、文春文庫)

久しぶりも久しぶりの沢木耕太郎氏です。沢木耕太郎氏は信頼とあこがれの作家で、氏の本をむさぶるように読んだのですあが、この本には伝わってくるものがありません。

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2000.01.26-020 人斬り半次郎(池波正太郎、立風書房)

二段組みで595ページの大作。西郷隆盛に見い出され幕末に活躍した、人斬り半次郎こと中村半次郎の生涯を描いたもの。西南の役で、西郷隆盛とともにその生涯を閉じるラストシーンが切ない。激動の時代に多くの若者がその命を落とした。

2000.01.23-019 天空の舟(下)(宮城谷昌光、文春文庫)

水、風、空、地を味方に名宰相・伊尹はゆるやかな時間の流れの中で、激動する歴史を生きていく。あくまでも自然体で、まわりに影響されることなく。上・下巻の長編に大満足。

2000.01.22-018 天空の舟(上)(宮城谷昌光、文春文庫)

図書館で借り即読了。商の湯王を助け夏王朝を倒した名宰相・伊尹の数奇な人生を描いた長編。主人公の穏やかな性格やゆるかな時間の流れに身をまかす生活ぶりがいい。小説の出だしがいい。

2000.01.20-017 子どもの社会力(門脇厚司、岩波新書)

今まで考えていた事がまちがっていなかったと確認できた。「人と人がつながる力」「社会をつくっていく力」としての「社会力」の意味と地域との結びつきや大人の責任など。「大人たちに地域社会への関心や地域をよくする活動がないところで、子どもの社会力が形成されるはずはない」。家庭と地域における大人の責任として、「父親たちの生活態度を変える」「子どもとかかわることを喜びにする」「学校と地域に積極的に関与する」と指摘。また、「地域の子を地域で育てる」ことについても詳しい。「子どもの社会力は、しつけや教育によって植え付けられるのではない。地域における大人と子どもの共同体験を通 して繰り返される、多様な他者との相互行為の過程で育まれていく」と協調。これからの学校や地域との関わりの方向性を具体的に示唆された。日を改めて再読したい。

2000.01.20-016 日本は誰のものか(佐高信、講談社文庫)

1992年に佐高信氏が週刊誌や雑誌に書いた権力への怒りのエッセイ。2000年の今でも古くさく感じないのは、問題が解決されないまま、ほったらかしにされているせいか。哀しいやら情けないやら。

2000.01.18-015 王家の風日(宮城谷昌光、文春文庫)

宮城谷昌光氏の長編を読むのはずいぶん久しぶり。前半は少したいくつだが、あっという間に宮城谷昌光ワールドに。古代中国商王朝を支えた宰相箕子は政治家で宗教人あるとともに哲学者でもあった。箕子を中心に商と周の戦い、商の滅亡を描いた長編。太公望が登場し活躍する場面 にうれしくなる。

2000.01.17-014 自治体は変わるか(松下圭一、岩波新書)

久しぶりの岩波新書で、読まれるのを待っている岩波新書が多数机の上に。年頭は新年会が続き、アルコールがかたい本を遠ざける。自治体の抱えている問題と可能性を鋭く具体的に指摘。「施策・組織再編が緊急となり、個別 施策のスクラップ・アンド・ビルドを具体争点として、自治体財務の緊急性・自立性がようやくきた」「自治体は国法という答案のある時代から、たえざる施策・組織再編という模索と創造の時代にはいった」「自治体職員はあらゆる職種をとおして、従来の書記型・技術型からプランナー型・プロデューサー型に変わる必要性もあります」「自治体機構は計画・施策をめぐる<予測と調整>というかたちで、問題解決に政治責任をもつ地域の政府、ついで、みずからの地域のシンクタンクとなります」。自治体職員や地方議員の責任はますます重くなり、創造力と想像力がもとめられる。

2000.01.16-013 日本の権力人脈(佐高信、新潮文庫)

財界にも政界にも理念や哲学を持った人がいなくなり、自分の保身に汲々としている。住友の総理事がった伊庭貞剛は「事業の進歩発達に最も害をなすものは、青年の過失ではなくて老人の跋扈であり、老人は少壮者の邪魔をしないようにするということが一番必要だ」と言う。経済の世界でも政治の世界でも、このような自覚を持つ人は極めて少ない。そして、このことが私たちの身近な世界でも進行している。

2000.01.13-012 官僚たちの夏(城山三郎、新潮文庫)

1960年代の日本経済の高度経済成長をかげで支えた通 産官僚の壮絶な仕事ぶりや人事の複雑さなど、熱い人間模様を実在の人物である「ミスター・通 産省」を中心に展開。政・官・財の思わくや策謀など、今も昔も同じ。全く古くささを感じさせない。でも期待していただけに、この程度なのかという印象が残る。

2000.01.13-011 孟夏の太陽(宮城谷昌光、文芸春秋)

趙氏の代々の主君を描いた短編が4編。やはり短編ではものたりない。新年会やさまざまな用事で出かけることが多く、1日1册のペースはきびしい。

2000.01.09-010 にっぽん怪盗伝(池波正太郎、角川文庫)

すてきな盗賊たちや彼らを中心とした物語が12編の短編集。池波正太郎氏の短編は歯切れが良く、着想がおもしろい。お正月のお酒を飲みながら読むのに最適。解説を書いているのが植草甚一氏なのもうれしい。

2000.01.08-009 懲戒解雇(高杉良、徳間文庫)

読みはじめたら止めることができず、一気に読了。読み終わったら、朝の4時。会社員であることのつらさ、きびしさ、かなしさが身にしみる。エピローグで救われるが、読んでいてつらかった。会社員の上司と会社に対する孤独で勇気あるタフな闘いに拍手と感動。自分が主人公の立場だったら、さっさと会社を辞めているだろう。

2000.01.07-008 大脱走(高杉良、徳間文庫)

古本屋さんで見つけたので早速に。石川島播磨重工業の情報システム室リーダー・碓井優が80人の部下とともに、スピンアウトし「コスモ80」を設立するまでの実名企業小説。会社員がいかに会社にしばられているか、会社を辞めることの厳しさが伝わる。緻密で大胆で勇気ある脱走劇が、スリリングでハラハラする。会社員時代のことを思い出した。解説を佐高信氏が。この日、1日1册のペースを瞬間的に上回った。

2000.01.07-007 会社を読む(佐高信、徳間文庫)

サブタイトルは「経済小説が描いた日本の企業」。朝日新聞の記者、船橋洋一さんが言うように、「経済小説は経済記事の行間を埋めるものだ」。佐高信氏の企業小説論・経済小説論であり、企業論で経済論です。この本から、次に読むべき本を教えてもらった。城山三郎「官僚たちの夏」、広瀬仁紀「談合」、高杉良「大脱走」、中園英助「小説円投機」、梶山季之「黒の試走車」、木下英治「小説電通 」。

2000.01.06-006 春秋の名君(宮城谷昌光、講談社)

いい本です。宮城谷昌光氏の本を読むなら、この本から入るべきです。「春秋の名君」では、春秋時代の人物と歴史を知ることができ、小説への理解を深められます。なんせ紀元前の話なんですから。その他に、宮城谷昌光氏とその作品の背景や苦労を知るエッセイなど。宮城谷昌光氏もすごい。

2000.01.06-005 コラムの冒険(小林信彦、新潮文庫)

中日新聞に連載された「エンタテインメント時評(1992〜95)」をまとめたもので、小林信彦氏は映画や舞台のみならず多方面 にわたって造詣が深い。知識と体験に裏付けされた辛口でニセモノを嫌うスタンスが小気味良い。「テレビばなし・ウラ/オモテ」も小林信彦氏のエッセイをめざしているんですが、こちらには知識も文才もないものですから。小林信彦氏はすごい。

2000.01.04-004 春秋の色(宮城谷昌光、講談社文庫)

古代中国と日本のつながりや漢字の起源など、宮城谷昌光氏やその作品についての理解が深まるエッセイ集。宮城谷昌光氏は博識で趣味人でインテリです。

2000.01.04-003 おとこの秘図(下巻)(池波正太郎、新潮文庫)

徳川吉宗やその裏組織との出会いが、主人公・五兵衛に活躍の舞台を。火付盗賊改方に任命され活躍する場面 がうれしい。

2000.01.02-002 おとこの秘図(中巻)(池波正太郎、新潮文庫)

タイトルとなっている「おとこの秘図」の意味が、やっと分かりました。主人公・五兵衛が一家の当主になり、徳川家の将軍位 を争う渦中に。

2000.01.01-001 おとこの秘図(上巻)(池波正太郎、新潮文庫)

今年の1册目は池波正太郎氏でスタート。池波ワールドにひたりながらのお正月もなかなか良いものです。旗本である父と子の確執、そして主人公である子の出奔。物語は江戸から京都へ。
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