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ラストシーンはまるで映画を見るよう。主人公・片桐宗春の心の動きや主人公の置かれている状況がドラマティックで映画化してほしい作品です。
2001.12.28-187 闇は知っている(池波正太郎、新潮文庫)
シーンとシーンのつなぎがスムーズでテンポがあるから、すいすいと読めてしまいます。平然と人を殺す闇の世界を描くとともに、男と女の関係やつながりも見えてくる。
2001.12.28-186 民族と国家(山内昌之、岩波新書)
読み始めてから読み終わるまで、ずいぶんと時間がかかりました。中近東の諸国は、民族と宗教が複雑にからみ合って、とにかくややこしい。中近東の歴史を知らないから、理解が不十分。
2001.12.27-185 ホームズ贋作展覧会(上)(山田風太郎他、河出文庫)
山田風太郎の名前を目にしたので古本屋で買ったのだが。多くの作家が書いたシャーロック・ホームズのパロディをまとめたもの。ファンにはたまらないだろうが。
2001.12.24-184 その男(三)(池波正太郎、文春文庫)
江戸の文化や江戸っ子のメセンでとらえたユニークな維新史。もちろん読み物としても最高。人びとが活き活きと豊かに生きていた江戸の文化や生活が、明治以降に破壊されてしまったことへの作者の哀しみや怒りが伝わってくる。
2001.12.23-183 その男(ニ)(池波正太郎、文春文庫)
虎之助が過去の事件や自分の行動・気持について語る部分が、ドキュメンタリー的でおもしろい。
2001.12.22-182 その男(一)(池波正太郎、文春文庫)
「うまい!」と唸ってしまいます。タイトル名もそうだが、主人公・虎之助の置かれている環境の設定も。セリフと地の文章がたくみにテンポよく配され、カット割りのうまいドラマを見ているような気持よさと快感がある。
2001.12.21-181 火の国の城(下)(池波正太郎、文春文庫)
加藤清正にリーダーの資質を、丹波大介や於蝶たちにメンバーの資質を見る。人間味あふれる大介たちの行動に拍手。ラストシーンに大介と仲間たちや、読者、作者の口惜しさがあらわれている。
2001.12.20-180 火の国の城(上)(池波正太郎、文春文庫)
主人公の丹波大介や於蝶たちの忍者たちに、この作品で再会できてうれしい。関ヶ原の戦い後の徳川と豊臣の暗闘のなかで、忍者たちの敵味方の関係が複雑に陰湿に。
2001.12.19-179 忍法忠臣蔵(山田風太郎、講談社文庫)
「正義とは」「忠義とは」などの赤穂浪士のテーマや心理の揺れは、忍者たちの戦いの壮絶さとともに増幅される。奇想天外な忍法の登場する山田風太郎ワールドに中毒になってしまいます。
2001.12.18-178 甲賀忍法帖(山田風太郎、時代小説文庫)
甲賀忍者と伊賀忍者が秘技の限りをつくして死闘を展開する。紅白歌合戦か隠し芸大会のよう。アイデアあふれる秘技の連続に呆然、感心するが、それらの死闘に男女の愛や忍者という存在の本質的な哀しみがからんで、さすがの山田風太郎氏です。
2001.12.17-177 黒い夕陽(黒岩重吾、集英社文庫)
2001.12.14-176 大いなる変身(黒岩重吾、角川文庫)平凡な生活を送り満足しているようでも、やはり心の奥深い部分には満たされないものがあるのか。短編が11編。
主人公は48歳の真面目なエリートサラリーマン。誰にでもある変身願望を強く意識するのは、今まで生きてきたことやこれから先のことを考え込む、この年代です。変身願望のモチベーションが金と女なのがさみしい。わたしも議員になったのは47歳でした。
2001.12.12-175 幻への疾走(黒岩重吾、集英社文庫)
大阪と香港を舞台にした、本文だけで777ページの大長編。主人公の行動に作り話的な部分が多いが、事件の背後にある戦争や商社の陰謀にリアリティがあるからいい。スピードある展開で一気に読ませる。
2001.12.10-174 死火山の肌(黒岩重吾、角川文庫)
悔しさや焦り、多くの職業体験が上質の短編6編に仕上げている。黒岩重吾氏は短編がうまい。
2001.12.08-173 「小学校」絶対絶命!(別冊宝島編集部/編、宝島社文庫)
2002年の新学習指導要綱で、教科内容が大幅に削減される。「ゆとり教育」は学力の低下と「できる子・できない子」の二極化を生む。現場の教師が小学校の現状をリポート(低学年を担当する先生の苦労と苦悩が伝わってくる)。このままでは、公教育は崩壊してしまうのか。文部科学省の認識は、現場から乖離しているようだ。問題はかなり深刻で重大であり、早期の対策が必要。
2001.12.07-172 行政評価導入マニュアルQ&A(石原俊彦/監修・監査法人ト−マツ/著、中央経済社)
職員の意識改革や役所のシステム改革、住民と役所の協働などのツールとして、行政評価システムは多くの自治体から注目され導入を検討されている。行政評価システムの導入を担当する自治体職員への参考書。12月議会の一般質問で、行政評価システムについて聞くので学生気分で猛勉強。随分と参考になりました。行政評価システムについては、今後も継続的に勉強していく必要がある、これからの自治体にとって重要なツールです。
2001.12.05-171 機能重視型政策の分析過程と財務情報(宮脇淳、地方自治土曜講座ブックレット)
北海道町村会企画調査部が企画する「地方自治土曜講座」での講演をまとめたもの。NPM(ニュー・パブリック・マージメント)理論と政策評価などについての講義。このブックレットのシリーズには、興味深いものが多い。講演なので物足りない感じが残る。
2001.12.05-170 役所の経営改革(武田安正・後藤浩・吉竹正樹、日本経済新聞社)
ハイパフォーマンス・ガバメントが目指す3つのビジョンとは、1.効率的に顧客バリューを提供しる行政機関、2.顧客バリューを追求する行政機関、3.顧客とともに清澄する行政機関。コスト意識、行政評価、eガバメント、人材育成、アウトソ−シングなどについて解説。共感する部分もあり、こらからの行政のかたちのヒントが多くある。
2001.12.04-169 炎の武士(池波正太郎、角川文庫)
不器用に誠実に生きる武士を描いた、「炎の武士」を含め短編が4本。「炎の武士」の主人公は、普通の生活を望みながら、劇的な生き方をすることになってします。
2001.12.03-168 卜伝最後の旅(池波正太郎、角川文庫)
短編が6編。普通の人びとが時代を生き生きと懸命に生きている。魅力的な脇役が多く登場し、スピードとテンポのある展開。
2001.11.30-167 闇の狩人(下)(池波正太郎、新潮文庫)
闇の世界のボス争いに大名の御家騒動という闇が複雑にからみ合って、終幕へと向かっていく。読んだ後の爽やかさとすがすがしさこそ、池波正太郎ワールドです。
2001.11.29-166 闇の狩人(上)(池波正太郎、新潮文庫)
記憶喪失という闇の世界に住む浪人が、盗賊や香具師という闇の世界の住人と出会うことにより、闇の住人の仲間となっていく。流れるような文章とストーリーは、さすがの池波正太郎氏。
2001.11.26-165 指揮官たちの特攻(城山三郎、新潮社)
「書くべきことはすべて書いた-これが私の最後の作品となっても悔いはない」と言う城山三郎氏は、かつての軍国少年。あの時代のすべての少年が軍国少年であったように。特攻隊員の哀しみというより、あの時代の哀しみが伝わってくる。
2001.11.25-164 男の座標軸(鹿嶋敬、岩波新書)
「会社生活とは別の名刺を何枚持てるかで、人生の深みが加わるに違いない。それは仕事以外の活動に参加していることの、証明でもある。複顔の男性が増えれば、家庭や地域もまた変貌を遂げるはずである」。企業だけでなく家庭や地域社会のなかで生きていくためには、時間のゆとりと意識変革が必要。1993年発行なので、現在の厳しい経済状況と噛み合わない部分もあるが、自分のサラリーマン時代を振り返りながらシミジミと読む。
2001.11.23-163 生命なき街(城山三郎、新潮文庫)
精神的にも肉体的にもハードで熾烈な企業戦士を描いた短編が6編。組織や金、権力に裏切られ、敗北していく戦士たちの後姿に悔しさと闘志がみなぎっている。
2001.11.22-162 辛酸(城山三郎、角川文庫)
田中正造と足尾銅山鉱毒事件を淡々と重々しく描いている。胸がつまりそうになる。城山三郎ファンでない人もぜひ一読を。
2001.11.21-161 武蔵野水滸伝(下)(山田風太郎、小学館文庫)
オールスターキャストによる豪華で迫力がある一大絵巻。奇想天外な世界が次々と現われ圧倒される。
2001.11.17-160 武蔵野水滸伝(上)(山田風太郎、小学館文庫)
有名な剣客や博徒が登場する賑やかで派手な展開。謎の美少年が女になったり男になったりして、自らの交合により他人と他人をとりつかせる妖術を使うなど、山田風太郎ワールドにドキドキ&ワクワク。
2001.11.16-159 イチかバチか(城山三郎、角川文庫)
合理主義者な億万長者と山師の市長の対比と奇妙な魅力でストーリーをグングンと引っぱっていく。大工場の誘致を巡って、キツネとタヌキの駆け引きは、かつての東宝映画の喜劇を見ているよう。
2001.11.15-158 緊急重役会(城山三郎、文春文庫)
経営者やサラリーマンの孤独と不安がにじみでてくる短編が5編。「ある倒産」は、他の文庫で読んだが、再読に十分耐える。
2001.11.14-157 乗取り(城山三郎、新潮文庫)
2001.11.13-156 真昼のワンマン・オフィス(城山三郎、新潮文庫)資本主義社会における金と知略を武器にした戦闘である乗取り。株の買い占めを進める主人公・青井文磨が、さまざまな閥と壮絶な戦いを行う。青井文磨の行動力と迫力に圧倒される、スピーディーでパワーフルな展開。
日本経済の尖兵として巨大なアメリカに立ち向かう海外駐在員の哀しみと悔しさが満ちあふれている。「エコノミックアニマル」としてしか存在できない彼らたち。繁栄と陽光のアメリカで、孤独で孤立している「ワンマン・オフィス」に住む「繁栄流民」たち。そこに日本人の哀しみもある。
2001.11.12-155 雄気堂々(下)(城山三郎、新潮文庫)
渋沢栄一をとおして、維新後の日本の政治や経済が見えてくる。清廉な渋沢栄一と対照的に政治家の汚さや経済人のいやさしさが浮きぼりに。「雄気堂々」であることの重みと厳しさが伝わってくる。
2001.11.10-154 雄気堂々(上)(城山三郎、新潮文庫)
状況に柔軟に対応し、人との出会いを大切する生き方が、主人公の渋沢栄一を近代日本最大の経済人にした。時代の流れや状況を観察し行動力が魅力。
2001.11.08-153 トップ屋戦士の記録(梶山季之、徳間文庫)
かつてジャーナリストが権力と向き合い、活き活きと自分の足で原稿を書いていた。編集室の熱気と活気が伝わってくる、スピード感あふれる踊るような文章の連続。梶山季之氏を中心とした、グループワークのダイナミックさとすばらしさ。
2001.11.04-152 海鳴り忍法帖(山田風太郎、角川文庫)
敵対する根来忍者の術が個性的でまさにSFなのと対照的に主人公の愛はあまりにも純粋。山田風太郎氏の荒唐無稽な創造力に降参。
2001.11.02-151 冬の派閥(城山三郎、新潮文庫)
熟察の尾張藩藩主徳川慶勝と変わり身の早い一橋慶喜を対比し、転換期のリーダーのあり方を考察。一橋慶喜のずるさに腹立ち、徳川慶勝の不器用さに苛立つ。二人の行動から見えてくる幕末の像が新鮮。
2001.10.31-150 見切り千両(梶山季之、集英社文庫)
軽妙で痛快無比の小説。「風雲篇」「復讐篇」「海外篇」に分かれているが、「風雲篇」「復讐篇」だけで充分で、「海外篇」は蛇足気味。
2001.10.30-149 黒い船渠(梶山季之、集英社文庫)
蚕業スパイが暗躍する大型サスペンス。「調べて書く小説」の取材の重みとリアリティが実感できる。個性的で魅力ある人物が多く登場。
2001.10.30-148 太陽の素顔(黒岩重吾、集英社文庫)
大阪と香港を舞台にした経済ミステリー。大阪がアジアの一都市であることを痛感。けなげな女性たちに囲まれて活躍する主人公をはじめすべての登場人物が、暗い影をひきずっている。スピード感はあるが、少し雑い。
2001.10.29-147 四日のあやめ(山本周五郎、新潮文庫)
「人間が生きていくことの哀しみといじらしさ」がしみじみと伝わってくる。「契りきぬ」のラストシーンの哀しさや「榎物語」の不思議な世界が、たまらなくいい。しみじみとした短編が9編。
2001.10.25-146 イスラームの日常世界(片倉もとこ、岩波新書)
「人間は弱いもの」であると考えることから始まるイスラームは、10億人近い信者を持つ。イスラームの生活から考え方や慣習、仕事観、時間の流れなどが具体的に見えてくる。「人間が生きていくうえの、すべてのこととかかわるのがイスラームであるとされる。政治、経済、社会、文化など、人間のあらゆるいとなみに関係するものなのである。」「イスラームを宗教として考えるよりは、むしろ、資本主義、共産主義などと同列に考える方がいいのではという学者もいる。」
2001.10.25-145 剣の天地(池波正太郎、新潮文庫)
新陰流の創始者であり剣聖と言われた、上泉伊勢守の生き方や考え方の魅力に降参。物事や他者にとらわれることのない生き方は、さわやかであり勇壮。長編だが一気に読ませる面白さと手ごたえがある。
2001.10.24-144 自治体・住民の法律入門(兼子仁、岩波新書)
分権時代の新しい常識!と、副題に。自治体と住民の法律的な関わりを、実例をもとに解説・展開しているが、かなり読みにくいし、判例の文章は難解すぎる。
2001.10.23-143 にっぽん怪盗伝(池波正太郎、角川文庫)
個性的で魅力ある盗人が登場する短編が12編。それぞれの短編がリンクしていたり、長谷川平蔵が活躍する場面もあり、とにかく楽しい。以前に読んだような気もするのですが、それでも面白い。
2001.10.23-142 幕末遊撃隊(池波正太郎、集英社文庫)
幕末に生きた剣士の哀しみと意地と勇気が、伊庭八郎の短い生涯に凝縮されている。「負けることは、わかっていますが……だが、いいのですよ。徳川が豊臣をほろぼして天下をつかみとったときもそうなんだが……つまり、時世のうつりかわりの境目というやつは大切なものなんでねえ……こういうときに、いろいろな人間が、どのような善と悪と、白と黒とを相ふくんで生きてきたか、こいつだけは、はっきりさせておきたいのですよ。このまま、じいっと頭を下げて、官軍のいうなりになってしまえば、奴らのしたことの、全部の全部が、正しいことになってしまいますからねえ」
2001.10.22-141 忍びの旗(池波正太郎、新潮文庫)
戦乱の時代を生き抜いた忍者を通して、仕事や家族、男女の関係が見えてくる。激動の時代を淡々と生きた男のさわやかで意志的な生き方と死に方が見事。
2001.10.20-140 さむらい劇場(池波正太郎、新潮文庫)
自分の道を進む若者が、さまざまな人や事件に遭遇したくましく成長していく。久々の池波ワールドに満足。「つい戦前まで、この国にはモラルというものがあった。そんな外来語こそだれも知らなかったかもしれないが、老若男女を問わずみんながそれを知っていた。『人情』ということばで。あるいは『分相応』ということばで」。「人と人との関係は、あくまでも相対(あいたい)の世界である」。
2001.10.18-139 重役養成計画(城山三郎、角川文庫)
サラリーマンや企業に対しユーモアたっぷりに批判。重役候補生4人を選び、養成するプロジェクトの実施により、さまざまな問題や矛盾が見えてくる。SF的でハチャメチャ的な展開に拍手。
2001.10.17-138 小説日本銀行(城山三郎、新潮文庫)
終戦直後の混乱する日本経済のなかで、インフレを終息さようという理想に燃えた日銀マンが、日本銀行という組織や組織に隷属する日銀マンに排除されていく。政治と経済に貧困が見えてくる。堂々たる経済小説です。「戦争でも企業でも、真剣に、真面目に生きたがたために、かえって死や破滅を招き、いいかげんであったために無事に生きのびることもある」。
2001.10.15-137 クライシス・フォア(アンディ・マクナブ、角川文庫)
2001.10.13-136 価格破壊(城山三郎、角川文庫)英国秘密情報部で17年間兵士の経験の持つ作者が、英国秘密情報部やFBIとオサーマ・ビン・ラ−デン率いるテロ組織との戦いを描く。今回の米国の同時多発とオーバーラップさせながら興味深く読む。臨場感はあるが、訳がよくない。
価格破壊に挑む壮絶で勇気あふれる行動に拍手。全国の問屋から買い集めたクスリの安売りからスタートした流通機構への挑戦は、日用品、食料品、電気器具へと広がっていく。行動的な経済小説です。
2001.10.12-135 勇者は語らず(城山三郎、新潮文庫)
出勤途上のサラリーマンに囲まれ電車内で読了。戦後日本経済の勇者「自動車蚕業」の内部を、自動車メーカーの役員とその下請け業者の社長を通して、その厳しさと逞しさを描く。組織のなかの人間をやさしく冷静に見つめている。
2001.10.10-134 ある倒産(城山三郎、新潮文庫)
「口あたりのいい、ヤワな小説が多いなかで、城山氏の小説はごまかしがないのである。」と、常葉新平氏が解説で言う。ハ−ドでタフな8本の短編。男女のドロドロしたものを描くことなく展開していく本格的な経済小説。
2001.10.08-133 月の松山(山本周五郎、新潮文庫)
疲れているときには、特に精神が疲れているときには山本周五郎がいい。10編の短編のすべてが心にしみてくる。健気に生きている人たちがいる。
2001.10.03-132 剣は湖都に燃ゆ(黒岩重吾、文春文庫)
壬申の乱をテーマにオムニバスで5本の短編が構成されている。天智天皇の子・大友皇子と大海人皇子が近江と吉野に分かれ、戦いが始まる。このあたりの知識がないため、なかなか伝わってこない。
2001.09.29-131 よみがえれ水辺・里山・田園(千賀裕太郎、岩波ブックレット)
縄文時代後期以来の水とのかかわり方が、森林と水田からなる日本の田園生態系を生物種の多様性の高いものにしてきた。「スロー イズ ビューティフル」の意味と意義を実感。環境問題からのまちづくりについても言及。
2001.09.29-130 落日燃ゆ(城山三郎、新潮文庫)
東京裁判で絞首刑を宣告された元総理の広田弘毅のストイックで一切の弁解をしない生き方を、押さえた筆致でストイックに描いている。爆走する軍部を押さえられない政府の哀しみや怒りが、切なく伝わってくる。知らなかった昭和史に触れることができてうれしい。城山三郎氏を追いかけることにします。
2001.09.27-129 セクシャルハラスメントとどう向き合うか(落合恵子・吉武輝子、岩波ブックレット)
深くて大きくハードなテーマです。お互いに理解するためには、かなりの時間を要するという意味で、男性と女性の間の遠さを痛感する。吉武輝子の発言に重さとリアリティーがある。
2001.09.25-128 さまよえる廃棄パソコン(内田誠、岩波ブックレット)
ドキュメント風のリポートで読みやすく、テンポがある。パソコンの有害物質やアメリカの中古パソコン事情、特に中古パソコンのリユースや寄付などのボランティア活動について詳しい。
2001.09.25-127 役員室午後三時(城山三郎、新潮文庫)
ワンマン社長と新しいタイプの経営者が、企業の生き残りを賭けて戦う経済小説。二人には私利私欲がなく、ある種の友情と信頼が成立しており、ドロドロとした駆け引きがないことが、上質な経済小説にしている。
2001.09.22-126 破綻と再生(五十嵐敬喜+立法学ゼミ、日本評論社)
2001.09.14-125 読むクスリ30(上前淳一郎、文春文庫)中身の濃い本なので、じっくりと読みました。健全財政自治体を可能にする「7つの原則」、1.危機の共有2.しがらみからの開放.直接民主主義4.「身の丈」精神5.情報の公開5.住民の公開と共有6.住民の覚悟と自立7.議会の蘇生から、自治体財政を兆さ分析し、提案。1999年12月の発行なので、一部に古い資料があるが、緻密な調査をもとににした分析で課題と可能性が明らかになる。議会を控え質問の原稿に向かっていて、本に向かう時間がなかなかとれません。
いつもながら、感心したり納得したり。生きていく智恵とヒントがいっぱい。
2001.09.13-124 代議士秘書(飯島勲、講談社文庫)
代議士と秘書のウラを面白おかしく暴露。世間の評価やメセンを計算して書かれており、達者で役者な著者です。
2001.09.12-123 播磨灘物語(四)(司馬遼太郎、講談社文庫)
信長の死後、秀吉と官兵衛の関係は微妙に変化していく。関ヶ原の戦い前後の官兵衛の行動に、彼の悔しさとさわやかさが凝縮されている。
2001.09.12-122 花を喰う蟲(黒岩重吾、角川文庫)
動物的で行動的な20歳の女と計算的で歪んだ50歳の男の愛と憎しみと猜疑のなか、物語は二人の死に向かって進行していく。財界と政界の暗闘と私的な復讐が複雑にからみあって。
2001.09.09-121 播磨灘物語(三)(司馬遼太郎、講談社文庫)
牢に閉じ込められた官兵衛は、不屈の精神で生き延びる。変わり果てた姿になるが、精神的に一回りもニ回りも大きくなっていく。牢内の生活はあまりにも凄惨で悲惨。
2001.09.07-120 紅ある流星(黒岩重吾、集英社文庫)
ひとりの男をめぐって対立する母と娘。企業の存亡をかけた陰謀や戦い、水商売の裏側などから現代社会が浮きぼりに。娘の成長が読後感をさわやかにしている。
2001.09.05-119 氷った果実(黒岩重吾、角川文庫)
短編の推理小説が8編。トリックよりも犯罪の背景や人間関係に重点を置いている。気分転換に、最近気に入っている黒岩重吾氏を。
2001.09.04-118 播磨灘物語(ニ)(司馬遼太郎、講談社文庫)
2001.08.31-117 播磨灘物語(一)(司馬遼太郎、講談社文庫)似たもの同士である秀吉と官兵衛は、協力して織田勢力による播州の制覇を画策する。古い体質と思考を持つ播州の諸豪族は、新興勢力である織田信長への反感を強めつつある。
天下の中心である京都から遠く離れた播州の小さな藩の家老である黒田官兵衛は、地理的ハンディキャップから自分の能力を発揮する舞台に登場できない。世の中の動きや将来に鋭い洞察力を持つ官兵衛は、いよいよ織田信長と対面する。
2001.08.29-116 風の武士(下)(司馬遼太郎、講談社文庫)
熊野の秘境にある伝説の国に住む人たちの正体は。物語は世界的・時間的な大きな広がりのなかで進んでいく。歴史ファンにはたまらん伝奇ロマン小説です。司馬遼太郎氏の新たな一面を知る。
2001.08.28-115 風の武士(上)(司馬遼太郎、講談社文庫)
幕末の江戸でノンビリと気楽に暮らす、貧乏御家人の弟は異常な事件に巻き込まれ、財宝が隠されているという熊野の秘境へと旅立つ。財宝を狙うさまざまなグループと戦いながら京都へたどりつく。
2001.08.27-114 太陽を這う(黒岩重吾、講談社文庫)
ディープな大阪が小説を盛り上げる。エリートサラリーマンが左遷され業界紙の記者となり、復讐の鬼となっていく。実業から虚業へ、ビジネス社会から金と暴力の社会へ転身。金をバックにした闇の世界で敗北するが、再起を誓う。金と女が複雑にからみあってややこしい。
2001.08.27-113 影を燃やせ(黒岩重吾、講談社文庫)
大阪を舞台に、人生の裏街道を生きる男が愛する女の死を追求するハードボイルド推理小説。スピード感があるが、スピード違反の感じも。仲間たちの存在感や彼らとの友情が、物語を立体的にしている。大阪の場末のニオイがぷんぷんするハードボイルドはいい。黒岩重吾氏もクセになる作家です。
2001.08.26-112 真説宮本武蔵(司馬遼太郎、講談社文庫)
「歴史と地球を鳥瞰する大ロング・ショットと、前記のようなミディアム・ショットやクローズ・アップが巧みに組み合わされることによって、読者であるわれわれのなかにあるリアリズムとロマンチシズムの双方を、ともに満足させる司馬文学独特の興趣が醸し出されるのである。」と長部日出雄氏が、司馬遼太郎氏の方法を映像的に分析。カメラ・アングルが登場人物の眼の高さと同じ位置にある、と言う。作品によって、必ずしも「カメラ・アングルが登場人物の眼の高さ」にあるとは思えないのですが。「真説宮本武蔵」「千葉周作」など短編が6編。
2001.08.23-111 イノベーションと日本経済(後藤晃、岩波新書)
アメリカと日本の経済システムを比較して論をすすめているが、分析ばかりで何を言いたいのか理解できない。副題の「日本経済を支える新しいシステムがここにある!」は、言い過ぎです。読むのに疲れました。
2001.08.22-110 夕陽ホテル(黒岩重吾、集英社文庫)
3階以下がラブホテルでもあるマンションの4階に住む男女は、暗く異常な過去を引きずって生きている。ある事件を契機に他人の生活に関心を持つようになった住人たちは、結果として孤立を深め、破滅へと向かっていく。
2001.08.22-109 腐った太陽(黒岩重吾、角川文庫)
戦争の影を引きずったまま、時代に体ごと向かっていく男と女たち。事件の背後にある裏切りと復讐。
2001.08.21-108 背徳のメス(黒岩重吾、角川文庫)
さまざまな過去を持った男女が場末の病院を舞台に、欲望と退廃のなかでもだえ苦しんでいる。ミステリー仕立てで一気に読ませる。
2001.08.21-107 カポネ大いに泣く(梶山季之、角川文庫)
とにかくテンポが良く、ストレス解消にはもってこい。外国人へのコンプレックスが吹っ飛ぶ4編。
2001.08.20-106 呆然!これはびっくり地方自治ニュース(チホウ政治ジャーナル/編、角川oneテーマ21)
ビックリしました、本当に。「怠惰」「嫉妬」「高慢」「色欲」「憤怒」「大食」「強欲」の人の心に宿る七つの大罪から、地方政治・地方議員を斬りまくる。情けなく哀しくなるが、そこには日本の政治の原風景があります。この本に登場するような人は一部ですが、とにかく地方議員にはさまざまなヒトがいます。
2001.08.19-105 ニッポン一匹狼(梶山季之、角川文庫)
下品でエネルギッシュな痛快男児を描いた3編。とにかく痛快。
2001.08.19-104 実録 アヘン戦争(陳舜臣、中公新書)
対ヨーロッパ問題や満人vs漢人問題など清がかかえてる課題は大きく深い。東アジアの近代史の幕が強引に切って落とされた。同氏の「阿片戦争」も読まないと。
2001.08.16-103 季節のない街(山本周五郎、新潮文庫)
けったいで、おおらかで、魅力的な人物が多く住む街です。とにかく賑やかで、エネルギッシュでタフな人たちばかりです。なつかしくホットする世界が展開する。「This is 山本周五郎ワールド」を堪能し、大満足。
2001.08.15-102 IT汚染(吉田文和、岩波新書)
IT汚染には、生産過程で発生する土壌・地下水汚染問題と使用済みIT製品の廃棄物問題がある。IT生産には有害化学物質と大量の水が必要で、日本全体の土壌・地下水汚染は40万ケ所とも推定されている。そして毎日大量に廃棄される携帯電話やパソコンなどのIT製品。アメリカやアジアでの実態や日本での企業・自治体の実情と取組みなど。やはり、元から絶つシステムが必要。
2001.08.14-101 韃靼疾風録(下)(司馬遼太郎、中公文庫)
日本人である桂庄助は、韃靼の人であり明の人でもある。時代は明から清の時代へ。同時代の日本人のだれもが経験できない事件や事象を体験するが、桂庄助は時代や民族を超越した日本人としてははじめての国際人です。帰国後の彼の生活があまりにも淡白でいい。
2001.08.10-100 韃靼疾風録(上)(司馬遼太郎、中公文庫)
地理的や時間的スケールの大きさが実感できないのです。長崎・平戸の武士桂庄助が東アジアの海陸を渡り、韃靼へ向かう。途中の旅や着いてからの生活でも数奇な運命を辿るが、時間的・空間的つながりのなかでとらえられないのです。
2001.08.07-099 定常型社会(広井良典、岩波新書)
サブタイトルは、新しい「豊かさ」の構想。「経済成長」や「物質的な富の拡大」という目標が目標として機能しなくなった時代に、それに代わる新たな目標や価値を見い出しえないでいることに閉塞感の理由がある。「成長」や「拡大」ではなく「定常型社会(ゼロ成長社会)」を出発点とすることから見えてくる可能性を提示。この本には、多くのヒントがある
2001.08.06-098 ひとごろし(山本周五郎、新潮文庫)
「壷」「女は同じ物語」「裏の木戸はあいている」「ひとごろし」など、バラエティに富んだ山本周五郎ワールドが楽しめる短編が10編。
2001.08.02-097 仇討群像(池波正太郎、文春文庫)
仇討をする側と討たれる側の事情の裏には、あまざまな男と女の問題が潜んでいる。ドロドロした哀れで人間味のある短編が9編。
2001.07.30-096 影に棲む蛇(黒岩重吾、集英社文庫)
大阪のニオイがぷんぷんする長編。金と女をめぐって暴力団や在日問題が複雑にからみあって、多くの個性的な人物が登場。錯綜したストーリー展開なのに構成が荒い。
2001.07.26-095 闇を走れ(黒岩重吾、集英社文庫)
スピード感あふれるハードボイルドな長編。
2001.07.25-094 冬の火花(江坂彰、文春文庫)
左遷されてはじめて気付くサラリーマンの立場や会社の組織。トップの交代により突然左遷を命じられた作者が冷静に沈着に、変化する自分や周囲についてリポート。厳しく見つめる姿勢に共感する。
2001.07.24-093 「少年A」この子を生んで…(「少年A」の父母、文春文庫)
両親の信じたくない気持ちや混乱はわかるのですが、少年Aの両親、とくに母親の言動には、かなりの疑問符です。被害者への気づかいや配慮がなく弁解や弁明ばかりで、読み終えてかなりの不愉快感が残る。何のために、誰のために書いたのか。7月10日に発行された、この本を古本屋さんで購入。
2001.07.23-092 知事の仕事(樺嶋秀吉、朝日選書)
国や住民に対し、がんばる知事たちの姿から知事の資質や役割をリポート。「地方議員の仕事」も見えてくるいい本です。触発されました。これからの方向性とヤル気がでてきました。がんばるぞ、暑いけれど。
2001.07.23-091 学力低下と新指導要領(西村和雄/編、岩波ブックレット)
小学生から大学生までの学力低下が大きな問題となっている。知的好奇心と知的言語能力が学力低下の中心的部分。2002年からの新指導要領の課題について指摘。
2001.07.23-090 一人ならじ(山本周五郎、新潮文庫)
それぞれの短編に世界があり、さわやかな気持ちになる。いさぎよく、厳しい日常的な生き方を描いた短編が14編。
2001.07.20-089 課税分権(神野直彦、自治・分権ジャーナリストの会/編、日本評論社)
国から地方へ税財源が委譲されないまま、地方分権一括法が施行され、各自治体は自主財源の確保に懸命。財政危機に直面するが、歳出だけでは、どうしようもない状況のなか、経営感覚を持って歳入に目を向ける。国や経済界、住民との税を巡る模様を現場の記者がリポート。神野直彦氏がなかなか鋭い。東京都の外形標準課税、横浜市の勝馬投票券発売税、三重県の産業廃棄物税など。
2001.07.19-088 忍びの風(三)(池波正太郎、文春文庫)
織田信長を倒した明智光秀の天下も10日ほどで倒れた。それぞれの武将に仕えていた忍者たちも、混乱のなかさまざまに死に、さまざまに生きる。それぞれの空しさがある。それにしても暑い。
2001.07.18-087 忍びの風(二)(池波正太郎、文春文庫)
織田信長の天下統一が近づきつつある。信長の命を狙う二人はあと一歩のところで、その目的を逃す。その後つらくて厳しい“忍”の時を過ごす。
2001.07.17-086 忍びの風(一)(池波正太郎、文春文庫)
織田信長や徳川家康、武田信玄など存在感のある武将たちの戦いを影の部分で担う忍者たち。魅力的な於蝶と彼女に惹かれる半四郎は活き活きと波乱の時代を生きていく。
2001.07.16-085 ごみ問題をどうするか(森下研、岩波ブックレット)
ごみ問題の現況を詳しくリポート。無駄なものを買わないことが一番大切なようです。もちろん、大事に長く使うことも。
2001.07.16-084 突撃 三角ベース団(椎名誠、文書文庫)
子どもの好奇心と行動力を持つ椎名誠氏のパワーは健在。精神的にも体力的にも。キャンプの時期になると読みたくなる作家です。6月10日に出た新刊を高槻の古本屋さんで購入したのですが、新刊が古本になるサイクルも早まっているのです。
2001.07.13-083 天地静大(山本周五郎、新潮文庫)
幕末の動乱時代、不安と恐怖から自分を見失い暴走する若者たちのなかで、孤立感と疎外感を深めていく主人公。時代が政治的や行動的、強くあることを求め、庶民的や思想的、人間の弱さを直視することを否定する。勇ましい時代は哀しみや喜びなど人間の個人的な営みを拒否するイヤな時代です。
2001.07.10-082 日本政治 再生の条件(山口二郎/編著、岩波新書)
再生に条件を国や地方、メディアや学問など、さまざまな角度から客観的に検証。市民しれぞれが政治を見る座標軸を作ることが必要だ、と言う。自民党・石原伸晃、民主党・枝野幸男、朝日新聞論説委員・薬師寺克行、元金融再生委員長・谷垣禎一、慶応大学教授・金子勝、三重県知事・北川正恭、社民党・辻元清美のインタビューをもとに構成されている。地方の元気さが目立ちメディアの問題点が明らかに。島本町の4月の選挙が出てきたりして。構成にすぐれた、かなりの良書。
2001.07.07-081 おれの足音(下)(池波正太郎、文春文庫)
「生きていくことは、死へ一歩づつ近づいていくこと」と考え、生に執着することなく平凡な人生を望んでいた大石内蔵助は、浅野内匠頭の刃傷事件により、その人生を大きく変えられる。しかし、そのような状況のなかでも、慌て焦ることなく、当然の人生のごとく受け入れ行動する。大石内蔵助の人生観とさわやかな生き方にあこがれる。
2001.07.06-080 おれの足音(上)(池波正太郎、文春文庫)
久しぶりの池波正太郎ワールドに満足。憎めない男・大石内蔵助はエリートではないが、人間としての厚みと広がりを持っている。リーダーの一つの典型である。
2001.07.05-079 福祉NPO(渋川智明、岩波新書)
地方分権や地域密着、地域コミュニティ、官と民の隙き間を埋めるなどの役割を果たす、21世紀型組織・運動としてNPOの可能性・期待は大きい。NPOを支える人たちすべてに人生がある。NPO活動は創造的であることに、意味と意義がある。
2001.07.05-078 忍者丹波大介(池波正太郎、新潮文庫)
秀吉が死んだ後、徳川派と反徳川派が暗闘し、両派の諜報活動を担う忍者たちの間にも寝返りや裏切りが当たり前に。打算的な活動を嫌い、悩みながらも自分の気持に素直に行動する忍者丹波大介は、「冷やかな組織(しくみ)にあやつられ人形のようにうごく忍びたちに負けた」。乱世に生きるさまざまな人間模様。
2001.07.03-077 方壷園(陳舜臣、中公文庫)
密室トリックを使った短編が6編。事件や加害者への理解・やさしさがさわやかな読後感を生む。
2001.07.02-076 失われた背景(陳舜臣、中公文庫)
暑い日が続き、かたい本にはなかなか向かえません。日中戦争当時の謎が、殺人事件に深みと広がりを与える長編推理小説。登場する年代の異なる日本人と中国人が、すべて行動的で若さに溢れていることで、陰惨な印象をまぬがれている。男女の愛の深まりと並行して、事件が解決の方向へと収斂していく。
2001.07.01-075 六甲山心中(陳舜臣、中公文庫)
神戸を舞台に、「すれ違い」や「勘違い」が引き起こしたサスペンスが6編。殺人事件や犯罪事件に凄惨な印象はなく、「運命」や「人生」、「はかなさ」を連想させる。
2001.06.30-074 市場主義の終焉(佐和隆光、岩波新書)
市場主義の改革により効率性を確保し、それに伴う副作用の緩和をめざす「第三の道」改革による、公共生を重んじる、公正で排除のない社会を実現をめざすべきだ、と言う。ポスト・マテリアリズム、地球環境問題、情報技術革新、日本型システム、グロバリゼーションなどのキーワードをもとにした、日本経済再生の処方箋。
2001.06.29-073 奇想小説集(山田風太郎、講談社大衆文学館)
鼻と陰茎の位置が入れ替わっている男の悲惨で滑稽な「陰茎人」、タコのような女性を描いた「蝋人」、制慾帯の着用と性交時間の制限を立法化する「満員島」、切られた首が生えてくる「万人杭」、「自動射精機」などハチャメチャでアブない奇想天外な小説が9編。
2001.06.28-072 幻妖桐の葉おとし(山田風太郎、ハルキ文庫)
山田風太郎氏の妖異時代小説が6編。「乞食八万騎」は発想・構想に驚くとともに武士に対する批判があざやか。変わっている山田風太郎氏の作品のなかでも、特に変わっている作品ばかり。
2001.06.27-071 忍法八犬伝(山田風太郎、徳間文庫)
とにかく面白い本です。伊賀のくノ一忍者VS里見の甲賀忍法の対決がマンガのように奇想天外。抱腹絶倒する場面やHな場面もあり、構想力豊かな山田風太郎氏が楽しんで書いている風。
2001.06.25-070 覇王の家(司馬遼太郎、新潮文庫)
徳川幕府300年の精神的基盤は徳川家康そのものであり、徳川家康は三河人の特質をそのまま受け継いでいる。ストイックで非外交的で管理的で忍耐強い徳川家康の精神世界が日本を300年の支配したのです。
2001.06.21-069 軍師二人(司馬遼太郎、講談社文庫)
戦国時代に活躍した英雄たちのさわやかな生きざまと彼らを慕う女性たちを描いた短編が8編。梅雨の時期に読むのがふさわしい本です。
2001.06.20-068 秀吉妖話帖(山田風太郎、集英社文庫)
豊臣秀吉の権力を前に異能者たちが活躍する6編。不思議な人物・果心居士の登場すると、その場が一瞬にして妖しい空間に。奇想天外なさまざまな忍法も。
2001.06.18-067 天使の復讐(山田風太郎、集英社文庫)
ミステリーが6編。男女の恋愛感情に懐疑的な山田風太郎氏の思想がミステリーの底に流れている。ミステリー作家でもあったのです。
2001.06.16-066 警視庁草紙(下)(山田風太郎、河出文庫)
各地で新政府への反乱が続く中、東京でも新政府対旧政府の戦いが繰り広げられていく。それらの戦いが激しくなっていく中、「目的のためには手段を選ばない」・川路大警視と「裏長屋の御隠居さん風」・元江戸南町奉行の対決が熾烈になっていく。西洋文化と江戸文化の対決でもある。
2001.06.15-065 警視庁草紙(上)(山田風太郎、河出文庫)
明治物です。川路大警視と元江戸南町奉行が混乱の時代の難事件の解決に智恵くらべ。明治新政府と徳川政府の対照、新時代と旧時代の対決がさまざまな問題点や哀しみを浮きぼりに。歴史上の人物や幼少時の人物が登場し楽しい。
2001.06.12-064 明治バベルの塔(山田風太郎、文春文庫)
明治物短編が4編。荒唐無稽な“忍者物”もおもしろいが、作中人物が活き活きと時代を生きている“明治物”もいい。山田風太郎氏の懐の大きさと広さに驚く。「明治バベルの塔」と「いろは大王の火葬場」はとくにいい。山田風太郎氏の違う一面を知り、ますますクセになりそう。
2001.06.11-063 忍法剣士伝(山田風太郎、角川文庫)
図書館に山田風太郎氏の文庫本があったので、まとめて借りてきた。マンガか劇画を読むような奇想天外さと面白さが、緻密に計算された構成と大胆な構想の上に成立している。山田風太郎氏はかなりのクセになる作家です。
2001.06.10-062 おんな牢秘抄(山田風太郎、角川文庫)
大岡越前守の娘である霞が、大活躍する痛快な探偵時代小説。奇想天外で緻密な構想力を持つ、山田風太郎氏のストーリーテーラーとエンターテインメントのパワーに降参。後半から作者の構成のスケールの大きさが分かり、まいった。読者へのサービス精神も旺盛。
2001.06.09-061 花杖記(山本周五郎、新潮文庫)
宮崎学氏の「アジア無頼」を読んだ後だけに、山本周五郎氏の世界にある「謙虚」「忍耐」「ストイック」など日本人の美徳は、どこへ行ってしまったのか、とあらためて思う。短編が10編、いづれもいい。
2001.06.08-060 アジア無頼(宮崎学、徳間文庫)
「幇」という中国の秘密結社の最高幹部として、アジアを舞台に生きる日本人アウトローから見た、ベトナム戦争前後のアジア観・日本人観が新鮮。ベトナム戦争のオモテとウラの部分が見えてくる。アジアが近く感じられるとともに、日本のアジアからの遠さが痛感させられる。この本には、厳しい日本人批判がある。
2001.06.06-059 松風の門(山本周五郎、新潮文庫)
雨の日には、山本周五郎ワールドがよく合う。短編13編のうち“一場面もの”が4編あり、どれも秀逸で凝縮された世界がある。同時進行していく「月夜の眺め」や過去と現在が同時に進行する「薊」は、“さすが”と言うしかない。
2001.06.04-058 ダムと日本(天野礼子、岩波新書)
川とのつきあい方を知っていた「川の国」が、明治期以降にヨーロッパから入ってきた近代河川工法により、川と隔絶した生活を余儀なくされた。政・官・財の癒着システムが公共事業を膨らませ、多くのダムをつくらせた。長良川河口堰建設反対運動やダム造りをやめたアメリカ、近代河川工法を見直したヨーロッパの報告など。「川の国」をどのようにして取り戻すかは、21世紀の命題です。
2001.06.01-057 公共事業は止まるか(五十嵐敬喜・小川明雄/編著、岩波新書)
財政危機の元凶である、社会保障制度縮小の元凶である公共事業が、止まらない事情と止めた運動を日本各地からリポート。公共事業に頼らない自治体の首長のインタビューや公共事業に頼らない社会をどのようにしてつくるかなど、力作の良書。公共事業の現場からのリポートがいい。国と地方の関係や公共事業コントロール法案、国会議員と地方議員の関係など興味深い。
2001.06.01-056 扇野(山本周五郎、新潮文庫)
夫婦や男女の愛情の機微を描いた短編と中編が9編。いづれも心にしみる作品だが、1編ある現代小説が戯曲的で、う〜ん。
2001.05.31-055 IT革命(西垣通、岩波新書)
「IT革命とは『単方向のマスメディアから、双方向のネットワーク.メディアへ』という、地球規模のメディア・ビッグバンに伴う生活革命である。」と言う。21世紀のネット社会を見据えて書かれたもので、とても刺激的である。「工業社会とネット社会」「物流と情報流」「リアルスペースとサイバースペース」など、生活や社会からの視点が新鮮。副題にある「ネット社会にゆくえ」に偽りはない。
2001.05.30-054 花も刀も(山本周五郎、新潮文庫)
中編が2本と短編が6編。「古い樫木」と「花も刀も」がいい。人生とか生き方を考えさせる。やはり山本周五郎はいい。雨の日に読むのには特にいい。
2001.05.29-053 知事(橋本大二郎、平凡社新書)
ええしのボンボンが知事になった、という感じの本です。前例第一主義や公平平等の原則にとらわれない政策やアイデアは評価する。悪い人ではないが、シャープさに欠ける。普通の人でも知事になれる、ということです。
2001.05.29-052 公益法人(北沢栄、岩波新書)
公益法人とは、社団法人または財団法人のことで、26000法人以上も存在し、ニッポン官僚国家の多重構造をささえ「官」の巨大な既得権が隠されている。休眠法人や幽霊法人、トンネル法人、丸抱え法人なども存在し、公益法人を隠れミノに官僚たちが跋扈し、「見えない政府」はますます肥大化している。国民の税金を食い物にするシステムは許されない。
2001.05.26-051 義経(下)(司馬遼太郎、文春文庫)
軍事的には天才であるが政治的には全く無知の義経が、政治的な頼朝が滅ぼされることは当然である。それにしてもあまりにも情けない二人の戦い。司馬遼太郎氏の本には、読むべきものとそうでもないものとの差がありすぎる。
2001.05.25-050 義経(上)(司馬遼太郎、文春文庫)
ポピュラーな人物だけに講談調の小説。源氏と平家の血に対する考え方の違いや頼朝と義経の対比が興味深い。
2001.05.24-049 国盗り物語(四)(司馬遼太郎、新潮文庫)
斎藤道三の弟子でもある対照的な二人の人物、織田信長と明智光秀は、斎藤道三の相容れぬ分身でもある。戦国時代の「光と影」が本能寺で交錯する。濃密な「生」にくらべあまりにもあっけない二人の「死」の後にやってくるのが、「光と影」の埒外にある豊臣秀吉であることが面白い。
2001.05.21-048 国盗り物語(三)(司馬遼太郎、新潮文庫)
織田信長の前編。志なかばで死去した斎藤道三のあとを娘婿である織田信長が、天下統一を志す。一方、師である斎藤道三の死で流浪することになった明智光秀は、別のかたちで天下をうかがう。斎藤道三が才能を認める二人の若者は、その対照的な考え方や行動、趣味、スタイルを持ちながらすすんでいく。二人はダイナミックな時代が生んだ天才。
2001.05.18-047 国盗り物語(二)(司馬遼太郎、新潮文庫)
斎藤道三の後編。知力は体力だ、という感じの行動と活躍をみせる斎藤道三の国盗り物語も着実に進んでいく。しかし、斎藤道三も確実に年をとっていく。「気運が来るまで気長く待ちつつ準備する者が智者。気運が来るや、それをつかんでひと息に駆けあがる者が英雄。」、と言う、斎藤道三には旧来の慣習を破壊するエネルギーとビジョンがある。
2001.05.17-046 政治参加する7つの方法(筑紫哲也/編、講談社現代新書)
読書ペースが以前の状態に戻ってきてうれしい。「情報公開が政治を変える(高橋利明)」「住民投票が市民を鍛える(姫野政義)」「住民投票は民主主義の実験である(柳川喜郎)」「公開討論会のすすめ(小川全宏)」「インターネットと勝手連(高橋茂)」「NPOという新しい公(山岡義典)」「女性を政治の場!WIN WINの試み(下村満子)」「投票権と選挙に行こう勢(石川好)」 の7編だが、かなりの期待はずれで時代遅れ。「公開討論会のすすめ(小川全宏)」と「NPOという新しい公(山岡義典)」がまあまあ。編集者である筑紫哲也氏の感性と知性を疑う。
2001.05.16-045 国盗り物語(一)(司馬遼太郎、新潮文庫)
斎藤道三の人間的魅力に引き込まれてしまう。彼の行動力、企画力、知識、弁舌などで乱世を見事に楽しんでいる。緻密な計算に裏付けされた精力的な活動と時代や人間を観察する力に感心。さすがに司馬遼太郎氏という作品です。
2001.05.15-044 旅人 国定龍次(下)(山田風太郎、講談社文庫)
熱血漢の龍次が幕末の混乱した時代に、自分に素直に行動するが、結果的には権力に弄ばれてします。庶民の怒りや悲しみを自分の肉体で表現する様は、こっけいで壮絶であるが哀しみが漂う。
2001.05.14-043 旅人 国定龍次(上)(山田風太郎、講談社文庫)
山田風太郎氏を追いかけてみることにします。テンポが良くて、ユーモアというかシャレがあって、メセンがあたたかくて醒めていて。国定忠治の子・龍次が見た幕末史。
2001.05.12-042 伊賀の聴恋器(山田風太郎、角川文庫)
友人のすすめで、はじめて読んだ山田風太郎氏の作品。8つの短編それぞれが奇想天外でユニークな発想で書かれている。作品の底には、虚無感や退廃感が流れていて、クセになりそうな作風です。
2001.05.10-041 小説十八史略(六)(陳舜臣、講談社文庫)
宦官の暗躍や文人派と武人派の対立などで唐が崩壊し、混乱の時代へ。そして、草原のかなたから爽やかな風とともにチンギス汗がさっそうと登場する。文天祥の生き方がさわやかである。
2001.05.07-040 小説十八史略(五)(陳舜臣、講談社文庫)
則天武后や楊貴妃が登場する絢爛たる時代です。則天武后も楊貴妃も自らを演出し演じることにたけている。女性の凄さ・恐さが強烈ですが、興味深い巻です。
2001.05.02-039 変わる商店街(中沢孝夫、岩波新書)
大型店や郊外店、コンビニの登場で衰退するする全国の商店街。「地域とともに」「まちづくり」「インターネットの活用」など、多様な発想で商店街復活に成功した例を丹念にリポート。「守りの商店街」から「攻めの商店街」へ、「ネガティブな発想」から「ポジティブな発想」への変革が必要。コミュニティや地域という点についても興味深い。平易な文章で読みやすく、理解しやすい。
2001.05.02-038 小説十八史略(四)(陳舜臣、講談社文庫)
三国志時代から五胡十六時代へ。混乱と混迷の時代に、腐敗した政権が現われては消えていく。庶民は、どんなおもいで日々の生活を送っていたのだろうか。読んでいて重く沈鬱な気分になっていく。
2001.04.28-037 松本サリン事件報道の罪と罰(河野義行・浅野健一、講談社文庫)
河野さんは、なぜ「犯人」にされてしまったのか。報道被害者と加害者の声を徹底的にひろいあげている。マスコミの「光と影」がくっきりと。誰でもマスコミによって、「犯人」にされてしまう可能性があり、他人事ではない。
2001.04.23-036 菊月夜(山本周五郎、新潮文庫)
久々に山本周五郎ワールドに接したのです、ひたりきれませんでした。気持ちに余裕がないと、活字の奥の世界へたどり着けません。短編が10編。本の帯に「想像力と数百円」、うまい。
2001.04.07-035 読むクスリ29(上前淳一郎、文春文庫)
一日数ページのペースで読了。「笑うから楽しい」と表題にありますが、笑えるような状態にはないので、「クスリ」の利き目もあまりありません。
2001.03.25-034 夜を賭けて(梁石日、幻冬社文庫)
迫力のあるノンフィクションです。物語の舞台は昭和30年代の大阪の朝鮮人集落。大阪造兵廠跡に埋まっている残骸をねらう、コリアン=アパッチ族のパワーフルな行動と彼らのその後を追いかける、肉体的にも精神的にも疲れているのですが、活字を読まないと一日が終った気がしません。
2001.03.19-033 あるく魚とわらう風(椎名誠、集英社文庫)
夜寝る前に数ページ本に向かう生活が続いています。相変わらず全国を走りまわる椎名誠氏の驚異の日記。「タイトルの歩く魚-というのはおれのことである。水の中にゆっくりしていればいいものを陸にあがってきてうろつき回り、息ぎれしてアップアップしている」とあとがきで椎名誠氏が自分のことについて。しかし精力的で行動的、発作的、知的肉体派の魚です。
2001.03.05-032 小説十八史略(三)(陳舜臣、講談社文庫)
気分的に落ち着かず、活字がアタマの中に入ってきません。でも活字を目にしないと落ち着かないし、困ったものです。時代は前漢から後漢へ、再び激動と混乱の世の中に。わたしのアタマも選挙のことで大混乱。
2001.02.20-031 小説十八史略(二)(陳舜臣、講談社文庫)
秦の始皇帝が倒れ再び混乱の時代へ。群雄が割拠するなかから劉邦と項羽が現れ、劉邦が天下を治めるが、劉邦が倒れることにより再び混乱の時代へ。跡継ぎをめぐり暗躍する後宮の女性たちの戦いが熾烈で残酷。
2001.02.17-030 ワークショップ(中野民夫、岩波新書)
学校教育や環境教育、まちづくりなどで注目されているワークショップについて、現場からのリポート。内容に浅さがあるが、著者が学者や教育家ではなく、多くのワークショップの企画や運営に携わってきた実践者なので面白い本になっている。双方向的で創造的な手法です。
2001.02.15-029 小説十八史略(一)(陳舜臣、講談社文庫)
読書モードから選挙モードへシフトチェンジしつつあるので、読書ペースが落ちています。第1巻は殷王朝の末期、紀元前1030年頃からスタートし、秦の始皇帝が天下統一する頃まで。全6巻の超大作でこれからがたのしみ。中国の歴史・政治・文化・人物・事件についてウラオモテから知ることができる。中国の歴史を船に乗って眺めるようで面白くて楽しい。
2001.02.08-028 沙中の回廊(下)(宮城谷昌光、朝日新聞社)
士会の戦い方から、「戦術」と「戦略」の違いが見えてくる。戦争が続くなかで、士会は戦争を局地的にとらえるのではなく、空間的にも時間的にも大局的にとらえている。時代や歴史が見えるから、私欲がないから、自ずと「徳」がそなわってくるのか。漢字から文化や風習、歴史がうかがえて楽しい。
2001.02.06-027 沙中の回廊(上)(宮城谷昌光、朝日新聞社)
時代的には、名作「重耳」の続編。歴史の大きな流れに身をゆだねるような気持ち良さが、この作品にはある。それは、宮城谷昌光氏の全作品に共通するものでもあるが、久しぶりの再会に心地よい快感がある。主人公である士会は、時代の底に流れるものを見抜く洞察力と自省的考察力がある。
2001.02.05-026 利用者のための 介護保険Q&A(高齢社会をよくする女性の会/編、岩波ブックレット)
Q&A方式で、きめが細かく、わかりやすい解説書です。行政の説明は、わかりにくいのに、どうしてなのだろうか。この本は、「利用者のために」構成された内容だからですね。「原物サービスか現金給付か」「世帯型から個人単位へ」など問題点は多いが、担当者は「走りながら考える」から「転びながら考える」ようだ。
2001.02.05-025 夢の超特急(梶山季之、角川文庫)
小さな事件から、用地買収にからむ大汚職事件の片鱗が発覚。ルポライターと刑事が並行して事件を追いかける。最後は、すべてが闇から闇へ。いつの世でも、悪い奴ほどよく眠る。ルポライター・梶山季之氏の正義感が見えてくる。
2001.02.04-024 黒の試走車(梶山季之、角川文庫)
この小説が書かれた、昭和37年頃は自動車産業がもっともはなやかな産業であり、ライバルメーカーとの情報戦や謀略戦が熾烈をきわめていた。「この小説の迫力は、この小説がいわば根も葉もあるフィクションである点に負うところが大きい。」と解説にある。出世や金、女にエサに企業スパイが入り乱れて暗躍する。はやる気持ちを押えながら一気にページを繰ってしまう。梶山季之氏の代表作、出世作であり、企業小説のベストワンである。以前から探していたのだが、たまたま茨木の古本屋で見つけて、ラッキー。
2001.02.03-023 どうする日本の政治(石川真澄・田中秀征・山口二郎、岩波ブックレット)
2000年の総選挙をもとに、「民意」や「選挙制度」「政党政治」などについて討論。シンポジウム「ミレニアム総選挙を斬る」の記録。
2001.02.01-022 秘本三国志(六)(陳舜臣、文春文庫)
天下統一をめざして、戦闘や謀略により多くの武将が殺し殺されていった。読後感がさわやかなのは、和平統一への願望が底に流れているからか。きわめて精神的な世界が描かれている。多くの英雄が死んでいったが、その死は乱世を力一杯生きた結果なのだ。
2001.01.31-021 高齢者NPOが社会を変える(田中尚輝・足立清史、岩波ブックレット)
すでに60歳までが現役である時代は終った。「高齢者は社会のお荷物ではなく、社会的なエネルギーである」と指摘する。世界最大の高齢者NPO・AARP(全米退職者協会)の2000年現在の会員数は3400万人で、199年度のAARP全体の収入は、約4億8500万ドル(1ドル110円で換算すると約533億円)となり、その5割が事業収入です。ジョンズ・ホプキンス大学のレスター・M・サラモン教授は、NPOには大きくいって7つの要件があるという。1)組織化されていること。2)民間であること。3)利益配分をしないこと。4)自己統治・自己決定していること。5)自発的であること。6)非宗教的であること。7)非政治的であること。日本でも高齢者NPOが活発に活動しつつあるようだ。期待したい。
2001.01.30-020 秘本三国志(五)(陳舜臣、文春文庫)
曹操・孫権・劉備が天下を三分する時代に。三者が敵になったり、味方になったりで目まぐるしい。乱世の世に、政略のために利用される女性たち。彼女たちが意志的であることが救いである。
2001.01.29-019 秘本三国志(四)(陳舜臣、文春文庫)
群雄割拠の時代から、曹操・孫権・劉備が天下を三分する時代に移りつつある。諸葛孔明がついに登場した。通信技術がない時代に、情報戦がすさまじい。
2001.01.29-018 NPOはやわかりQ&A(辻元清美・早瀬昇・松原明、岩波ブックレット)
アメリカでは、NPO活動が新しい仕事の量と質を生み出し、この第三セクターの活動がGDP(国内総生産)の7%を占めるほど成長している。変化の激しい時代には、状況の変化に柔軟に対応する必要があり、「機動的」で「多彩」で「創造的」なNPOの活動が期待される。2000年4月末で1869のNPO法人が誕生している。
2001.01.28-017 日本の近代化遺産(伊東孝、岩波新書)
「地域資産・まちづくりの資産として生かそう」と本の帯にはあるが、土木遺産の紹介と考察が大半を占めており残念。
2001.01.27-016 秘本三国志(三)(陳舜臣、文春文庫)
「昨日の敵が今日の味方」的な混乱が依然として続く。複雑にからみあう人間関係。天下取りに共通した趣味(?)が後家好きなのは、なぜ?
2001.01.25-015 秘本三国志(二)(陳舜臣、文春文庫)
広大な中国大陸を舞台に群雄が割拠。数を求めて多くの戦いが繰り広げられる、刻々と勢力図が変化していく。昨日の敵が味方になり、昨日の味方が敵になる、計算と打算の時代でもある。
2001.01.23-014 秘本三国志(一)(陳舜臣、文春文庫)
友人のすすめで陳舜臣氏の本をはじめて読む。後漢が崩壊した後の天下を狙う群雄たちの人間模様が整理されて描かれている。道教の思想が全中国を支配している時代にあって、仏教集団が生き残るための智恵と哀しみが興味深い。くせになりそうな予感がする、戦国ドラマの幕開きとなる第1巻です。
2001.01.22-013 社会起業家(町田洋次、PHP新書)
副題が、「『よい社会』をつくる人たち」。「社会起業家」とは、「医療、福祉、教育、環境、文化などの社会サービスを事業を行う人たち」であり。社会的使命を持った事業を起業するだけでなく、行き詰まった社会的事業を活性化したり、非営利組織をプロとして経営するなど、その活動のスタイルは様々である、と言う。イギリスの市民起業家やアメリカのグラスルーツ・リーダーの活動や登場の背景など具体的に詳しく説明。「江戸時代には、社会消費や社会需要は市民が自分で賄っていた。町の隠居は若者にしつけを教え、また自衛警察や自衛消防隊などの組織を持っていた。この伝統は、明治になっても続いており、明治20年代頃までは市民が学校、病院、救貧組織など、社会の底辺の人々のための活動組織をつくっていた。その私的サービスが国家サービスに統合され、画一的な公的サービスに転換したのが、明治時代の後半である」「最近は、少年犯罪が起こるたびに、家庭や地域社会での過保護やしつけの不足が指摘されるようになってきた。こうした論調を見ていると、自らの生活に直接関わる様々なことが、国家の仕事から再び家庭や地域の仕事へと戻りつつある時代になったのだと感じられる」「医療、福祉、教育などの社会消費の分野では最近問題が多発している。どれも競争のない規制蚕業で、時代の変化に対する適応力を失っているからである。社会起業家とは、これらの旧勢力に代わって、医療、福祉、教育、環境、安全、文化、金融など社会消費の幅広い分野で、新供給システムを創造する人々である」。
従来型の非営利組織との違いについて理解しにくい部分はあるが、公と私の住みわけや共生など共感するところが多い。公的な仕事の進め方や考え方では、カバーしきれない部分が多すぎる時代なのだ。「社会起業家」が、地域を再生するキイワードになりそうだ。いい本に出会えた。
2001.01.21-012 天才伝説 横山やすし(小林信彦、文春文庫)
「笑芸」に詳しい小林信彦氏ならではの「芸」「芸人」論。コンビ別れを決定的にした、西川きよし氏の参院選出馬前後の話がおもしろい。「唐獅子株式会社」の映画化の過程から、日本映画のだらしなさ、だめさが見えてくる。小林信彦氏だから描ける、芸人の見栄や哀しさ。人間って、哀しいなあ。
2001.01.19-011 関ヶ原(下)(司馬遼太郎、新潮文庫)
「義・不義は事をおこす名目になっても、世を動かす原理にはならない」。三成は多数派工作で家康に敗れ去った。政治と軍事が複雑にからみあった状況に、三成はいさぎよく敗れた。多数派工作ということでは、昨年、自民党内で野中VS加藤の戦いがありましたね。関ヶ原の戦いとはくらべようもありませんが。
2001.01.18-010 関ヶ原(中)(司馬遼太郎、新潮文庫)
タヌキ・家康VSキツネ・三成の頭脳戦も佳境に。家康が勝つのか、三成が勝つのかを不安げに見守る諸将のうろたえぶりが、滑稽であるとともに哀れでもある。
2001.01.16-009 関ヶ原(上)(司馬遼太郎、新潮文庫)
豊臣秀吉の死後、石田三成と徳川家康の情報戦、謀略戦が熾烈になってくる。島左近と本多正信の家老同士の頭脳の戦いでもある。島左近は愛する主人の石田三成について、「諸事、頭だけで考える。正義、義などという儒者くさい漢語にふりまわされ、そこから物事を考えたがる。出てくる思案は宙にういている。人は利害で動き、正義で動いているわけではない。」という。パントマイムを見るような展開で、読書ペースはあがらない。
2001.01.10-008 情報公開法入門(松井茂記、岩波新書)
2001年4月から施行される「情報公開法」について、どのような法律か、どうすれば公開請求できるかなどを説明したマニュアル的な入門書。最後に「インターネット時代の情報公開」について少しだけふれられている。この部分についてもっと知りたかったのに。
2001.01.09-007 新史 太閤記(下)(司馬遼太郎、新潮文庫)
信長相手の演出から天下を相手に自らを演出。企画力と計算力に忍耐力と持続力を持った秀吉は天下に敵なし。自らの力で自らを高めていく。秀吉は「天下とり狂言」を自ら演出・主演した天才。
2001.01.07-006 新史 太閤記(上)(司馬遼太郎、新潮文庫)
”人蕩し”の名人・秀吉は創造力と行動力にすぐれた新しい時代を作り出す天才。人間観察に優れた人事管理の達人で、自らを演出し表現する達人です。
2001.01.05-005 あとのない仮名(山本周五郎、新潮文庫)
短編・中編あわせて8編。「討九郎馳走」「桑の木物語」「竹柏記」「妻の中の女」「しづやしづ」では一途な世界を、「主計は忙しい」ではこっけいな世界をを描いている。「あとのない仮名」はタイトル名も味わい深いが、深くて底のない虚無的な世界に引きづり込まれてしまう。
2001.01.04-004 空飛ぶマグロ(軍司貞則、講談社文庫)
海のダイヤ・クロマグロをもとめ世界中で展開するビジネス。漁獲法や輸送、冷凍技術の革新、密漁、畜養、それに統一教会とマグロビジネスの関わりやマグロ漁規制を訴える環境団体のウラ側など、海のダイヤを取り巻く状況を世界的にドキュメント。高価なクロマグロを口にすることはありませんが、食べ物に対して考えてしまいます。
2001.01.03-003 証言 水俣病(栗原彬、岩波新書)
正月気分をぶっ飛ばす本です。水俣病患者が肉体とこころの苦しみを生々しく証言。企業や行政との戦い、差別と偏見、地域社会の崩壊など、日本の経済と政治のウラが見えてくる。重い1册です。
2001.01.02-002 楽天旅日記(山本周五郎、新潮文庫)
愉快な小説で、山本周五郎氏のふところの大きさがよくあらわれています。芝居か映画を観ているような気分です。
2001.01.01-001 故郷忘れじがたく候(司馬遼太郎、文春文庫)
中編が3本。いづれも心にしみる作品で、この1册から2001年の読書生活が始まりました。司馬遼太郎氏も山本周五郎氏も池波正太郎氏も多くの作品を残してくれているので、読む本に困ることはないが、今年はどんな作家、どんな本と出会えるのだろうか。このページの先頭へ