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久しぶりの藤沢周平ワールド。なつかしい世界に帰ってきたような感じ。逢魔が刻の薄闇のなかで押し込み強盗が行われる。昼の明るさが夜の暗さに溶け込むその時が、犯罪の素人とプロが出会う刻である。一般の人にとって、犯罪への闇は近い。ラストシーンが、いつもさわやか。
2004.12.26-057 相棒に気をつけろ(逢坂剛、新潮文庫)
テンポが良く、オシャレな展開は、ストレスで疲れた頭を癒してくれるとともに刺激を与えてくれる。とても知的な短編集。
2004.12.25-056 懲戒処分(内山務、公人社)
著者は旧与野市政策企画部長として浦和・大宮・与野の合併を推進し、合併後のさいたま市の部長職。前作「小説 THE SAITAMA市誕生-担当部長・中尾浩介の告解」の続編で、合併後のさいたま市に噴出するトラブルを内側から小説風に暴露。一度お会いしたことがあるが、役人らしからぬ企画力と創造力を持った、勇気と信念の人。役所と議会の馬鹿らしさを笑ってください。したたかな本です。
2004.12.24-055 ホワイトアウト(真保裕一、新潮文庫)
2004.12.14-054 北辰群盗録(佐々木譲、集英社文庫)主人公のスーパーマン的な活躍に距離を置きながら読んでいたが、途中から完全に引きずり込まれていく。大長編であんなどんでん返しあるなんて。まいりました。
五稜郭開場後、あくまでも新政府に反抗する五稜郭の残党たちが荒野の北海道を舞台に、共和国建設を目指し戦いを挑む。馬、銃、酒、女、外国人技師、極道たちを小道具に、日本版西部劇が展開していく。映画を観ているような迫力とスピード。
2004.12.12-053 生活者起点の「行政革命」(北川正恭、ぎょうせい)
行政改革を制度・システムとして確立したことで、北川県政は評価されている。「生活者起点」「住民との緊張感あるパートナーシップ」「間違うことわ恐れず、間違いをしないようにすることを恐れろ」「小さなことから始める勇気、それを大河にする根気」「率先実行」「集権官治から分権自治」「利害調整型から目的達成型へ」、これからの地方自治体を考える際の多くのキイワードがこの本の中にあります。
2004.12.01-052 小説 上杉鷹山(童門冬ニ、集英社文庫)
読んでいて何度も涙がでてきました。「世の中が湿っぽく、経済が思うように発展しないと、人々は、どうしても他人を責めたり、状況のせいにしたりすることが多い。しかし、鷹山はそれを突破した。鷹山の藩政改革が成功したのは、すべて、『愛』であった。他人へのいたわり・思いやりであった。藩政改革を、藩民のものと設定し、それを推進する藩士に、限りない愛情を注いだ。傷みを覚えなければならない人々への愛を惜しまなかった」。信念を貫く「実行力」と「忍耐」も必要だが、「愛」や「徳」がなければ、改革は成功しない。限りなく、深くて重い。
2004.11.27-051 マニフェスト(金子辰樹、光文社新書)
「ローカル・マニフェスト推進大会」からの新幹線の車中で読了。「ほとんど選挙公約など読んだことのない人が、一行ずつ目を皿のようにして読みながら、『ああ、ここは、ウイッシュ・リストだな』とか『これは財源が入っていないぞ』と議論する姿を想像するだけで、楽しいではないか。そうすれば、英国紳士たちがマニフェストを片手にパブで政治談義をしている姿に日本も近づいてくる」。 日常の場面で政治が語られるようになってこそ、政治が本来の姿を取り戻す。政治家の果さなければならない責任は大きい。
2004.11.26-050 松下政経塾とは何か(出井康博、新潮新書)
松下幸之助の遺伝子を持つ第一世代と持たない第二世代、そして現在の第三世代。松下政経塾出身の議員が、選挙のスタイルを変えたことや地盤・カバン・看板をもたないで国政の場に進出したことなど、その果した役割は大きいが、今後どのような役割を果して行くのだろうか。興味深い1册です。
2004.11.25-049 防壁(真保裕一、講談社文庫)
警視庁警備課員(SP)や海上保安庁特殊救難隊員、陸上自衛隊不発弾処理隊員、消防士など危険な任務につく人間を主人公に、仕事の特殊性と生活を浮きぼりにしながら、事件が発生していく。短編が4編。
2004.11.24-048 創価学会(島田裕巳、新潮新書)
創価学会は、国民の7人に1人がその会員とも言われている巨大な組織。本の帯にある「この巨大宗教団体を我々はどれだけ知っているか」を見て購入。「そうした実利を得られるからこそ、創価学会員は選挙活動に熱心なのである。彼らの推す議員が当選することは、福祉が向上し、ひいてはその恩恵に与れることを意味する。選挙活動を通 して、文字通り現世利益が実現されるのである。」、「おもしろいのは、選挙活動が一種のイベントとしての性格を持っている点である。選挙活動をともにしたことで、親密になり、結婚にいたる学会員のカップルも少なくないという。このようなきめ細かな選挙活動ができる組織はほかに存在しない」。
2004.11.23-047 エトロフ発緊急電(佐々木譲、新潮文庫)
2004.11.13-046 盗聴(真保裕一、講談社文庫)日米開戦前夜、アメリカ・中国・東京での出来事が択捉島へと集約されていく。終局に向かって加速度的に展開していくスピード感を楽しむ。陰翳のある魅力的な人物が多く登場する。「ベルリン飛行指令」の続編的な要素もあり、「ベルリン飛行指令」に登場した人物のその後の人生が描かれていて、おもしろい。
お初の作家です。短編のミステリーが5編。読みやすさと構成力で一気に読ませる。スマートでオシャレな作風です。
2004.11.12-045 ベルリン飛行指令(佐々木譲、新潮文庫)
2004.10.25-044 上杉鷹山の指導力(高野澄、PHP文庫)スケールの大きさに圧倒される。ゼロ戦に乗ってベルリンを目指して日本を飛び立つあたりから、ぐいぐいと引っぱられていく。エピローグで戦争のむなしさや哀しみ、おろかさを切々と訴えている。「あらゆる道具は、使用目的を持っている。だが、不思議なことに、高い完成度を持って世に現われた機械(道具)は、その時点で目的を離れて美の対象となる場合がある」。含みのある言葉です。
上杉鷹山は、情報の開示による危機感の共有と意識改革、トップの率先垂範と慣例にとらわれない方法で藩の財政改革と藩士と民の意識改革をなしとげた。「うけつぎて国の司の身となれば、わするまじきは民の父母」。
2004.10.19-043 上杉鷹山と細井平洲(童門冬ニ、PHP文庫)
2004.10.13-042 「行政」を変える!(村尾信尚、講談社現代新書)上杉鷹山についての認識を深める。信頼できる師との出会いはすばらしい。上杉鷹山と細井平洲の関係は、師と弟子の間柄を超え、信頼できる同志・人間の間柄。志の高さを感じる。元アメリカ大統領が、「日本人で一番関心のあるのが上杉鷹山だ」と語ったそうで。細井平洲の「治者は民の父母でなければならない」は重くて尊い。
今年読んだ行政関係の本のなかでも一押しの本です。村尾さんの考え方や行動に共感します。三重県総務部長時代に大改革を進めていたときのことです。「確かにこの改革で大量 の血が流れるかもしれないが、流される血の中には三重県の納税者の血は一滴も入っていない」、この部下の発言は村尾さんに感動と勇気を与えました。わたしも読んでいて感動で鳥肌が立ちました。
2004.10.06-041 男のリズム(池波正太郎、角川文庫)
2004.09.30-040 明治忠臣蔵(山田風太郎、河出文庫)死を常に意識しているから、食べることにこだわり、生きることにこだわる。頑固でダンディーな池波正太郎氏の辛口エッセー。
久しぶりの山田風太郎ワールドですが、いつもの妖しさがなく少々不満足。短編が6編。
2004.09.22-039 24時間戦いました(布施克彦、ちくま新書)
2004.09.11-038 GO(金城一紀、新潮文庫)団塊の世代は、退職後、どこでどのような生活をするのだろう。24時間会社人間である彼らは地域との関わりも薄く、退職後は図書館や体育館などで1日の大半を過ごすのだろうか。彼らの知識・技能を地域の発展に生かしていくためには、退職前から地域での働き場所・居場所を確保する必要がある。
激しくタフな小説です。主人公のストイックで内省的な行動に知性を感じる。主人公のオヤジや友人、恋人など魅力的な人物が登場しテンポがとてもいい。
2004.09.01-037 団塊老人(三田誠広、講談社新書)
2004.08.26-036 国の常識は地方の非常識(PHP研究所/編、PHP研究所)高度経済成長と年金制度をささえ、生産者であるとともに消費者であった団塊の世代が間もなく定年を迎える。帰属意識が強いと言われる団塊の世代が、会社という村に帰属できなくなったとき、帰属する村はどこにあるのだろう。地域での彼らの居場所づくりとともに、彼らの知識や技能を活かして地域を活性化するしかけが必要です。
2004.08.09-035 きょうも舗道にすれちがう(佐々木譲、中公文庫)「志ある首長39人が本音で語る」。地方が現場を大切にすると、ますます国の常識と離れていく。住民と地方自治体との関係でも言えることです。やはり「現場」を大切に「行動」することが首長の仕事です。市町村は住民に身近な存在ですから、住民にできるだけ近いところで仕事をすべきです。それにしても、都道府県は中ニ階的存在に過ぎないのか。その焦りを行動する一部の知事に見ることができるが。
地方分権と言いながら、国は地方を信じていないし、地方に任せたくないのです。
都会的でオシャレな映画の1シーンか1幕モノの芝居を観るような本。長編の冒険小説の作家が、このような素敵な小品を書くのかと驚く。佐々木譲氏は興味深い作家です。女優の池波志乃が解説を書いている。なかなかの文章。
2004.08.01-034 妖説忠臣蔵/女人国伝奇(山田風太郎、徳間文庫)
2004.07.20-033 さまよえる脳髄(逢坂剛、新潮文庫)山田風太郎妖異小説コレクションの第3巻。「妖説忠臣蔵」では、大胆な異説が展開される短編が集められおもしろいが、「女人国伝奇」では、以前に読んだ「怪異投込寺」がおもしろい。
精神医学のサンプルになるような人物が多く登場する異色ミステリー。暑い夏の夜にふさわしい1册だが、今年の夏は暑すぎる。
2004.07.15-032 斜影はるかな国(逢坂剛、講談社文庫)
2004.07.10-031 水中眼鏡の女(逢坂剛、文春文庫)本編だけで745ページの大長編。平成12年2月14日から3年3月2日まで朝日新聞夕刊に掲載されたものだが、緻密でスケールの大きなサスペンスを時間的・スペース的に制約のある新聞連載小説として成立させた逢坂剛氏の知力と体力に拍手。スペインの現代史をテーマにしたものだが、逢坂剛氏はスペインの魅力を、「スペインはコントラストの国である。光と影、正義と邪悪、愛情と憎悪、崇高と堕落、矜持と挫折…といった相対立する要素が互いのエネルギーをかき立てる形で併存しているように思える」と言う。逢坂剛氏の小説の魅力であるスケールの大きさと深さはコントラストにある。
異常心理がテーマの短編が3編。推理小説的なおもしろさはあるが、逢坂剛氏は長編がいい。
2004.07.08-030 流沙の塔(下)(船戸与一、新潮文庫)
「目的のためには手段を選ばなくてもいいのか」。あらゆる組織は、そのなかに腐敗を生み出す個人の欲望という毒を含んでいる。読後が、あまりにも重い。上巻を下巻と間違って2册買ってしまったため、新刊を購入することに。
2004.07.05-029 流沙の塔(上)(船戸与一、新潮文庫)
2004.06.30-028 砕かれた鍵(逢坂剛、集英社文庫)中国の黒社会のスケールの大きさに圧倒される。公安局の闇も陰湿で中国社会の負の部分が反映されている。日本人論もあり、おもしろい。
悪役が活躍する話は、とにかくおもしろい。公安シリーズの4作目で、2作目の「百舌の叫ぶ夜」もおもしろかった。警察側と犯人側の、悪の競演ぶりがいい。暑い夜にはお薦めの作家&シリーズです。
2004.06.29-027 ネプチューンの迷宮(佐々木譲、新潮文庫)
南大平洋の小国を舞台にした国際陰謀小説。スケールが大きくて展開が早いので、663ページの大長編だが一気に読ませる。終盤の展開がすごく、ラストシーンがオシャレで小気味がいい。
2004.06.21-026 怪異投込寺(山田風太郎、集英社文庫)
妖しいタイトルの短編が5編。妖しさも山田風太郎氏の魅力です。
2004.06.16-025 砂のクロニクル(下)(船戸与一、新潮文庫)
2004.06.09-024 砂のクロニクル(上)(船戸与一、新潮文庫)哀しみや怒りなどの人間の感情が静かに凝縮されたようなラストシーンです。壮絶なラストシーンに主要な登場人物がそれぞれの人生とともに集る。その必然性は、作者の構成力と哀しみや怒りのエネルギーが生み出したもの。読了後、しばらく茫然とする。
中近東で独立を目指す少数民族で活躍する日本人と武器商人として活躍する日本人。2人の日本人は“ハジ”と呼ばれている。スケールの大きい物語で、このような小説を映画化できれば日本映画も本物なのだが。
2004.06.05-023 入札改革(武藤博己、岩波新書)
2004.05.27-022 柳生十兵衛死す(下)(山田風太郎、小学館文庫)談合社会を変えるためには、著者の言うような「政策入札」が必要なのでは。発注側と受注側の新たな関係の構築が必要です。従来の「公共」「公共サービス」の概念を問い直すことからしか、何もはじまらない。「行政改革はいつの時代にも必要なのであるが、新しい公共を形成していくためには、別 の角度からの改革が必要なのである。すなわち、財政が厳しいからアウトソ−シング(外部委託)を進めるという意味での行政改革ではなく、第一に、行政が何を行うべきで何を市民活動団体に委ねるかという役割分担の問題として、第二に、公共サービス全体に対して行政としてどのように取り組むかという問題として、行政自体の改革が必要なのである」。このような改革を行政は苦手です。この本の最後の節のタイトルは「談合社会から共生社会・責任社会へ」。
室町時代の柳生十兵衛・世阿弥と江戸時代の柳生十兵衛・金春竹阿弥が、2つの時代を行き来する。どちらの時代にも怪しく個性的な人物がさまざまな事件を繰り広げる。原色の絵と水墨画が混在する不思議な世界がある。論理的で奇想天外な山田風太郎ワールドを堪能。
2004.05.18-021 柳生十兵衛死す(上)(山田風太郎、小学館文庫)
剣と能の奥義により、二人の名人・柳生十兵衛と金春竹阿弥は、江戸時代から室町時代へと時代を飛び越える。説得力がある。
2004.05.08-020 一夜官女(司馬遼太郎、中公文庫)
「ここにおさめた6つの短編は、いずれも気楽に書いたよみものばかりである。」と、あとがきで著者が書いているように、著者にはめずらしい気楽に読める短編ばかり。女性のこころの動きを描いたものなど短編が6編。
2004.05.02-019 総督と呼ばれた男(下)(佐々木譲、集英社文庫)
2004.04.27-018 総督と呼ばれた男(上)(佐々木譲、集英社文庫)魅力的な悪役も多く登場し、楽しい。血よりも友だちやファミリーを大切にする行動にアジアを感じる。ギャングの世界で国際的に活躍する日本人がある。ハリマオの墓碑銘です。「谷豊。日本人として生まれ、虎(ハリマオ)として生き、ムスリムとしてここに眠る。」
2004.04.23-017 異形の将軍 田中角栄の生涯(下)(津本陽、幻冬社文庫)日中関係が不穏な時代のシンガポールで、からゆきさんの孤児が暗黒街で頭角を現わしていく。狩猟的なおもしろさがある。佐々木譲の本を読むのははじめてだが、とにかく痛快。
2004.04.09-016 異形の将軍 田中角栄の生涯(上)(津本陽、幻冬社文庫)ロッキード事件は、田中角栄を失脚させるためのアメリカが仕組んだ謀略である、という説があるようだ。首相在任中、日中国交正常化や日本独自の石油ルートの開拓をはじめるなど、アメリカと対峙する方針を打ち出していたからである。それにしても田中角栄を肯定的に描き過ぎである。帯にある「角栄を知ることはこの国を知ることだ」は、かなりの言い過ぎ。
小さい頃から優秀で記憶力が抜群の人だった、とは知りませんでした。若い時から大きな金額の世界に生きてきたから、その世界で消えていくことになったわけです。津本陽氏の本を読むのはじめてだが、場面や論理の飛ばし方にわかりにくい部分も多く、文章もあまりうまくない。
2004.04.01-015 読むクスリ35(上前淳一郎、文春文庫)
心と気持ちが豊かになるシリーズです。今回のサブタイトルは、秘伝・部下と子供の叱り方。「なるほど」とうなずくことが多い。
2004.03.29-014 新 地方自治法(兼子仁、岩波新書)
1999年に大改正された新地方自治法。自治体、議員はこの新地方自治法の精神と内容を生かしきれているのだろうか。大阪へ向かう電車のなかで、再読了。
2004.03.22-013 市塵(下)(藤沢周平、講談社文庫)
市井の人から将軍の政治顧問の地位へ、そして再び市井の人へ。いつの時代でも、トップの交代とともにスタッフが変わる。組織の非情さだけですまされない。再び市井の人に戻った白石には、学者としての自負がある。
2004.03.17-012 市塵(上)(藤沢周平、講談社文庫)
2004.03.11-011 妖異金瓶梅(山田風太郎、扶桑社文庫)新井白石は改革の人です。改革への強い意思と志に惹かれる。新井白石を才能を認め登用した藩主もいい。
2004.02.27-010 行政指導(新藤宗幸、岩波新書)酒池肉林のなかでで起こる怪奇な犯罪。色と欲の濃厚な世界とミステリーの世界が共存する。
この本も法律の勉強のために再読。
2004.02.27-009 世に棲む日日(四)(司馬遼太郎、文春文庫)
時代が大きく変革していくためには、多くの犠牲者を必要とする。長州藩の文化が、吉田松陰と高杉晋作の2人の英雄を生んだ。関門海峡の風景を目に浮かべながら、2人の壮絶な生に思いを馳せる。
2004.02.15-008 世に棲む日日(三)(司馬遼太郎、文春文庫)
2004.02.12-007 行政手続法(兼子仁、岩波新書)台風のような存在の長州藩を薩摩藩が裏切り、長州藩は孤立していく。藩内の与党と野党が逆転し、高杉晋作も孤立するが、そこから逆襲がはじまる。長州藩内の政治状況がおもしろい。
法律の勉強のため再読。世界各国で行政手続法の制定が進んできたのは、「公共の福祉のためとか、行政の能率の増進のためという名目の下に、民意を無視する一方的な行政権の行使は、決して期待通りの目的を達成し得るゆえんではなく、行政の公正をめざした納得づくの行政運営体制の確立こそ、却って円滑且つ能率的な行政を保障するゆえんであるからではないであろうか」と言う田中二郎・東大教授の言葉は深くて重い。
2004.02.06-006 世に棲む日日(二)(司馬遼太郎、文春文庫)
2004.01.26-005 世に棲む日日(一)(司馬遼太郎、文春文庫)「思想を維持する精神は、狂気でなければならない」と語った吉田松陰は殺され、「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し」と伊藤博文が言った高杉晋作が本格的に活躍する。行動を大切にする薩摩藩に対し、長州藩はなによりも理屈を大切にする。
吉田松陰は哀しい人です。優秀であるからか、不器用なぐらいに真面目に物事にぶつかっていく。急変する時代に、事件とのすれ違いが哀しい。知識人や若者を大切にする、長州藩の文化がおもしろい。
すでに絶版になっているこの本を茨木の古本屋さんで見つけました。1975年に発行された第1刷。
2004.01.18-004 室町お伽草紙(山田風太郎、新潮文庫)
2004.01.11-003 岡っ引どぶ(柴田錬三郎、講談社文庫)織田信長や上杉謙信、武田信玄、日吉丸に上泉伊勢守や塚原卜伝など戦国時代のオールスターキャストが登場する長編。山田風太郎ワールドに欠かせない妖しい術を使う美女も登場し、奇想天外。歴史の整合性と不整合性が重なる構成力がすごい。
岡っ引どぶは、飲む、打つ、買うの愛嬌のある行動力ある岡っ引。傍役として河内山宗俊や鼠小僧次郎吉が登場し、岡っ引どぶを助ける。江戸の庶民の季節感のある生活がリアルに描写されている。
2004.01.06-002 高杉晋作(3)(山岡荘八、山岡荘八歴史文庫)
多くの人に惜しまれ哀しまれて死んでいく高杉晋作。壮絶な生が壮絶な死を招くのだろうか。あまりにも短い生涯である。
2004.01.01-001 高杉晋作(2)(山岡荘八、山岡荘八歴史文庫)
このページの先頭へ旧来の文化や慣習などと懸命に戦う晋作の姿勢が、「鼻輪のない暴れ牛」の行動となっていく。