晴  読  雨  読  1998
Since 1998.07.25
'98 '99 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08
1998.12.28-064 金まみれシマ(清水一行、角川文庫)
「金まみれシマ」は平成8年6月に書き下ろされ、野望に燃える投資顧問会社の所長を描いたもので、わけのわからない人たちがわけのわからない金を動かしている。それも国際的に。解説に、「本来、仕手筋が動かす投機マネーも国際化してきたのだ。くれぐれも素人は手を出さないことが賢明である」。

やっと、以前の読書生活に戻れたのでこのページを始めることにしました。それまでは、出来の悪い受験生と同じで、議員としての教科書と参考書に追われていました。焦りでそれ以外の本に手がでなかったわけです。そこで今年の収穫ですが、池波正太郎の「剣客商売」と出会えたことと宮崎学を知ったことです。それにしても景山民夫氏が亡くなられたことがとても残念です。

1998.12.27-063 公共政策論-地方公務員新研修選書30(宮嶋勝、学陽書房)

地方自治体職員のため研修用教材。公共政策が住民ニーズの多様化で公平性の原則、効率性の原則、安定性の原則を守りきれるのか。数式が多くでてきて、風邪もひいているので、ヘトヘトで読了。

1998.12.25-062 活字博物誌(椎名誠、岩波新書)

「発作的に読み散らかしているいろんな本の読後連想式妄想型ヨタ話である。」と、あとがきにある。それにしても小説家というのは、想像力ゆたかに、さまざまなジャンルの本を大量に読む人である。椎名誠はタイトルのつけかたがうまい。読みたくなるような本のタイトルである。

1998.12.21-061 天使のみつけかた(おーなり由子、新潮文庫)

おーなり由子さんは、母校である春日丘高校の後輩だ、と同窓会のHPで知り、この本を購入。そんなつながりなければ、絶対に手にすることがなかっただろう。少し元気のない若い女性に送られた、少し元気になるイラストとエッセイ。

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1998.12.21-060 日本の経済格差(橘木俊詔、岩波新書)

資産分配の不平等度は、地価や株価が急騰したバブル期にピークに達し、その後の地価や株価の下落で不平等度は緩和したが、わが国の所得分配は不平等に向かっている。経済のの効率性に配慮しつつ、税制や社会保障制度によって再分配政策を強化する必要があり、そのためにも累進消費税の導入と、税と社会保障の統合を主張。漠然と感じていた不平等感や不公平感をさまざまな角度から解説され納得。

1998.12.14-059 読むクスリ24(上前淳一郎、文春文庫)

「人間関係のストレス解消に」というコピーがついているが、元気になるコラムでいっぱい。一生懸命生きている人たちの元気が吸収できる。上前さんはコラムもうまいが、長編のノンフィクションもいいんですよね。

1998.12.09-058 でか足国探検記(椎名誠、新潮文庫)

南米大陸のパタゴニア地方は、パタゴン(でっかい足の人々)が住むところ。椎名誠はことばを見つけてならべかえるのがうまい。いいオッサンが集団で長期間も行動をともにするのは楽しだろうが疲れないのだろうか。野外に出かけたくなってきた。寒くなってきたけれどキャンプに行きたくなった。

1998.12.08-057 環境ホルモン入門(中原英臣、KKベストセラーズ)

内容も文章もうまく整理されており、読みやすく理解しやすい。科学の進歩が「便利」な化学物質を生産し、急速に普及した。この急激な変化に対応できない私たちの体と社会。個別の対応をしていくとわけが分からなく状況での基準を明示している。入門書としてはGood。

1998.12.06-056 家はあれども帰るを得ず(関川夏央、文春文庫)

団塊の世代には著者をはじめ、沢木耕太郎、吉岡忍、猪瀬直樹など優秀なノンフィクション作家が多い。人生を彷徨しているうちにノンフィクション作家になったのか。硬質な文章で長編に比べエッセイはあまり得意でないのか、期待ハズレ。

1998.12.05-055 地域政策論-地方公務員新研修選書27(蓼沼朗寿、学陽書房)

地方自治体職員の研修用教材として、地方公務員の自己啓発の参考書として利用すること目的に発行されているわけで、勉強のため参考書として読んでいるわけです。まあ興味深い内容ではあった。

1998.12.04-054 憲法第九条(小林直樹、岩波新書)

第九条「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」憲法第九条の成立の歴史や解釈など。核戦争の危機の中、非武装平和方式の優位性を力説。自衛隊存在の現実が抱える「違憲かつ合法」の矛盾。

1998.12.02-053 中小企業新時代(中沢孝夫、岩波新書)

企業数では99.1パーセントが中小企業で、従業者の78パーセントが中小企業の従業員である、中小企業の国日本。不景気なんか恐くない、モノづくりにがんばる元気な中小企業群が登場。多くの経営者からの聞き取りをベースに展開。モノづくりの基礎となるワザ・技能が失われつつある危険性を指摘。

1998.11.28-052 剣客商売 包丁ごよみ(池波正太郎、新潮文庫)

「剣客商売」の魅力に秋山小兵衛の食べる料理があります。「剣客商売」を読んでいて、日本酒が飲みたくなったり、酒の肴がほしくなったら、この本を持って台所へどうぞ。剣の道も厳しいが料理の道も厳しいですが。池波正太郎、バンザーイ!

1998.11.27-051 剣客商売番外編 ないしょないしょ(池波正太郎、新潮文庫)

薄幸の女性がまわりのの人たちに助けられ、たくましく一生懸命に生き、成長していく。秋山小兵衛や小川宗哲、四谷の弥七も登場。さわやかで、胸にジーンとくる作品。

1998.11.27-050 剣客商売番外編 黒白(上・下)(池波正太郎、新潮文庫)

若き日の秋山小兵衛を描いた長編、上下2巻に分かれていて相当のボリュームだが、一気に読み終えた。「剣客商売」シリーズをすべて読み終えた後に、「黒白」を読むと胸に迫るものがあり、なおさら味わい深い。「剣客商売」シリーズを最初から読み返したくなった。

1998.11.25-049 剣客商売 浮沈(池波正太郎、新潮文庫)

18年間書きつづけられた「剣客商売」も16冊目の「浮沈」が最後。「浮沈」を書き終えたあと、池波正太郎氏が亡くなられた。いま生きておられたら、どんな「剣客商売」が誕生したのだろうか。時間と空間を自由自在に行き来する、このシリーズに読者は快感を覚え、自分の人生を考える。「浮沈」というタイトルが重く悲しい。

1998.11.24-048 剣客商売 二十番勝負(池波正太郎、新潮文庫)

ネコが活躍する短編「おたま」と「暗殺者」につづくシリーズ3作目の長編「二十番勝負」の2作品が収められている。行事がたてこんでいて、「剣客商売」と久しぶりの対面。時代を冷徹に見る剣客・秋山小兵衛には、徳川幕府の終焉、武士社会の破綻がわかる。小兵衛のダンディズムに日本酒で乾杯。

1998.11.20-047 剣客商売 暗殺者(池波正太郎、新潮文庫)

剣客商売シリーズ2作目の長編。秋山大治郎の危機を心配し活躍する小兵衛、その態度は剣客というよりも、息子を心配しオロオロする父親。剣客と死のイメージが強く結ぶつく。

1998.11.20-046 剣客商売 波紋(池波正太郎、新潮文庫)

秋山小兵衛や友人たちの老いが切ない。長生きすることにつれ引きずらざるをえない、過去の大きさが辛く悲しい。急に寒くなり、はやくも冬の気配。読んでいて、寒さが身にしみる。

1998.11.18-045 剣客商売 十番斬り(池波正太郎、新潮文庫)

「小説は最初の一枚が勝負ですね」「ここで読者をひきつけなければだめなんですよ」、これは池波さんの持論である、と解説の常盤新平とのべている。「剣客商売」シリーズの最初の一枚を読み返し深く納得。それに池波さんのダンディズムにメロメロ。

1998.11.18-044 剣客商売 勝負(池波正太郎、新潮文庫)

秋山大治郎、三冬夫婦に男の子が誕生、名前は小太郎。小兵衛の人間を見る目、時代を見る目の確かさには敬服する。もし、いま池波正太郎が生きていれば、秋山小兵衛にどのように語らせ、どのように行動させただろうか。そんなことを考えながら11冊目を読了。

1998.11.16-043 剣客商売 春の嵐(池波正太郎、新潮文庫)

初めての長編、読みごたえがある。秋山小兵衛と仲間たちが大治郎の危機を救おうと、骨身を惜しんで大活躍。醜い政治抗争を背景にさわやかな秋山ファミリーの活躍に拍手を送りながら読了。

1998.11.16-042 剣客商売 待ち伏せ(池波正太郎、新潮文庫)

秋山小兵衛のダンディズムが許せない事件や出来事が多く発生し、忙しい。江戸時代が終焉を迎えようとし、人々の心は荒廃し、倫理観もなくなりつつある。秋山小兵衛の剣のあざやかさが悲しい。

1998.11.16-041 剣客商売 狂乱(池波正太郎、新潮文庫)

仕事関係の本もまとめて読む時間の余裕があるのに、このところ手にする本といえば、「剣客商売」。地名や植物、食べ物などの名前には雰囲気や風情がある。どんなに凄惨な事件も後味が良いのは、さすがに池波正太郎である。

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1998.11.14-040 剣客商売 隠れ蓑(池波正太郎、新潮文庫)

世紀末の江戸で秋山小兵衛の時代を見つめる姿勢は厳しいが、人々を見つめる目線はやさしくあたたかい。

1998.11.13-039 剣客商売 新妻(池波正太郎、新潮文庫)

秋山大治郎と佐々木三冬がついに結婚し、新しい展開に。グロテスクで淫靡な江戸が現代とかさなる。地方行政に関する本も平行して読んでいるのだが、ついつい「剣客商売」に。

1998.11.12-038 剣客商売 白い鬼(池波正太郎、新潮文庫)

テンポがいいというか、小気味がいいので毎日の楽しみになった。秋山小兵衛と関わりを持った人たちが適当なタイミングで登場しなつかしい。今日、「剣客商売」のシリーズ(新潮文庫)をすべて購入。うまい肴で日本酒が飲みたい。

1998.11.12-037 剣客商売 天魔(池波正太郎、新潮文庫)

少しでも時間があると、「剣客商売」に向かっているこの頃です。20年前にはこのおもしろさに気がつかなかったとは、情けない。「剣客商売」中毒者になってしまった。

1998.11.11-036 剣客商売 陽炎の男(池波正太郎、新潮文庫)

秋山大治郎と佐々木三冬の関係がおもしろくなってきた。佐々木三冬がずいぶん女っぽくなってきた。登場人物の名前がいいし、季節の描写や江戸の地名も楽しい。「剣客商売」のシリーズは順番に読んでいくのが正しい。

1998.11.10-035 剣客商売 辻斬り(池波正太郎、新潮文庫)

ハマッテしまいました。秋山小兵衛とまわりの人たちの魅力にメロメロです。若い登場人物達の成長ぶりも楽しみです。今の時代と重なる部分があったり、なくなってしまった世界があったり。

1998.11.10-034 情報化の功罪(稲葉清毅、第一法規)

著者が総務庁官房審議官で、サブタイトルに「新しい時代の行政の課題」とあったので買ったのだが、発行が1991年と古く(チェックするのを忘れてました)、期待はずれ。うまく整理されており、わかりやすい内容なのだが、この手の本は必ず発行日の確認を。

1998.11.10-033 剣客商売(池波正太郎、新潮文庫)

友人の勧めで池波正太郎を読む。今まで「けんきゃくしょうばい」と思い込んでいたのだが、正しくは「けんかくしょうばい」。20年以上前に小説新潮で読んだのだが。読み始めてしばらくは、今放送されているテレビの番組のイメージに惑わされていたが、すぐに秋山小兵衛の世界に引きずり込まれた。秋山小兵衛の世界にはまりそうです。好きな作家がまた一人増えました。

1998.11.09-032 景気と経済政策(小野善康、岩波新書)

標記のテーマについて、<供給側>と<需要側>という二つの考え方から、解説。また、この二つの考え方を景気の局面に応じて使い分ける必要性を力説。「公共投資の意味は、第一義的には遊休資源や失業者の有効利用であって、景気刺激効果ではない」「貴重な労働資源や設備が、不況で使われずに余っているのだから、それらを積極的に使って有用なものをつくれば、それだけで意味がある。その上で景気が上向けば、幸運だ」。

1998.11.08-031 バトルトーク突破者(宮崎学、同時代社)

図書館で借りてきた5冊目の宮崎学。東大の学生やサラリーマン、教員、主婦などの質問に宮崎学が自分の考えを素直に述べている。最後に、会津小鉄四代目会長・高山登久太郎とのやりとりもある。元週刊現代の記者だけあって話の聞き方、進め方はさすがで、おもしろい読み物に。宮崎学に興味のある方は、彼のホームページ「キツネ目の男」宮崎学 http://www.zorro-me.com/miyazakiへどうぞ(このHPからもリンクしています)。さて、島本町立図書館から借りてきた宮崎学ランキングの発表です。

1位:突破者(南風社) 2位:突破者の条件(幻冬社) 3位:不逞者(角川春樹事務所) 4位:バトルトーク突破者(同時代社) 5位:突破者烈伝(筑摩書房)

宮崎学の本からバブルの時代、構造がよく見えてくる、そしていまの社会も。行動派・肉体派のインテリです。ダブルスタンダードを拒否する彼の姿勢が時代や社会を見せてくれる。

1998.11.06-030 突破者の条件(宮崎学、幻冬社)

突破者=無法者=アウトローの考え方、行動のしかた、生き方、社会との関わり方がこの本のテーマ。皮膚感覚というよりも肉体感覚で世の中、世間を理解し行動する、宮崎学の世界がここにある。「日本には庶民はいても市民はいない」「マニュアルをいかに知っているか、いかにそのマニュアルどおりに動いているか、それが良い市民、悪い市民の基準になっている」「市民と称する人たちは、自分が鈍いことさえ分からないほど、その感性は鈍くなっている」と言う。

1998.11.05-029 身近なときめき自然散歩(久山喜久雄、淡交社)

この本の編著者の久山さんは、京都・法然院を中心に活動する環境学習市民グループの代表でアマチュアのナチュラリスト。5.6年前にテレビ番組(近畿は美しく)でご一緒してからの知り合いで、肩に力を入れない、身近な小さな感動を大切にする、すてきなフィールドワーカーです。久山さんを含め5人の著者が大事に作った、すてきな本です。

1998.11.03-028 突破者烈伝(宮崎学、筑摩書房)

またまたの宮崎学、図書館から借りてきた3冊目。「突破者」「不逞者」には重量感も濃厚さがあったが、これはあっさりとすらすらと読める。週刊誌的な読み物、エンターテイメントとしてはGood。

1998.11.02-027 デジタル産業革命(山根一眞、講談社現代新書)

タイトルから、かなり期待したのだが、さして目新しいことがなかった。造語のセンスはなかなかだが、軽いし中身がうすい。インターネットに関する読みやすい入門書。

1998.11.02-026 不逞者(宮崎学、角川春樹事務所)

図書館から借りてきた宮崎学の2冊目。熱い時代を濃厚な人間関係の中で生き抜いた二人、愚連隊の神様・万年東一と在日の星・金天海についてのドキュメント。「組織に淫するものは、必ず名誉にとりつかれる。そして、これは必ずではないが、往々にして、カネにも支配される。」いままさに、個人の時代、縦ではなく横のつながりの時代、組織ではない場が大切な時代である。

1998.10.31-025 突破者(宮崎学、南風社)

グリコ・森永事件で「キツネ目の男」と疑われた、宮崎学のデビュー作。発売当時、ずいぶんと話題になっていたが読みそこねていたので、友人のすすめもあり図書館で借りてきた。「戦後史の陰を駆け抜けた50年」のサブタイトルがあるように、ヤクザの息子、学生運動の闘士、週刊現代の記者、バブル時代の地上げ屋として、社会の裏側から時代を見続けてきた武闘派インテリが自分の肉体をとおして語る戦後史である。ワクワクしながら一気に読み終えた。団塊の世代はぜひ一読を。

1998.10.29-024 あやしい探検隊・焚酔虎水滸伝(椎名誠、角川文庫)

あやしい探検隊シリーズの6冊目。高校生のまま大人になったようなオッサンたちが、テントと食料をかつぎキャンプにでかけ、焚火を前にワイワイ、ガヤガヤと連夜の酒盛り。オシャレじゃないが、かっこいいのです。硬派と軟派の精神を持つ、個性的ではちゃめちゃで前向きな連中の行動や会話が楽しく、うらやましい。このシリーズを読むと、キャンプに行きたくなる。なぜか元気にもなるのです。

1998.10.26-023 行政手続法(兼子仁、岩波新書)

日本の行政は、外からよく見えない不透明なしくみで、公正でない、と諸外国から強く批判され、また1991年の第三次行革審の答申をへて、1993年11月12日に「行政手続法」が公布された。法律、特に行政法はわかりにくい、降参です。

1998.10.22-022 地方自治制度-地方公務員新研修選書11(久世公堯、学陽書房)

地方公務員を対象に、自治大学校のカリキュラムを参考にした、研修用教材シリーズ。前回のこのシリーズの本よりは少し中身が柔らかいので読みやすかったが、それでもこの手の本は読みにくい。このわかりにくさが政治や行政のわかりにくさに通じているのだが。仕事だから読んでるわけです。

1998.10.22-021 事件記者-新婚夫婦殺人事件(大谷昭宏、幻冬舎アウトロー文庫)

大谷氏が読売新聞退職後に書いたデカとブン屋のデスマッチ・シリーズ。使命感に燃え、熱い情熱とギラギラした目で事件を追いかける、デカとブン屋の大人の友情と交流を描いている。10年ぐらい前のことなのに、ずいぶんと昔の時代の話のように感じてしまうのは、なんとも切なく情けない。あの頃は、みんな一生懸命、走っていたのだ。大谷氏の熱い部分が見えて、うれしい。

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1998.10.07-020 納税者の権利(北野弘久、岩波新書)

税金の仕組みや不公平さを、法律的に展開した理論書。サラリーマンにとって不公平な税制であることはわかるが、その仕組みは複雑でわかりにくい。とりやすいところからはとるが、とりにくいところからはとらない、ような現行の制度であり、その点ではきわめて不公平である。しかし、難解な本である。

1998.10.06-019 財務管理-地方公務員新研修選書19(石原信雄、学陽書房)

サブタイトルにあるように地方公務員を対象に、自治大学校のカリキュラムを参考にした、研修用教材であり、参考書である。議員にならないかぎり、読むこともなかっただろうし、手にすることもなかっただろう。読みにくく、分かりにくい本である。読み始めてから読み終えるまで、半年以上もかかった。

1998.10.05-018 「知」のネットワーク(大前研一、PHP文庫)

サブタイトルに時代を変える7つのキーワードとあり、そのキーワードとは、時間軸的発想、新・コミュニケーション論、自由裁量時間、地球的大競争時代、情報発信システム、イメージという戦略、「知」のネットワークの7つである。テレビ番組で対談した人たち記録をもとにしたもので、読みやすい。これからは、一生に三度くらい失業し、再就職しなければならない時代であり、21世紀の情報社会を生きていくためには、個人個人が情報の受信ものであるとともに、情報の発信者になる必要があると言う。

1998.10.04-017 淳(土師守、新潮社)

「神戸少年事件」の被害者家族が我が子に捧げる鎮魂の手記、と本の帯に記されている。我が子を失った悲しみのなか、父親である著者が一字一字に息子への深い愛を込めて、素直に大切に書き上げたものである。著者の書いている姿や思いが想像されて悲しい、つらい本である。マスコミ報道の傍若無人に激しい怒りを感じる。

1998.09.28-016 インターネット革命(大前研一、プレジデント社)

1995年発行で資料的には、少し古いところもあるが(それだけ、ここ数年の変化が激しいということだが)、大前研一が気持ちよく持論を展開している。インターネットによって、日本が、企業が、個人がどのように変わるべきなのか。日本の対応の遅れや規制、そのことによるサービス産業の空洞化を力説。

1998.09.26-015 ここまで来たインターネット・ビジネス最前線(竹村健一、クレスト社)

竹村健一という名前に抵抗はあったが、図書館で借りてきて読んでみると、なかなかおもしろい。マクルーハンの理論を解説しながら、電子メディア時代の人間行動やビジネスなどをわかりやすく説明している。

1998.09.24-014 雇用不安(野村正實、岩波新書)

戦後最悪の失業率だが、アメリカやドイツ、フランスに比べると決して高い数字ではない。そのことから、失業率の国際比較や企業の雇用構造、規制緩和などについて学問的に解説。あまりピンとこなくて、今を感じなかった。タイトルから想像した内容とイメージが違いすぎた。

1998.09.23-013 バリアフリーをつくる(光野有次、岩波新書)

「はじめからバリアのない物や街をつくればいい!」「傷害は社会環境が作る物である」「人は一生のうちかならず何度かはハンディキャプトになる。まず赤ん坊時代そのものがハンディキャプトである。そして加齢によって身体のあちこちに傷害が発生する。」、と著者は言う。バリアフリーとは、いわゆる傷害を持った人たちだけにとっての言葉ではなく、自然と人間との間のバリア、地域と住民との間のバリアをなくす、というような「共生」にちかい言葉に置き換えて考えたほうが多くのことが見えてくる。

1998.09.11-012 ムーン・リヴァーの向こう側(小林信彦、新潮文庫)

この作品は、「ドリーム・ハウス」「怪物がめざめる夜」に続く東京三部作の完結作。とにかくタイトルがいいですね。小林信彦さんの作品とは30年近いつきあいですが、まだ裏切られたことがありません。いつも作品を楽しむとともに、博識、博学に感心します。好きな作家は、小林信彦さん以外に景山民夫、椎名誠、清水一行、本田靖春と筒井康隆さんです。みなさんサービス精神があって、ストーリーテラーで信念を感じます。それに、肩に力を入れず、シャイなインテリで、言い過ぎません。

1998.09.09-011 末席重役(清水一行、角川文庫)

企業小説の第一人者である清水一行の短編九編を集めたもの。人間の欲とか業と組織の論理の対立や不条理。人間のドロドロしたものと別次元で動く組織の論理。その二つを冷徹に力技で描く清水一行の小説を読むと、重く熱いかたまりを喉に押し込むようなつらさを味わう。サラリーマン時代にむさぼり読んだ。

1998.09.08-010 本は寝ころんで(小林信彦、文春文庫)

映画、演芸、本に圧倒的な知識力と理解力を持つ著者が週刊誌に連載したエッセイをまとめたもの。ストーリーテラーで長編の小説も一気に読めるが、エッセイも楽しみながら一気に読める。小説家であるとともに、知識人、インテリである。

1998.09.07-009 僕の青春放浪(猪瀬直樹、文春文庫)

団塊の世代である著者のエッセイ。「全共闘運動が盛んでした。たぶん、あのノリは僕らの世代のものでしょう。深刻なようでそれほど深刻ではない。なぜなら社会のため正義のためなどは大義名分で、その点では本気ではなかったはずです。みな自分が退屈で退屈で我慢ならず苛立っていたことを知っていたからです」「他人がどういおうと自分がどこからきてどこへ行こうとしているか、わからない。それが最大の難問でした。とりあえず途中下車してみたものの、景色はいっこうに変わり映えしない。これは迷路に入り込んだな、と思いました」。団塊の世代の方は、一読を。

1998.09.02-008 湿地といきる(樋口広・成末雅恵、岩波書店)

「自然環境とのつきあい方(全7巻)」のシリーズ。湿地と人とのかかわりの歴史を読むと、かつて湿地とうまくつきあってきた歴史がよくわかり、うらやましく思うとともに、大切なものを壊してしまったと感じる。人間の生活が食物連鎖のバランスを崩し、生態系をぐちゃぐちゃにしてきたのだ。今、やらなければならないことが、ありすぎる。

1998.09.02-007 時にはうどんのように(椎名誠、文春文庫)

椎名誠はやっぱり天才です。この本は週刊誌に連載されたエッセイをまとめたもの。タイトルに驚き、中身にもっと驚きます。世の中の不思議、不可解を鋭く観察し、体育会的に文章化する技には、スポーツ、格闘技を観戦するようなドキドキ、ハラハラと爽快さがある。

1998.08.29-006 オンリー・イエスタデイ(景山民夫、角川文庫)

ストリーテラーとしては小林信彦と双璧の作者が、昭和30年代の自分の思春期(中三・高一・高二・高三)を綴った作品。その時代の臭いや空気が感じられ、なつかしく、せつなくなってくる。景山民夫を雑学の大家で、インテリで、うそつきで、ロマンチストで天才です。早く死にすぎです。

1998.08.11-005 山とつきあう(岩田修二、岩波書店)

もっとかしこく、もっとゆたかに!と副題のついた「自然環境とのつきあい方(全7巻)」の1つ。穂高岳・白馬岳・上高地・チョモランマの調査・研究をもとに、山とのつきあい方を解説。山とのつきあい方を著者は、次のようにまとめる。(1)山の地形変化は止められないことを理解したうえでの山とのつきあい方、(2)山の文化、あるいは山に住む人びとの生活をこわさない山とのつきあい方、(3)山に入り込む人の数を減らす山とのつきあい方。

1998.08.05-004 インターネット(村井純、岩波新書)

急速に普及、発展したインターネット、いま、便利なモノからなくてはならないモノになりつつある。そして、これからどのように展開していくのか、していけばいいのか。第一人者がわかりやすく、読みやすく解説。公共施設にはぜひともインターネットの端末機の設置が必要である。

1998.08.04-003 日本の教育を考える(宇沢弘文、岩波新書)

「社会的共通資本の重要な構成要因である医療、教育、公害、地球環境などの問題はいづれも、これから21世紀にかけて、私たちが直面するもっとも重要な問題です。しかし、これまでの経済学の理論的な枠組みのなかでは必ずしも満足しうる考察、分析ができませんでした。社会的共通資本という新しい概念を導入すろことによって、医療、教育、公害、地球環境などの問題を経済学的に分析することが可能になり〜」。学校教育の全面的危機の現状について、歴史的に、社会的共通資本の観点から展開、またリベラリズムの理念に沿った学校教育制度のあり方についても。

1998.08.02-002 ゴミと化学物質(酒井伸一、岩波新書)

「現在、廃棄物対策の基本的考え方として、世界的に合意がはかられつつある順位選択は、1)発生抑制(発生回避)、2)リサイクル、3)適正処理、である。モノの購入・使用にあったて廃棄物発生段階をにらんで不要なモノは買わない、使わないという発生抑制。モノにもつ使命をいったん終えた後に別の主体が再使用する、あるいは同じ用途に再生する、別の用途に再利用するなどのリサイクル対策。それでも発生せざるをえない廃棄物を、ヒトの健康や環境の影響のより少ない形で処理・処分する適正処理。このような順序で廃棄物対策はおこなわればならない。」「ヒトは物質消費に充足することなく、つねにつぎの消費ターゲットを追い求め、産業社会は製品の計画的な陳腐化でそれを加速させる。その結果、われわれの眼前にあらわれつつあるのは廃棄物の山である。かりに廃棄物の山々をうまく眼前から消したように見えても、目に見えない形で化学物質が環境中をめぐってわれわれの体に復讐をはじめている。その本質が現代社会の消費概念、なかでも大量消費を前提とした経済システム、社会システムにある。」。便利さを知らず知らずのうちに求めた結果なのか。いまこそ大人の英知・理性・謙虚さが求められています。

1998.07.25-001 インターネット自由自在(石田晴久、岩波新書)

数百万人の日本人が使っているインターネットは、社会をどのように変えていくいくのか。その可能性と情報化社会の倫理、セキュリティーについても詳しく言及。著者は(株)アスキー常務取締役。地方公共団体も積極的にインターネットを活用し、住民サービスに努めるべきである。
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