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城山三郎や佐橋滋たちをとおして人との出会いについて熱く語っている。佐橋滋の「官僚たちの夏」に、「わたくしはエリートの教養と自由主義の度合を社会主義に対する寛容度によって測ることにしている。ということは、社会主義が資本主義より進んでいるというのではない。またその逆を正しいというのでもない。お互いに相手を分かろうとする意志があるかどうかである。論理を展開するときに好き嫌いの感情が露骨に先行する人は、教養人でもなければ自由人でもなかろうと思う。日本で現体制維持者は自らを自由主義者だと思っているが、他人の見解に理解を示そうとしない人が自由主義者であるはずはなかろう」。この本が今年読んだ166册目の本。月に13.8册、2.2日に1册のペースだから、良く読んだと思う。今年の収穫は宮城谷昌光氏や東海林さだおさん、佐高信氏、池波正太郎氏の鬼平犯科帳シリーズ・藤枝梅安シリーズに出会ったこと。それに古本屋さんや図書館と友だちになれたこと。来年はどんな作家、どんな本と出会えるのか。読書の楽しみが広がった1年でした。
1999.12.28-165 西郷隆盛(池波正太郎、角川文庫)
政治家でもなく軍人でもなく、詩人の魂を持った理想家で教育家であった、西郷隆盛を丹念に追いかけた伝記小説。西郷隆盛について何も知らないことが良くわかった。明治維新前後のドロドロした人の動きや感情が興味深い。
1999.12.28-164 雲霧仁左衛門(後編)(池波正太郎、新潮文庫)
怪盗・雲霧仁左衛門を追いつめていく火付盗賊改方の活躍がいい。前編では優勢だった雲霧仁左衛門が、後編では劣勢に。終盤の展開は活字を追うのがもどかしいほど。そして、池波正太郎氏の雲霧仁左衛門への思いが、さわやなラストシーンを演出。
1999.12.27-163 雲霧仁左衛門(前編)(池波正太郎、新潮文庫)
図書館が休みに入ったので宮城谷昌光氏をあきらめ池波正太郎氏に。雲霧仁左衛門は格調の高い大盗賊で、盗みの発想や組織、チームワークなどがすばらしい。火付盗賊改方とのスケールの大きい戦いがおもしろい。池波正太郎氏には裏切られることがなく、特に長編がいい。
1999.12.25-162 歴史の活力(宮城谷昌光、文春文庫)
単行本のときのタイトルは「会社人間上昇学」で、中国の歴史上の人物や事件から学ぶ、経営者論・リーダー論・組織論。人相篇、言葉篇、真偽篇、才能篇、命名篇、創造篇、教育篇、死生篇、父子篇、人材篇、先覚者篇、哲理篇、貧富篇、信用篇、観察篇で構成されている。
1999.12.24-161 血族(宮崎学、幻冬社)
サブタイトルは「アジア・マフィアの義と絆」。第二次世界大戦、ベトナム戦争を生き抜いたアウトローを描いたノンフィクションで、日本・香港・台湾・中国・タイ・ビルマ・シンガポール・ベトナムを結ぶ、スケールの大きい力作。中国人の家族や親族についての考え方がよく理解できる。あとがきで著者は語る、「アジアの歴史のある部分はこの種のアウトローの歴史ではないかと思う」と。
1999.12.23-160 アイウエオの陰謀(東海林さだお、文春文庫)
久々の東海林さだおさんとの再会です。東海林さだおさんの思考のおもしろさや奇妙さがよく現れている本です。ものごとを見つめる東海林さだおさんの目線とこだわりが楽しい。少し長いめのこってり味のエッセイです。
1999.12.21-159 新・鬼平犯科帳 草雲雀(池波正太郎、文芸春秋)
「俄か雨」「馴馬の三蔵」「蛇苺」「一寸の虫」「おれの弟」「草雲雀」の6篇とも、以前文庫本で読んだもの。再読だがいずれも読みがいがある。鬼平を中心とした人間関係がいい。
1999.12.18-158 奇貨居くべし/黄河篇(宮城谷昌光、中央公論社)
春風篇、火雲篇の続編で、火雲篇を読んだあと宮城谷昌光氏の本を何冊か読んでいるので、少々頭が混乱したまま、登場人物を思い出しながら読み進む。主人公・呂不葦はさまざまな人との出会いから学び自ら成長していく。そして、商人になることを決意し、これからの呂不葦の飛躍を予感させつつ、黄河篇は終わる。「空想も、三年ほど腹中に居いておけば、奇貨に化する。奇貨はめずらしい品物ということであり、手にはいりにくい財宝ともいえる。」
1999.12.18-157 沈黙の王(宮城谷昌光、文芸春秋)
「沈黙の王」「地中の火」「妖異記」「豊饒の門」「鳳凰の冠」の5つの短編をそれぞれ興味深く読んだが、やはり宮城谷昌光氏は長編がgoodです。文字の持つ意味の重さや深さを考えさせられる。「沈黙の王」に武丁が中国ではじめて文字を創造した話がある。「目にもみえることばとは、なんであろう。そんなささやきが飛び交ううちに、神官のなかから、貞人と呼ばれる者が選抜された。かれらは武丁の意想を知らされて唖然とした。『象を森羅万象から抽き出せ』」。
1999.12.16-156 読むクスリ26(上前淳一郎、文春文庫)
感心したり、なっとくしたり、驚いたり、といろんなヒントがいっぱいの本です。宮城谷昌光氏の本が続いていたので、少し気分を変えてみたかったのです。上前淳一郎氏も文章のうまい作家です。
1999.12.15-155 晏子・第四巻(宮城谷昌光、新潮文庫)
フーと大きなため息をついて読了。誰に対しても、間違ったことにはNOと言える強い意思と人間としての迫力と存在感、すごいです。君主に苦言、諫言を言い続けて殺されなかったのが不思議な晏嬰を生かしていたものはなにか。宮城谷氏の作品に向かう姿勢やエネルギーにも降参。
1999.12.14-154 晏子・第三巻(宮城谷昌光、新潮文庫)
晏弱が死に、その息子の晏嬰は3年間喪に服すが、その間に斉の国は大混乱。晏嬰は民から信頼され、ふたたび政治の表舞台へ現れるが、混乱はまだまだ続く。静かに、そしてさまざまな思惑の中で物語は進行する。
1999.12.13-153 晏子・第二巻(宮城谷昌光、新潮文庫)
晏弱とその息子である晏嬰の対話がおもしろい。莱を攻めた晏弱の戦略・策略は息をのむ展開と迫力。カメラマンをめざし、音楽にくわしい著者ならではの描写です。
1999.12.12-152 晏子・第一巻(宮城谷昌光、新潮文庫)
急いで図書館へ。「晏子」の「上」と「下」を借りたのですが、「中」がなかったので、古本屋で手に入れた本で読了。大小いくつもの国が乱立した古代中国春秋期が舞台。国も個人も混乱した中で、「徳」「仁」「義」「礼」とはなにか。そのような、古くさい言葉が心の中に抵抗なく入ってくる。
1999.12.09-151 海辺の小さな町(宮城谷昌光、朝日新聞社)
主人公が大学に入学し卒業するまで過ごした、海辺の小さな町での4年間を描いた、宮城谷昌光氏の現代小説です。さまざまな人との出会いやカメラをとおして考え、行動し、成長していく姿が爽やか。映像的で音楽的であたたかい作品です。宮城谷昌光氏ファンだけでなく、カメラファンにもお薦め。
1999.12.09-150 ダイオキシンの現実(宮田秀明・保田行雄、岩波ブックレット)
所沢のダイオキシンについても、くわしく解説。「所沢問題」ではっきりしたのは、食品の問題がダイオキシン問題の一番大きな問題で、日本人が摂取するダイオキシン量のうち、食料品からの量が80%以上を占め、魚介類がその60%以上を占める。土壌も大気も血液もサンプリング方法が大切で、測定する条件次第でその数値が大きく異なる。もっとも汚染がおこりやすそうな地点を含めた調査が必要。補償制度や脱焼却と再資源化の必要性、さい資源化に向けた経済システムの構築について力説。
1999.12.09-149 母乳とダイオキシン(本郷寛子、岩波ブックレット)
”「赤ちゃんが危ない」「母乳が危ない」というイメージだけが先行して広がったため、「それならその結果、安心して母乳をあげられる環境を作っていこう」という動きよりも、「そんなに危ないものはやめなければならないのでは」といった憶測だけが急速に広まりました。そして、あるべき方向、つまり環境問題を考えて環境そのものを改善していく方向とは違う方向に、すなわち単に「母乳は危ないから粉ミルクへ」と問題がすりかえられてしまいました。”と、著者は言う。知らなかった多くの事実が、この本に。興味のある方はぜひ、ご一読を。
1999.12.09-148 奇貨居くべし/火雲篇(宮城谷昌光、中央公論社)
主人公・呂不葦と大人たちとの対話が楽しい。育てられ育っていく主人公の姿勢や態度に感動する。後半の孟嘗君との出会いが楽しい。宮城谷昌光氏の他の本で見知った歴史上の人物が出てくると、なぜかうれしい。「奇貨居くべし」の続編は図書館にあるのだろうか、発行されているのだろうか、とても気になる。
1999.12.08-147 奇貨居くべし/春風篇(宮城谷昌光、中央公論社)
内省的で洞察力のある主人公がいい。15歳の呂不葦が旅に出ていろんな事件と人々に出会い、成長し輝いていく様子がうれしい。
1999.12.06-146 孟嘗君5(宮城谷昌光、講談社)
多くの持説を持つ説客や特技を持つ食客に囲まれ、孟嘗君はその才能を開花。「仁義」を尊び、孟嘗君を育て教えた白圭が死ぬまぎわに言う、「助けてくれた人に礼をいうより、助けてあげた人に礼をいうものだ。文どのにいいたかったのは、それよ」と。人の出会いや運命の不思議を感じながら、嵐な中にいるように全5巻を読了。宮城谷昌光氏を求めて、図書館へ急ごう。でも、今日は休館日です。
1999.12.04-145 孟嘗君4(宮城谷昌光、講談社)
孟嘗君は政争のため、実の父である田嬰を離れ、育ての父である白圭のもとに。実の父と子が、ある時は共に、そして別々に行動。孟嘗君の魅力が個性豊かな仲間を呼び、大きな勢力に。
1999.12.04-144 孟嘗君3(宮城谷昌光、講談社)
もうメロメロです。風洪改め白圭が大活躍、孟嘗君は実の父である田嬰に再会し、生活をともに。展開がスピーディーにスケールがますます大きく。
1999.12.03-143 孟嘗君2(宮城谷昌光、講談社)
寸暇を惜しんで、「孟嘗君」に向かっています。ラッシュの電車の中でも、この本を手離せません。自省的でさわやかな風洪と周りの人たちの魅力がたまりません。風洪の決断力と行動力も。
1999.12.02-142 孟嘗君1(宮城谷昌光、講談社)
こんなにも宮城谷昌光氏にハマってしまうとは。人が人を呼ぶ。情報は、人の口を通じ人から人へ。孟嘗君の育ての親である風洪の侠気がページを進ませる。
1999.12.01-141 新・天国野郎(清水一行、角川文庫)
サブタイトルは、女と酒とギャンブル。清水一行氏のレパートリーも広い。サブタイトルどおりの中身ですが、いまでも清水一行・椎名誠・上前淳一郎氏の文庫の新刊は買ってしまうのです。
1999.11.30-140 星雲はるかに(下)(宮城谷昌光、集英社)
「近い道と近道はちがうのです。近道ばかりを歩こうとすると、かえって迂路や迷路にはまり、ついに大道にでられない。それより近くにある路がとても険しく隘くても、それを歩きましょう。かならず大道にでられる」。愛する女性と再会を誓い励ます場面の科白です。人との出会いや別れが悲しく、別れた女性との再会は感動的。歴史小説であり、政治小説であり、恋愛小説です。さわやかな印象が残る作品で、女性にお薦め。
1999.11.29-139 星雲はるかに(上)(宮城谷昌光、集英社)
主人公は不思議な人物です。悲しみや不幸せな美しい女性たちとめぐりあい、自分自身を成長させていく。一気呵成に読むより、じっくり読むのがふさわしい長編です。
1999.11.28-138 公的介護保険Q&A(高齢社会をよくする女性の会/編、岩波ブックレット)
福祉政策の歴史的転換である公的介護保険について、介護を担ってきた女性の立場から、Q&A方式でやさしく解説されている。巻末に資料として、介護保険法案要綱案が。公的介護保険は、介護を「社会で担うもの」と位置づける大転換であるのに、思惑や立場からの発言や議論がまかりとおる悲しい現実がある。
1999.11.27-137 新 地方自治法(兼子仁、岩波新書)
「明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革」といわれ、従来の国と自治体の関係を大きく転換する”新地方自治法”は1999年7月の地方自治法の大改正によって生まれた。住民に身近な行政をより広く行い住民に最も身近な自治体である”基礎自治体”=市町村の役割がますます大きく重要になってきている。問題は市町村の規模や能力で、市町村合併や広域連合が自治体の今後の課題になってくる。
1999.11.25-136 太公望(下)(宮城谷昌光、文芸春秋)
息つくヒマもなく走りながらこの本と向かい合い、読み終えてホットし余韻に浸っています。哀しさやはかなさが残ります。政治の世界を舞台に精神世界を描いた、歴史的にも地理的にも倫理的にも志しの高い、スケールの大きい小説で圧倒されました。出張先の浅草のホテルで読了。
1999.11.24-135 太公望(中)(宮城谷昌光、文芸春秋)
離ればなれになった6人がついに再会。望のまわりに魅力的な人物が集まり軍団を形成しつつある。壮大さと迫力を持つこの本に圧倒されつつ、一気に438ページを読了。読了後すぐ太公望(下)に向かう。
1999.11.22-134 太公望(上)(宮城谷昌光、文芸春秋)
肉親を商帝国に殺された6人の少年少女が、幾多の試練を乗り越え遥かな距離を移動し、その中で成長していく。やがて、この6人の幼い集団が巨大な商帝国を壊滅させるなんて。ワクワクしながら太公望(中)へ突入。中国大陸の風と砂塵が感じられる。「重耳」も「介子推」も良かったが、これはずっと良い。
1999.11.19-133 長城のかげ(宮城谷昌光、文芸春秋)
劉邦をさまざまな角度から描いた5篇の短編がおさめられている。中国の砂塵や風の流れを感じさせる短編集。宮城谷中毒になってしまったようだ。じっくりと読みたいのに、焦ってページをめくってしまうのです。でも、宮城谷氏は短編よりも長編がいい。この本も「介子推」も図書館から借りてきたもので、図書館にある宮城谷氏の本を全部読んでしまうぞ。
1999.11.18-132 マルチメディア・ビッグバン(竹村健一、太陽企画出版)
情報通信産業について日米を比較しながら展開。情報通信革命は、ハードからソフトへの変換の大きな波が今日本で。郵政省よりの内容だが、うなずける部分は多い。
1999.11.16-131 知的書斎のつくりかた(小石雄一、PHP)
小石氏は通産省勤務の役人で、「朝の達人」や「週末の達人」などの著書がある。エリートビジネスマンのインテリごころをくすぐる本。1999年1月の出版なのにコンピュータに関する部分がもはや古くさい。
1999.11.15-130 介子推(宮城谷昌光、講談社)
自然観、歴史観、世界観、人生観、倫理観、道徳感などが、介子推の心の内を照らし、外への行動を示唆する。介子推は厳しくつらい時代の中で、そのような観念を自然との対話や書物から獲得していった。どこまでもさわやかで魅力的な介子推である。
1999.11.13-129 大江戸ボランティア事情(石川英輔・田中優子、講談社文庫)
池波正太郎の小説で知る、江戸時代の生活や文化をボランティアという角度から考察。江戸時代が決して貧しい社会ではなく、文化的にも人間的にも豊かであったことが分かる。「ボランティアは、国や自治体が行うべき事業の補助であり、理想的な福祉社会が完成すればいらなくなるはずだったが、その順番が逆転しかけている。つまり、社会組織の方がボランティア・システムそのものに変質する、という考えの方が現実的に感じられるようになったのだ。みんなが、さまざまな仕事を自発的に負担するような人間関係こそが、これからの社会の目ざす方向だという考え方があり得るのだ。」「みんながばらばらのように見えて、実際は内側ですべてがつながっているという世の中、ボランティアのいらないゆるやかなボランティア構造だったことが最大の長所だった」。ボランティア活動に関わっている方はぜひ一読を。すごい本です。
1999.11.11-128 夢の階段(池波正太郎、新潮文庫)
昭和29年から36年までに発表された、処女小説「厨房にて」を含めた7篇の現代小説と2篇の時代小説がこの本に。戯曲っぽい小説も多いが、親子関係の描写がいい。
1999.11.10-127 日本官僚白書(佐高信、講談社文庫)
ノンフィクション作家の体力を佐高信氏に感じます。官僚と政治家の二人三脚のバカさ加減がよく分かる。20年ほど前に30代前半の女性官僚が書いている。「声を大きく出せる人達というものは、不幸なことに一番困っている人ではなくて、声を出せる時間と教養のある人であることが多い。声を出せない人達の要求と、声を出せる人達の要求とをどう調和させるのか」
1999.11.06-126 裸の警察(別冊宝島編集部/編、宝島社文庫)
とにかく閉じられた世界です。いい部分も悪い部分もくわしく、警察官志望者はぜひ一読を。もっと過激な内容を期待していたのだが。
1999.11.04-125 寝姿山の告発(太田蘭三、講談社文庫)
作家を勘違いして入手。明るく肩のこらないミステリーで、登場人物が魅力的。
1999.11.04-124 野獣駆けろ(大沢在昌、講談社文庫)
昨日の町の文化祭で図書館から無料で入手、ラッキー。このほかにも山手樹一郎や太田蘭三を6冊。暇つぶしに読むエンターテインメントとしては適当。それにストレスがたまっている時などは。宮城谷昌光氏の重みも厚みも深さもない。
1999.11.01-123 重耳(下)(宮城谷昌光、講談社文庫)
一気に読んでしまいました。じっくり読みたいのに、追われるように。人間の生と死、人生、運命、歴史に圧倒されました。解説で文芸批評家の秋山駿氏が書いている、「私は断念した-そうだ、作家は、ここに描かれているすべてを、自分から創り出すようにして書いたに違いない、と。史料をいくら読んでも、それだけでは、こんなふうに戦争を生きいきと描くことはできないし、人物を起ち上がらせ、生きいきと動き回るようにすることはできないのである。おそらく作家は、史料を読みながら、読んで得たところの光景を、(ここが作家の創造力の急所であるが)生きてみたのであろう」。本屋さんへ走ろう、宮城谷昌光氏の本を求めて。
1999.10.31-122 重耳(中)(宮城谷昌光、講談社文庫)
オーバーワークで体はヘトヘトなのに一気に読了。読み始めたらやめられません。きわめて忙しいのにこの読書量は、こころがかわいているせいか。
1999.10.30-121 重耳(上)(宮城谷昌光、講談社文庫)
読書の秋、宮城谷昌光氏と佐高信氏を追っかけています。歴史の大きな流れの中で、生まれ死んでいく人たち。宮城谷昌光氏は長編がいい。
1999.10.27-120 新版KKニッポン就職事情(佐高信、講談社文庫)
日本の企業や経済社会の問題点が浮きぼりに。企業の常識と社会の常識のギャップが哀しい。サラリーマン時代の情けなさや悔しさがよみがえる。巻末にフレッシュ・ビジネスマン必読書。
1999.10.24-119 駅弁の丸かじり(東海林さだお、文春文庫)
食欲の秋、読書の秋には最適な本です。それに疲れているときにも。忙しい時にこそ、本が読みたくなるんですね。東海林さだおさんのエッセイ、いいですよ。創造的で文学的な観察力がすごい。
1999.10.21-118 銀行倒産(佐高信、講談社文庫)
大蔵大臣の国会答弁での失言から、昭和2年に東京渡辺銀行が倒産し、金融恐慌が起こった。「官の無責任」により責任を転嫁された「民」の渡辺家のその後をドキュメント。なぜ銀行が倒産したのかも興味深いが、「官」の動きも興味深い。佐高信も少し追いかけてみます。
1999.10.20-117 玉人(宮城谷昌光、新潮文庫)
幻想的な6篇の恋物語。中国の歴史の長さを感じる珠玉の短編で、宮城谷昌光氏の幅の広さに降参。映像の展開や時間の流れがすごい。かなりのお薦め。茨木のいつもと違う古本屋で購入。最近、電車の中で大きな紙袋を持ち、網棚やごみ箱から雑誌や週刊誌を集めている人をよく見かけるが、そのような人たちがこの古本屋に雑誌や文庫本を売りにきているところを目撃。リサイクルに貢献しているが、たいした稼ぎにはならないと思うのだが。
1999.10.14-116 花の歳月(宮城谷昌光、講談社文庫)
宮城谷昌光氏の小説を読むのは、これが2冊目。1冊目はずいぶんと苦労したが、この本は映像が飛び込んでくる。中国の長い歴史がさわやかで心地よいし、見たこともない中国の風景が浮かび上がってくる。もう少し宮城谷昌光氏を追いかけてみることにします。それに、中国の歴史や思想に興味を持ち、勉強の必要を感じた。
1999.10.13-115 「日の丸・君が代」を越えて(石田英敬・鵜飼哲・坂元ひろ子・西谷修/編、岩波ブックレット)
集中的に「日の丸」と「君が代」について学習。国旗・国家法案成立の背景や歴史やその影響、国家についてなど多くの著者がさまざまな角度から論及。
1999.10.09-114 日の丸・君が代の成り立ち(暉峻康隆、岩波ブックレット)
日の丸と君が代の原点・成り立ちを解説、展開。日の丸と君が代を分けて、それぞれについて議論する必要があるようだ。
1999.10.08-113 侠骨記(宮城谷昌光、講談社文庫)
友人の薦めで宮城谷昌光を。なにせ中国を舞台にした歴史小説は初めてだし、中国の歴史に詳しくないので、なかなか小説の世界に入っていけません。それにルビを読まないと理解できない漢字も多く出てくるので。再度、宮城谷昌光にトライしてみます。
1999.10.06-112 学校と日の丸・君が代(山住正己、岩波ブックレット)
「子どもが主人公の卒業式」「歴史のなかの日の丸・君が代」「子どもと日の丸・君が代」「思想・良心の自由の尊重」の4章で構成。アメリカでの国旗・国歌の考え方が新鮮だった。国旗・国家について考える入門書。
1999.10.05-111 憲法と国家(樋口陽一、岩波新書)
読み始めてから読み終わるまで、ほぼ1ヶ月。「近代国民国家」「人権」「民主主義」についての論議を検証。大学の教科書みたいで、読むのがつらかった。サブタイトルに「同時代を問う」とあるのに。
1999.09.28-110 好色三昧(清水一行、角川文庫)
もちろん企業小説の第一人者ですが、男女の下半身話しや男と女の業を描いても第一人者。カタイ話しもヤワラカイ話しもできるストーリーテラーです。でも、このタイトルはね。
1999.09.21-109 環境保護運動はどこが間違っているのか?(槌田敦、宝島社文庫)
ゴミの分別や自然食運動、牛乳パック回収運動などにいかに多くの嘘があるかを明らかにしている。経済原則を導入することによって、環境問題を解決する方向へもっていける。社会のシステムの中で解決するプログラムをつくり、その実現のために社会的・政治的な運動を展開する必要があり、個人的な倫理に頼った運動が、社会的・政治的な運動の成立を阻んでいる、と言う。一読の価値あり。本棚にこの単行本が。再読だったのか。
1999.09.19-108 シーナとショージの発奮忘食対談(東海林さだお・椎名誠、文春文庫)
大好きな二人の対談。観察力のある博学でこだわりの二人がさまざまなテーマで対談。一緒にお酒を飲みながら、二人の話をそばで聞きたいなあ。シーナさんもショージさんもますます好きになりました。
1999.09.18-107 日本の教育改革(尾崎ムゲン、中公新書)
議会の準備で忙しい。でも、こんな時にこそ本が読みたくなる。明治から現代までの近代教育史、教育改革の歴史を辿る。教育と政治・経済との関係を歴史的に解説。サブタイトルに「産業化社会を育てた130年」。「問題は学校だけではない。”自由化”は必然的に、学校に集中した社会の教育機能を分散化することである。」「家庭においても、地域社会においても、学校から”解放”される子供の行く場所の存在する余地は少ない。個人主義原理が徹底的に浸潤するなかで、家庭の教育機能が回復するとは想定しにくいし、また地域社会の教育力も、地域そのものが解体している以上、そこに何らかの有機的な機能を期待することは不可能である。」保護者として、大人として厳しく重い現実がある。最後に言う。「家族や地域社会の”教育力”を補填する、あるいはそれに代わる、法、行政、NPOなどの果たす、過渡的な役割が非常に重要になってくると思われる。」
1999.09.17-106 AV女優(永沢光雄、文春文庫)
「1991年から96年にかけてアダルト・ビデオの世界で息をしていた少女たちへのインタビュー集。昨日のことのようで遠い昔のあの頃、一人の女の子が傷つき苦しみながら辿り着いた場所。それがAV。一人の女の子が軽やかに笑いながら駆け抜けて行った場所。それがAV。」文庫本で655ページの長編(寝っころがって読むには分厚すぎる)だが、著者のインタビューのうまさとインタビューをまとめる構成力と文章力で一気に読ませる。永沢さんはパワーのある、シャイでステキな作家です。この本のタイトル、買うときに少し恥ずかしい。
1999.09.09-105 金融入門(岩田規久男、岩波新書)
「マネーサプライ、プライムレート、公定歩合から中国ファンド、MMCまで、複雑で分かりにくい金融の基本用語や仕組みをイロハから理解したい人のために書かれた、待望の入門書。」というのが、この本の説明です。すいません。よく理解できませんでした。暑さがぶり返した中、汗だくで読了。
1999.09.04-104 ショージ君の「料理大好き!」(東海林さだお、新潮文庫)
文章にリズムがあって、読んでいて小気味よい。気取りやかまえたところがないので、読みやすい。やっぱり、すごいエッセイストです。
1999.09.01-103 太平洋の生還者(上前淳一郎、文春文庫)
大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品。硫黄島やサイパンなどの戦場で捕虜となり、ハワイの収容所でアメリカ軍の情報作戦に参加した人たちの戦争と戦後。大作、力作。
1999.08.31-102 支店長はなぜ死んだか(上前淳一郎、文春文庫)
元新聞記者でもある著者が、記事をもとに具体的に展開した「新聞論」「マスコミ論」。ニュースは商品であるという現実の中での、主観と客観の問題などわかりやすく、読みやすい。「この時代的風潮というものが曲者で、それは必ずしも世間一般のものの見方、考え方とは一致しない。八月十五日以前のタカの時代に、世間の誰もが戦争に賛成であったかといえばそうではなかっただろうし、六○年安保成立の前後にみなが条約に反対だったわけでもない。一部のオピニオン・リーダーが戦争賛成、あるいは安保反対を叫ぶと、そこにはいかにも時代的風潮らしきものが形成される。そのときに新聞は風潮に乗っていくように思われる。」「叫ぶものを選択してしまえば、あとはその叫びを客観として伝えればよい。そうすることで新聞は自ら意識も意図もせず時代的風潮を増幅する役割を果し、ときとして世人を誤らせる。」
1999.08.30-101 日本人のしつけは衰退したか(広田照幸、講談社現代新書)
気になるタイトルです。「家庭の教育力」が低下したわけではなく、地域共同体が消失し、学校が不信の目にさらされる中で、家族のみが子供も最終責任者としての地位を強めてきている。今ほど家族の結びつきの強い時代はないし、親が子供の教育に全面的に関わる時代はない-むしろ、問題はそこから生じてきている、と言う。家庭・地域・学校と子供たちの関わりを歴史的に考察しているが、少しピントハズレの印象を持った。
1999.08.27-100 一枚の絵葉書(沢野ひとし、角川文庫)
イラストレーターらしい、やさしい文章で、気持ちが落ちつくいい本です。中年の方におすすめです。沢野さんをはじめ、椎名誠さんの仲間たちは、みんないいエッセイを書きます。今年になってから100冊目の本。月13冊のペースです。
1999.08.27-099 小説 角福戦争(湯川博忠、講談社文庫)
田中角栄や福田赳夫をリーダーに派閥の攻防を描いた、きわめて人間くさい話。政界を舞台にした、リーダー論、リーダーシップ論。「本来、政治は最高の道徳と倫理観に立脚した強大なリーダーシップが、国家と国民のために適正に発揮されていくものだ」。「国際社会でのリーダーシップや、サバイバルという視点で我が国の現状実情を見てみると、政界に限らず経済、文化、マスコミ界等々、あらゆる分野でのリーダー群像が小粒化してきている」。
1999.08.26-098 まぼろしの城(池波正太郎、講談社文庫)
戦国時代、城をめぐる武将たちの夢と野望の物語。沼田万鬼斎が魅力的な人物だけに、彼が表舞台から去った後半が単調で退屈。
1999.08.26-097 伊藤博文の情報戦略(佐々木隆、中公新書)
2日ほど前から、少し秋の気配に。苦労してやっと読了。最後に著者が、伊藤博文と幕僚団の情報戦略を整理。1.権力は情報を吸い寄せるが、逆は必ずしも真ならず。2.情報の凋落は権力の凋落に先行する。3.他人の心はブラック・ボックス。真意は結局は分からないことが多い。とりわけ燈台下暗し。4危機は情報の流量を減らす。5.情報飢饉はデマ・怪文書を呼ぶ。6.高レベルの情報がとれるのは高レベルの人物。7.公安情報の大部分は外部観察。8.役に立つのは面談と使書。電信・電話は急報手段。9.情報幕僚はコンピューターでいえばCPU。それ自体で情報を産まないが、壊れたり熱暴走すると大惨事。修理には時間がかかるし代わりはなかなか見つからない。
1999.08.25-096 剣客群像(池波正太郎、文春文庫)
池波正太郎はいいですね。並行して何冊か読んでいるのですが、他の本はなかなか進まないのに、「剣客群像」は一気に。人間がいて、生活があって、文化があって。日本人が大事にしていたもの、今はなくなってしまったものが、この本の中にはあり、うれしく哀しく切ない。
1999.08.24-095 ノミの反乱(青島幸男、新潮文庫)
「青島幸男」の名前を見て、「アキラ!」とともに茨木の古本屋さんで購入。銀行の横暴で勤めていた会社を倒産させられた男のハチャメチャな復讐話。この本が書かれたのは昭和51年で、この頃青島氏は参議院議員か?国会議員や都知事よりも放送作家・小説家の方が青島氏にはふさわしい、と実感。
1999.08.22-094 アキラ!(上前淳一郎、角川文庫)
上前淳一郎さんは文章がうまい。ペルーのバレーボールを育てた加藤明の49年間のドキュメント。あとがきで著者は、「同じ昭和一ケタの生まれである。軍国少年として育ち、戦後突然与えられた民主主義教育の中でスポーツをやり、高度成長期の一流企業に入社して栄光と悲哀とを同時に味わい、大きな夢を求めて外国へ行った。そのときどきの歩みの中にあっただろう喜びと苦痛とが、そっくり自分のことのように私にはわかる」。秀逸のノンフィクション。大作だが一気に読破。
1999.08.20-093 熱帯雨林(湯本貴和、岩波新書)
読書も夏休み状態で、ペースはガタ落ち。この本も読み終えるのに、ずいぶん時間がかかりました。「二足歩行をして、道具を製作した最古のヒト属があらわれたのは、いまから250万年前とされている。農耕がはじまったのが、たかだか1万年前で、ヒトの歴史の99.5パーセントは、採集と狩猟によって生計をたてていたことになる。」地球レベルや地域レベルでの熱帯雨林の存在は、1.地域文化2.地球環境3.地域環境4.遺伝子資源である、という。
1999.08.09-092 日本の神々(谷川健一、岩波新書)
暑い夏にはふさわしくない本でした。少し宗教や信仰の勉強もしたいので、読み始めましたが、頭の中へなかなか入っていきません。わたしの頭の構造上の問題ですが。
1999.08.07-091 ショージ君のぐうたら旅行(東海林さだお、文春文庫)
暑い日に漢字の多い本はいけません。ダラダラとクスクス笑いながら、東海林さだおさんを読書。避暑地でなら仕事関係の漢字の多い本もスラスラといくのでしょうが、お金と時間が許しません。
1999.08.02-090 ショージ君のにっぽん拝見(東海林さだお、文春文庫)
空想力がたくましく、イメージの自由な展開が楽しい。庶民的なインテリぶり、野次馬的な好奇心がいい。
1999.07.26-089 行くぞ!冷麺探検隊(東海林さだお、文春文庫)
食べ物関係の洞察力、観察力はさすがです。食べ物への目線の低さとこだわりがうれしい。「小樽の夜」と「博多の夜の食べまくり」がいい。
1999.07.22-088 ショージ君の男の分別学(東海林さだお、文春文庫)
なかなかいいですよ、東海林さだおさんのエッセイ。観察力が鋭いのと観察眼の目線の高さと幅がいいです。それに文章も平易で読みやすい。椎名誠が推薦するエッセイストだけあって、さすがです。
1999.07.21-087 トキワ荘実録(丸山昭、小学館文庫)
サブタイトルは「手塚治虫と漫画家たちの青春」。漫画雑誌の編集者と若き漫画家たちの出会いと友情。手塚治虫はもちろん石ノ森章太郎や赤塚不二夫、ちばてつやたちが登場し楽しい。一時代前の青春と友情がうらやましい。
1999.07.21-086 ドバラダ乱入帖(山下洋輔、集英社文庫)
椎名誠が推薦するエッセイストは、山下洋輔と東海林さだお。そんなわけで、山下洋輔のJAZZではなく本を。ハチャメチャな内容を想像、期待していたのに、結構マジでハードな内容で、驚いたり戸惑ったり。でも、いい本です。
1999.07.19-085 カープ島サカナ作戦(椎名誠、文春文庫)
週刊文春に連載されていた「新宿赤マント」シリーズをまとめたもの。椎名誠は、肉体的にも精神的にも知的にもタフな作家です。その行動力とパワーに降参。日本国内のみならず世界の各地へ。移動時間もすごい。
1999.07.18-084 日用品の文化誌(柏木博、岩波新書)
鬼平犯科帳と藤枝梅安のシリーズを読み終えてホットしたのか、読書ペースが落ちています。忙しいこともあったのですが。ところで、この本、期待はずれでした。おもしろい着想だし、日用品を通して世界が、明日が見えてくるはずなのに。日用品の歴史については詳しく解説されているのですが。
1999.07.14-083 梅安料理ごよみ(池波正太郎、講談社文庫)
料理から藤枝梅安シリーズを振り返る。料理とシーンの雰囲気がシンクロしていて、さすが。それにしても江戸時代の人は素材のいいものを食べていたんですね。
1999.07.13-082 梅安冬時雨(池波正太郎、講談社文庫)
長編。梅安シリーズのラスト作。絶筆となった「梅安冬時雨」を読んだあとに、池波正太郎へのインタビュー「梅安余話」を読むと、池波正太郎の死が哀しく切なく悔しい。
1999.07.11-081 梅安影法師(池波正太郎、講談社文庫)
影法師というタイトルの意味がラストで明らかに、おしゃれです。意地と義理のうっとうしい世界をさわやかに生きる、梅安・彦次郎・十五郎。長編。
1999.07.10-080 梅安針供養(池波正太郎、講談社文庫)
義理と恩義のしがらみの世界で、義理と恩義を大切にしながら、冷静に熱く仕掛人の仕事をビジネス感覚でする梅安がすごい。梅安・彦次郎・十五郎のチームワークがいい。登場する元締が人生を感じさせ、興味深い。長編。
1999.07.09-079 梅安最合傘(池波正太郎、講談社文庫)
鍼医者として人々を助け信頼される梅安、楊枝職人として一流の腕を持つ彦次郎。この二人がともに優秀な仕掛人であることが、このシリーズの魅力であり楽しみである。うらやましく、うこがれてしまう。
1999.07.08-078 梅安蟻地獄(池波正太郎、講談社文庫)
梅安、彦次郎、小杉十五郎には、いつも死の予感と覚悟が。殺しをビジネスとする仕掛人の人生観、世界観が生や死について考えさせる。
1999.07.07-077 殺しの四人(池波正太郎、講談社文庫)
仕掛人・藤枝梅安シリーズの1作目。藤枝梅安と彦次郎の大人の友情と会話が興味深い。二人のチームワークと殺しの鮮やかさ、さわやかさ。「鬼平犯科帳」や「剣客商売」と違って、死がテーマの一つになっている。
1999.07.07-076 ザ・リバー(ヘンリー・D・ソロー、宝島社)
アメリカン・ネーチャー・ライブラリーの1冊。「森の生活」のソローが「ジャーナル」に書いた文章から、川との関わりを示す部分を抜粋したもの。川を定点観察したもので、読みごたえがあるが、翻訳がよくないのでソローの観察や詩的な感じが伝わってこない。4〜5年をかけてやっと読了。
1999.07.07-075 乳房(池波正太郎、文春文庫)
不幸せなヒロインお松がまわりの男たちによって、いい女に、幸せになっていく話。鬼平がサイドストーリーで登場する、鬼平犯科帳の番外編。鬼平ファンには、ぜいたくな1冊です。タイトルの意味がラストでわかる。
1999.07.06-074 梅安乱れ雲(池波正太郎、講談社文庫)
例の茨木の古本屋さんで梅安シリーズを1冊見つけて読んでみたら、もうやめられません。文章力や構成力、知識、考え方、生き方など、池波正太郎はすごい作家です。
1999.07.05-073 麦の道(椎名誠、集英社文庫)
椎名誠の自伝的青春小説。高校1年生の悩みや苦悶、行動を大人や先輩、友達との関係の中で描いている。一番大切なのは、なによりも友達。肉体と精神の成長する軌跡がさわやか。椎名誠の青春小説、いいですよ。
1999.07.03-072 「鬼平犯科帳」お愉しみ読本(文藝春秋/編、文春文庫)
鬼平犯科帳の世界を本当に愉しめます。立体的に愉しめる感じです。鬼平ファンにはたまりません。
1999.07.01-071 池波正太郎・鬼平料理帳(佐藤隆介/編、文春文庫)
楽しい本です。料理を通じて鬼平の世界を旅することができます。「三里四方の野菜を食べてさえいれば延命長寿まちがいなし」と、昔の人は言ったそうです。外国の食物を口のできる幸せより三里四方の食物を口にできない不幸せの方が大きい。
1999.06.30-070 鬼平犯科帳の世界(池波正太郎/編、文春文庫)
鬼平一家WHO'S WHOや鬼平犯科帳人名録、用語解説マニュアル、18世紀市井事情Q&A、江戸ショッピング案内など、「鬼平犯科帳」についての楽しいデータブック。全24冊を読み終えた後にGood。
1999.06.29-069 鬼平犯科帳(二十四)(池波正太郎、文春文庫)
今日も雨。もう2週間ほど雨ばかり。短編2作に作者逝去のため未完となった長編が1作。鬼平シリーズ全24作を読み終え、少し虚脱状態。今度は茨木の古本屋さんで「仕掛人・藤枝梅安」シリーズを探してみます。
1999.06.29-068 鬼平犯科帳(二十三)(池波正太郎、文春文庫)
短編が1作に長編が1作。今回の長編は、ハラハラ、ドキドキするよりも、ワクワクするお話。鬼平の新しい身内が活躍する。大活躍する密偵・おまさがいとしい。
1999.06.28-067 鬼平犯科帳(二十二)(池波正太郎、文春文庫)
鬼平シリーズ、3作目の長編。鬼平、生涯最大の危機。手に汗握る展開にハラハラ、ドキドキ。感動のラストシーンに涙が出てきそうでした。
1999.06.26-066 鬼平犯科帳(二十一)(池波正太郎、文春文庫)
鬼平シリーズも残りわずかとなった。うれしいような、さみしいような気持ちで毎日、鬼平と対面しています。密偵の五郎蔵おまさ夫婦のストイックで冷静な活躍に心うたれる。
1999.06.25-065 鬼平犯科帳(二十)(池波正太郎、文春文庫)
毎日、雨です。おかげで、鬼平犯科帳の読書が快調に進みます。鬼平が「剣客商売」の秋山小兵衛について語る部分があり、たまらなくうれしい。
1999.06.24-064 鬼平犯科帳(十九)(池波正太郎、文春文庫)
鬼平と木村忠吾のやりとりが、おかしくて楽しい。男と女の話がせつなくて哀しい。
1999.06.23-063 鬼平犯科帳(十八)(池波正太郎、文春文庫)
鬼平の仲間たちが死んでいく。鬼平の悲しみが重い。小説の書き出しや章の最初の一行がいい。それに、ラストシーンがいつも味わい深い。
1999.06.23-062 鬼平犯科帳(十七)(池波正太郎、文春文庫)
鬼平シリーズ、2作目の長編。読み出したら、途中でやめられません。短編もいいですが、オール・スター・キャストの長編もたまりません。
1999.06.22-061 鬼平犯科帳(十六)(池波正太郎、文春文庫)
雨の日の読書は、池波正太郎がいい。「剣客商売」でも「鬼平犯科帳」でも、どちらでも、それはいい。結婚前後の木村忠吾の活躍(?)が楽しい。事件の展開がますます立体的に重層的に。
1999.06.22-060 鬼平犯科帳(十五)(池波正太郎、文春文庫)
鬼平シリーズ、初めての長編。展開の早さと鬼平の洞察力や与力・同心・密偵の組織だった活躍に感心。雨の音を聞きながら、一気に読了。
1999.06.21-059 鬼平犯科帳(十四)(池波正太郎、文春文庫)
「五月闇」で密偵・伊三次が殺された。「何故、死なせた」「仕方がないから、伊三次のお通夜をしました」などの読者からの手紙が作者のもとへ届いた、と常盤新平が解説で書いている。密偵や与力、同心と鬼平の信頼と友情が濃密であるだけに伊三次の死が悲しい。
1999.06.21-058 鬼平犯科帳(十三)(池波正太郎、文春文庫)
さすがの鬼平もお疲れモード。事件も多く、ますます凶悪になるし。それにしても盗賊のネーミングにはいつも感心する。
1999.06.20-057 読むクスリ25(上前淳一郎、文春文庫)
気分を変えて上前淳一郎を。上前淳一郎も読みやすく、文章がやさしい。「読むクスリ」というタイトルがいいし、「元気になるクスリ」「気分が良くなるクスリ」です。電車の中で読むのに最高。
1999.06.19-056 鬼平犯科帳(十二)(池波正太郎、文春文庫)
時間と場所の転換がさすが、縦横無尽で映画を見ているような気持ちよさがある。ラストシーンがいつも印象的で心地よい。
1999.06.17-055 鬼平犯科帳(十一)(池波正太郎、文春文庫)
季節の描写がいいし、生活が見えてくる。鬼平の剽軽さが楽しい。漢字とひらがなのバランスやカッコの使い方がいい。特にカギカッコの使い方が。
1999.06.17-054 鬼平犯科帳(十)(池波正太郎、文春文庫)
文章にリズムがあってテンポがあるから、たまりません。それに品があって。池波正太郎、すごいです。じっくりと味わいたいのに、ストーリーのおもしろさにどんどん読み進んでしまいます。
1999.06.16-053 鬼平犯科帳(九)(池波正太郎、文春文庫)
完全に中毒状態です。人名(異名)・地名になんとも言えぬ雰囲気があり、鬼平の世界を構成している。文字がビジュアルに飛び込んでくる。仕事関係の本も読まなければと思うのだが、暑いので、どうしても鬼平へ。
1999.06.15-052 鬼平犯科帳(八)(池波正太郎、文春文庫)
このところ寝不足です。少し時間があると鬼平に。通信手段のないこの時代に、盗賊を探索し捕縛するノウハウに感心。人間が生き生きと暮らしている。登場人物のすべてに表情がある。
1999.06.14-051 鬼平犯科帳(二)(池波正太郎、文春文庫)
鬼平に完全にハマッテしまいました。毎日必ず読んでいます、そうしないと落ちつかないのです。池波正太郎ってくせになる作家です。愉快で頼もしい登場人物が多くいて楽しい。木村忠吾と鬼平の会話が興味深い。専門学校へ向かう電車の中で読了。
1999.06.13-050 鬼平犯科帳(一)(池波正太郎、文春文庫)
植草甚一さんが解説を。初版が1974年なのに古くささを感じないのが不思議です。盗賊の異名が雰囲気があって、イメージをふくらませてくれる。仕事関係の本も並行して読んでいるのですが、鬼平の方がすいすいと入ってくるので。
1999.06.11-049 鬼平犯科帳(七)(池波正太郎、文春文庫)
息子の長谷川辰蔵がたびたび登場。父と子、母と子のいい関係がうれしい。オーバーワークで、さすがの鬼平も少々お疲れの様子。中島梓が、池波さんの文章について解説。「こんな豊かな、味わいふかい簡潔は、そうあるものではない。簡潔がよいとはいうが、それは、ただ簡にして潔ならよいというものではないのだ。その奥に無限のひろがり、蓄積、池波正太郎という一人の人間の、経てきたすべての歴史や感じかた、ものの見かた、それらを全部とかしこみ、漉し去った、その上の簡潔、その上の清澄だからこそ」。
1999.06.11-048 鬼平犯科帳(六)(池波正太郎、文春文庫)
例の古本屋さんで鬼平シリーズ13冊を購入。定価の半額と古本にしては少々高いが、でも安い。長谷川平蔵ファミリーの上司と部下の関係、チームワークがいい。長谷川平蔵を中心とした社会、世界にひたるのが楽しい。
1999.06.09-047 地方税財政制度-地方公務員新研修選書13(矢野浩一郎、学陽書房)
地方と国の関わり、歳入・歳出、役割など複雑でややこしい。分権の時代には、「地方行政」から「地域経営」への発展が必要。地方自治体にとって厳しい競争の時代である。教科書として再読したい。
1999.06.08-046 鬼平犯科帳(五)(池波正太郎、文春文庫)
読後感がいいのでクセになってしまいます。長谷川平蔵のハードボイルドぶりがいい。鬼平犯科帳のシリーズを買ってから寝不足が続く。明日にでも茨木の古本屋さんげ行かないと。
1999.06.07-045 鬼平犯科帳(四)(池波正太郎、文春文庫)
何冊か並行して読んでいるのですが、読みやすさや読書の快感から、このシリーズを手にしてしまいます。池波正太郎の本を読むと、人間が好きになります。人間のプライドとか尊厳を感じます。おまさの活躍がうれしくて哀しい。
1999.06.05-044 鬼平犯科帳(三)(池波正太郎、文春文庫)
阪急・茨木駅前に大きな古本屋がオープン(万博側のビルの1F)。鬼平犯科帳の3.4.5を購入。シリーズものは、順番に1から読んでいきたいのですが、古本屋さんには1.2がなかったので。池波正太郎の鬼平犯科帳もいいですね、生活や文化があり、人間が生き生きとしていて品があって自信があるし、登場人物も素敵だし。幕府火付盗賊改方の長谷川平蔵を中心にした家族の世界がいい。また、くせになりそうです。お勉強関係の読書が続いていたので、久しぶりに大満足。
1999.06.03-043 世界経済図説(宮崎勇、岩波書店)
同じ著者の「日本経済図説」の世界版。グラフやデータを駆使して、世界の経済や政治について簡潔に解説。エネルギー、軍縮の経済と「平和の配当」の章を興味深く読んだ。ピンとこない読後感。
1999.06.01-042 地方都市再生への条件(矢作弘、岩波ブックレット)
地方都市の空洞化について、詳しく分析し再生への提案を。「EUは(略)”サステイナブルシティ(持続可能な都市)の形成”を都市計画の要に据えている。環境に対する配慮を重要視する都市政策である。端的には、”コンパクトシティ(こぢんまりとした都市)”の探求」「都市の成長の限界線を設定し、それを越えては都市化、開発を認めないという政策である。」「アソシエーションというのは、一定の目的をもって集まるが、参加者の意見や行動を拘束することのない自発的な市民組織のことである。そしてこのアソシエーションが市民生活を多重層的にネットワークをしていることが、米国の民主主義の基礎になっている」。やらなければならなことが、見えてきたような気がする。ワクワクするとともに焦る。
1999.06.01-041 周辺事態法Q&A(新ガイドラインを考える会/編、岩波ブックレット)
周辺事態法が暮らしや働く場所にどういう影響を与えるのか、具体的に解説。アメリカの軍事的横暴が目につく、この頃です。岩波ブックレット・シリーズのNo.479ですが、冊子みたいな読みやすさとジャンルの多さがgoodです。
1999.05.31-040 まちづくりの実践(田村明、岩波新書)
全国各地のユニークな「まちづくり」の実践例を検証したもので参考になりました。「異なる人々が、互いの違いを認め個人の自由と個性を尊重しながら、”まち”への共通理解をもち、協同のルールをつくってゆくのが”まちづくり”である。現代は、人々の自由な交流の場がなく繋がりが希薄になり、地域共同社会は解体しかけている。」。整理して展開してあるので、勉強になりました。島本町の「地域の価値」とは。そこからどのように展開していけば良いのか。焦ります。
1999.05.29-039 職業としての政治(マックス・ヴェーバ、岩波文庫)
書名にひかれたのと、マックス・ヴェーバの名前が懐かしかったので。「政治家にとっては、情熱-責任感-判断力の三つの資質がとくに重要である」「自分が世間に対して捧げようとするものに比べて、現実の世の中が-自分の立場からみて-どんなに愚かであり卑俗であっても、断じて挫けない人間。どんな事態に直面しても”それにもかかわらず!”と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への”天職”を持つ。」この本は、1919年に学生団体に対して行った公開講演をまとめたもの。格調が高い。
1999.05.28-038 災害救助犬が行く(ハンク・ホイットモア&キャロライン・ヒーバード、新潮文庫)
483ページの長編ですが、一気に読みました。サーチ・アンド・レスキュー活動で活躍する女性とそのパートナーであるジャーマン・シェパードの友情とチームワークをドキュメント。災害救助の肉体的・精神的な厳しさや周囲の無理解。ボランティアについても考えさせられる。久しぶりに良い本に出会った。ますます犬が大好きになりました。犬好きの人はぜひご一読を。
1999.05.26-037 和菓子屋の息子(小林信彦、新潮文庫)
小林信彦の記憶力と構成力はすごい。老舗の和菓子屋の十代目なるはずだった著者が、空襲と高度成長経済で破壊された東京の下町を再現。下町の文化や雰囲気がよく伝わる。なつかしものを探し求めている時代は哀しい時代でもある。
1999.05.22-036 国会議員(上田耕一郎、平凡社新書)
上田さんは参議院議員を4期24年間つとめた日本共産党の議員で、不破哲三さんのお兄さんで、現在は党中央委員会幹部会副委員長で論客です。日本共産党の組織や調査力はさすがです。国会議員の役割、仕事、ダイナミックスなど。
1999.05.20-035 日本経済図説(宮崎勇、岩波新書)
いい本です。混乱する日本の経済を歴史的に、横断的に多方面からわかりやすく解説。国際社会の中の日本経済をどのように位置づけるのか、多くのデータやグラフを使い解説し、資料としても価値がある。日本経済をテーマにした本で、こんなにすらすらと読めた本は初めてです。
1999.05.19-034 <超>読書法(小林信彦、文春文庫)
小林信彦の本を読むと、いつも「インテリ」という言葉を思い出す。博識、しかも映画・演劇・演芸やミステリーに詳しく、彼の文章には情報があふれ話題が豊富で読みやすい。旺盛な知識欲には感心します。読書好きにはお薦め。
1999.05.18-033 薬物依存(宮里勝政、岩波新書)
「薬物依存」のタイトルに惹かれて購入。生でライブな内容でなくて、あてはずれ。薬物依存の外側をなぞっているだけの内容で、その実態が見えてこない。
1999.05.14-032 日本の渚(加藤真、岩波新書)
「失われゆく海辺の自然」とサブタイトルにあるように、陸と海が出会う渚が日本国中で破壊されている。渚の持つ生物多様性の解説と渚の原風景が悲しい。「生活が自然から遠ざかれば遠ざかるほど人は潔癖症となり、自然の循環には鈍感になり」と書いている。ため息をつきつつ読了。
1999.05.12-031 機密文書(清水一行、角川文庫)
「カネ」と「おんな」をめぐるドロドロした人間を描いた短編が6作。6作とも、いわゆる企業小説や経済小説ではなく、どろくさい人間小説。
1999.05.11-030 金融システムの未来(堀内昭義、岩波新書)
GWのキャンプぼけした頭には、とてもついていけない内容です。とにかく(注)が多くて読みにくい。日本の金融システムに競争状態を高めなければならない。銀行やその他の金融機関の経営行動を監視し、健全な経営に対する規律を与えるためにも金融業における競争は重要だ、と著者は言う。
1999.05.08-029 楽しい終末(池澤夏樹、文春文庫)
難解な本です。キャッチコピーは、「もしも明日世界が滅びるとしたら、今、君はリンゴの木を植えるだろうか?」。世紀末の様々な問題を考察。
1999.05.01-028 中国の鳥人(椎名誠、新潮文庫)
椎名誠のSF(超常小説)の短編8篇を収めた本で、椎名誠の観察眼や発想力がうかがえ、感心したり驚いたり。パワーフルで緻密な作家ぶりを全編に発揮。今日からキャンプで、読書はキャンプから帰ってきてからまた、というわけでバタバタと読了。この本、読むのに体力が必要で、少々疲れます。
1999.04.24-027 自由と規律(池田潔、岩波新書)
タイトルに惹かれて購入、第1刷が1949年発行だから、今から50年前。イギリス人の性格形成に大きな影響力を持つパブリック・スクールの制度や生活について、そこに学んだ著者が詳しく解説。学生が規律を身につけるために手段として運動競技が重要視されている。スポーツマンシップや勇気についても詳しい。3月は5冊、4月は4冊しか読めませんでした。
1999.04.19-026 ダイオキシン(宮田秀明、岩波新書)
この4月から生活パターンが変わり落ちつきません。そのせいで読書量が落ちています。こんな時は、お気楽な本を読めばいいのですが、この本のテーマはかなりヘビーです。私たちは、ダイオキシンから逃げることも、隠れることもできません。多くの資料をもとに詳しく解説。個人レベルの対策として:1.いらないものは持ち帰らない。2.ごみの再利用を進める。3.リターナブル容器を購入する。4.再資源化製品を積極的に購入する。5.生ごみや木の葉の堆肥化を進める。6.ごみの分別を徹底する。7.簡易型焼却炉や野焼きでごみを燃やすのをやめる。と指摘されています。なにができるか、とりあえずできることから始めましょう。
1999.04.14-025 馬追い旅日記(椎名誠、集英社文庫)
資料づくりに追われて本を読む時間も余裕もなく、ストレスを感じています。久しぶりの椎名誠です。1994年1月から1995年4月までを日記に。映画「白い馬」の準備と撮影、上映で大忙しのこの時期にも、多くの小説を書き、多くの人と会うために車や新幹線、飛行機で東奔西走。いつものようにエネルギッシュでパワーフルなスーパー小説家。圧倒される行動力です。心と体が疲れているときにお薦めの本です。
1999.04.06-024 インターネットセキュリティ入門(佐々木良一、岩波新書)
「人類史上始まって以来の強力な情報収集マシーン、情報発信メディアとして使いうる」インターネットだから、一般ユーザーもパスワード管理・ウイルス対策・暗号化などを行わないと、被害にあったり、加害者になってしまったり。「ネットワーク上のうわさは口コミより早く広まり、影響力は大きい」からネチケットが必要。インターネット社会が豊かで安全なものであるために書かれた良書。
1999.03.29-023 環境税とは何か(石弘光、岩波新書)
公私ともに年度末はバタバタと忙しいので読書ペースが落ちています。読み始めたのは随分前なのに、やっと読み終えました。著者の本はいつも論理的で海外の情報が多く勉強になります。環境税については、所得分配や税負担など賛否意見が分かれているが、環境税的考えや規制などの措置が必要な時期にあるのは確かなようです。
1999.03.19-022 水問題原論(嶋津暉之、北斗出版)
ダムや河口堰の建設、湖沼の水ガメ化など多額の費用を必要とする水源開発事業をさまざまな角度から検証。地下水の涵養と利用についても詳しく解説し、将来の水利用のあり方を提案。
1999.03.15-021 水道の思想(鯖田豊之、中公新書)
日本では、水道の原水を地表水に求めて塩素などで浄化するのに対し、ヨーロッパでは、地表水を敬遠し湧水や地下水に頼って薬品使用を避けている。「どんなに距離が遠くても、処理を必要としない湧水を導水する」という古代ローマの水道思想が現在のヨーロッパでも復活・温存されている。日本の水道思想についても、近世からの歴史について言及。また、「飲めなくともよい」水まで大量に「飲める」水にしなければならない、現代の水道の最大の矛盾についても指摘。
1999.03.07-020 水俣病(原田正純、岩波新書)
20年ぐらい前に、土本典昭監督のドキュメンタリー映画「水俣」を見て、驚きと怒りを感じた。人類が経験した環境汚染としては史上最初にして最大級である水俣病に関わった熊本大学の医師が自分の足で書いたドキュメント。1972年初版の本だが、現在と重なる部分が多い。「水俣病は終わっていない」という章に、「人類は進化の過程で、脳血液関門や胎盤などが、自然界の毒物が血中から胎内に侵入したり、胎児に影響を与えることを防御する機能を獲得してきたのであるが、メチル水銀、PCB、DDTなど、人工的に合成されて自然界にきわめて少ないか存在しない有機物に対しては、まったく無防備なのである。」と書かれている。
1999.03.02-019 追われる男(清水一行、角川文庫)
プレハブ住宅メーカーの創業社長のサクセスストーリー。追いかける男がいつの間にか追われる男に。実在の人物をモデルに人間の欲望と企業のウラ側を描いた小説。
1999.02.28-018 民法-地方公務員新研修選書4(堀家嘉郎、学陽書房)
またまた、退屈で嫌な大学の授業を思い出してしまいました。法律って、どうしてこんなに解りにくい言い回しをするのだろう。難解な文章や言い回しを簡単に理解できる頭が信じられないし、そんな頭を持った人がいるということが信じられません。外国語で書かれた本を読むような、文字を目で追いかけている状態のまま、へとへとになって読了。降参です、ノックアウトされました。この本を読もうとした、わたしが悪うございました。
1999.02.21-017 現代たべもの事情(山本博史、岩波新書)
摂南大学・宮田秀明教授の講演を聞いて食べもののことが心配になり、この本を購入。日本の食用農産物の国内自給率は、1992年にはカロリー計算で46%に低下した。日本人の食生活の変化がその背景にあり、どこで作られ、どのように加工され、どのように流通しているのかがわからない、多種多様なものを食べている。食糧増産援助などで日本から持ち込まれる農薬が、ブーメランのように輸入食糧品とともに戻ってきている。
1999.02.17-016 破滅-梅川昭美の三十年(毎日新聞社会部/編、幻冬舎アウトロー文庫)
昭和54年1月26日に三菱銀行北畠支店を襲撃した梅川昭美の三十年の人生を丹念に追いかけた労作。この当時大阪で勤務していたが、テレビにかじりついた記憶はない。忙しかったのだろうか。犯罪者はいつも時代をハイスピードで生き死んでいく。時代を手玉に取るつもりが、時代に押しつぶされて。現代の犯罪にないストーリーや背景が存在する。解説で宮崎学が言っているように、この事件が起こった頃の新聞社の大阪社会部、毎日新聞社も読売新聞社もみんな元気だった。情報を足と汗で集めていたのだ。
1999.02.15-015 原発はなぜ危険か(田中三彦、岩波新書)
原発の元設計技師が原発の安全性を技術的に指摘。大半は専門的な話だが、第三部「原発に象徴されるもの」には目からウロコ話が連続。「とくにエネルギー中毒のような今日のライフスタイルが原発推進者に格好の口実を与え、その結果、たとえわれわれが望んだことではなかったにせよ、いつのまにかわれわれが原発にかなりの程度依存し、結果的に多くの人間が原発を支えてしまっているという構図がある」「原発には、安全ならよいのか?という、もっと基本的で、もっと長期的な問題があると思う。今日の核エネルギー利用や原発に象徴されているある種の価値を、今後もわれわれが受け入れていくかどうかという問題である。そしてそれゆえ、原発に異を唱えることは、じつは、みずからの生き方を問いなおすことであるだろう。たとえば、もし今後も今日のライフスタイルに特有の快適さをわれわれが追い求めるというなら、原発こそふさわしいかもしれない」「今日、自然科学者の目は分解から統合へ、平衡から非平衡へ(あるいはエントロピーからシントロピーへ)、直線的な還元主義から非直線的なシステム論や有機体論へと向かいつつある」。引用が長くなったが、もやもやしていたものがすっきりした。第三部「原発に象徴されるもの」だけでも読む価値があり、良書。
1999.02.15-014 日本の社会保障(広井良典、岩波新書)
日本の社会保障、医療・年金・福祉について、その成立、経緯、外国との比較を通し、問題点や改革の方向性を指摘。「最後はやがて経済成長が救ってくれて万人が納得する結果が出せる、という発想」から抜け切れていない。「医療、年金、福祉といった、社会保障の個別の分野がタテワリ的に論じられ、しかもそれらの多くが当面の財政難をどうしのぐか、といった対症療法的な議論に終始しているため、将来の全体的なビジョンが見えず、かえって国民の間に大きな不安が広がっている」。
1999.02.12-013 地方財務事務-地方公務員新研修選書16(宮元義雄、学陽書房)
3月議会は予算の審議が主な内容なので集中的に読破。実務的な中身でそれなりに参考になったが、難解な言葉が多く、堅い文章で理解しにくい。
1999.02.10-012 財政学-地方公務員新研修選書8(一河秀洋、学陽書房)
大学時代に、財政学の授業を何回か受けたように思うのだが何も覚えていない。わが国の財政の現状や課題、租税の構造、財政政策など、かなり難解な内容。数式が出てくるともういけません。学生時代の嫌な思い出がよみがえってきます。
1999.02.07-011 市民版 行政改革(五十嵐敬喜・小川明雄、岩波新書)
いわゆる行政視察というやつが続いて、読書の時間がとれなくペースが落ちています。二人の著者にとって4冊目の岩波新書で、いづれも読みごたえのあるいい本である。政府の行政改革の背景や実状、課題がくわしい。欧米との比較や地方自治体の取り組みなども理解しやすい。二人の著者が学者ではなく、弁護士と新聞記者だからか。「人と企業が国を選ぶ時代が到来する大競争時代である」と言われているが、人と企業が自治体を選ぶ時代が到来している。
1999.02.02-010 現代社会の理論(見田宗介、岩波新書)
難解な本である。特に後半は難しい言葉が多く出てきて、哲学書を読んでいるような感じです。二章環境の臨海/資源の臨海や三章南の貧困/北の貧困はまだ理解できるのですが。副題である情報化・消費化社会の現在と未来の意味がわからないまま、う〜んと唸って読了。
1999.01.31-009 少年期の心(山中康裕、中公新書)
精神科医として神経症児と向き合ってきた医師が少年たちの心の影の部分と治療の過程を報告。少年たちの心の深い傷や懸命に生きる姿が生々しく描かれている。少年たちは一様に聡明で、それゆえ悩み傷ついている。時間的にも空間的にも自由を奪われている子どもたちに大切なのは、年少の少年たちにとっては「遊び」の保障であり、年長の少年たちにとっては「秘密」の保障だという。また、それらをやさしく見守る親や教師の心の「ゆとり」が必要だと。
1999.01.24-008 奴らが哭くまえに(黄民基、幻冬舎アウトロー文庫)
サブタイトルは猪飼野少年愚連隊。大阪市生野区猪飼野地域は、区内総人口の15%、およそ4万人の朝鮮人が住む日本最大の異民族居住地域で、昭和30年代には20余の愚連隊と暴力団組織がひしめきあっていた。貧困と暴力、犯罪が日常的な中での少年たちの悩みや行動が生き生きと描かれている。貧しさの中、懸命に生き急ぎ、死に急いだ少年たち。彼らのその後の人生もドキュメントされている。昭和30年代の話なのに、ずいぶんと昔の話に思えてしまう。ドキドキして読了。
1999.01.21-007 地球環境報告・(石弘之、岩波新書)
急増する人口と消費の増大、過剰な収奪により危機的な状況にある地球環境をリポート。10年前に同じ著者により「地球環境報告」岩波新書から刊行されたが、当時よりも地球環境が急激に悪化している。森林の伐採や大量消費などにより地球の温暖化が進み、干ばつや洪水が世界的に多発している。世界各地からカエルの絶滅や急減、奇形の多発が報告されている。カエルは環境中で何が起きているかを教えてくれる最良の検知器で、皮膚呼吸をしている湿った薄い皮膚は、大気や水の汚染にきわめて敏感で汚染物質を透過させやすく、乾燥や温度の変化にも敏感である。もうこの問題を先伸ばしできる段階ではないようだ。
1999.01.16-006 事件記者2 陰毛怪怪殺人事件(大谷昭宏、幻冬舎アウトロー文庫)
生き生きとした現場があって、使命感を持ったプロがいて、熱い刑事と新聞記者のデスマッチが2編。鑑識課員の執念が事件を解決する。業界の符丁が新鮮でその響きが心地よい。デカやブン屋の方が同じカタカナでもディレクターやコピーライターよりも地に足がついているし存在感がある。
1999.01.13-005 たこやき(熊谷真菜、講談社文庫)
熊谷真菜さんは宇宙でただ一人のタコヤキストで島本町の住人です。彼女のHP(このHPからもリンクしています)からこの本を知りました。たこやきの過去・現在、たこやきとその周辺情報などのくわしいレポートは、たこやきについてのノンフィクッションで読みごたえがあります。この本を読むとたこやきを一段とおいしくいただけます。たこやきが大好きな方はぜひ一読を。
1999.01.08-004 日本の農業(原剛、岩波新書)
農業をはじめ林業、漁業な第一次産業はきびしい状況にあり、今後さらにきびしい状況になるであろう。1991年の三菱総研の調査では、「全国で283万ヘクタールの水田が環境、国土を守るうえで果たしている役割を、ダムなどの建築費用に建て替えると、コメそのものの粗生産額3兆2000億円を上まわり、年額4兆7000億円に相当する。」といわれている。農薬や化学肥料による効率化を求めるのではなく、地球にやさしい農業を、生産者と消費者のいい関係の中での農業のあり方が求められている。
1999.01.08-003 シリーズ市町村の実務と課題2 広報広聴課(来栖紀雄、ぎょうせい)
広報広聴課の職員向け初歩の参考書で、行政の職員になったような気分で読了。特に得るモノなし。
1999.01.05-002 コメを考える(祖田修、岩波新書)
日本人のコメの消費量の減少や日米貿易摩擦のスケープゴート、円高の影響などコメをめぐる複雑な国際情勢。著者が指摘するように、”アメリカ政府や日本の財界人の多くが主張するように「農工無差別の貿易自由化」という、単純な経済合理主義ないしは市場原理の貫徹には賛成しがたい。”また、”その方向は、機械化によって効率性を高めるが、同時にますます化学化・農薬化を深めていくことになる。”に同感。
1999.01.01-001 事件記者3 不完全仏殺人事件(大谷昭宏、幻冬舎アウトロー文庫)
大谷昭宏氏が読売新聞社会部の記者として活躍していた頃の事件を、刑事と記者の人間関係を軸に展開。新聞記者がブン屋でありフィールドワーカーであった時代の大阪らしい泥くさく人間くさい、いい話。この本を読むと、大谷昭宏氏のことがよく分かるし、彼のことが気になる人はぜひ一読を。このページの先頭へ