| 市町村合併情報 7 |
大曲仙北合併協議会(8市町村、新市名・大仙市)の臨時会が10日、仙北町ふれあい文化センターで開かれ、住民の意見を新市政に反映させる組織として、地方自治法に基づく「地域自治区」を来年3月の合併時に設置することを決めた。基金の取り扱いについては意見集約できず、8市町村長があらためて協議し、次回に原案を示すことにした。
地域自治組織については▽地域審議会▽自治法の地域自治区▽合併特例法の地域自治区▽合併特例区―の4通りについて協議。8市町村の議会議長の報告では、仙北町を除く7市町村が自治法の地域自治区を支持。同町、民間委員から異論は出ず、全会一致で決まった。
自治法の地域自治区には、市長の諮問機関として地域の問題を検討する「地域協議会」と、事務所(支所)を設ける。
基金の取り扱いについては「各市町村に共通する基金を統合する一方、1自治体にしかない特定目的基金はそのまま存続させる」とする事務局案に対し、西仙北町や仙北町などの委員が「特定の市町村に使う基金を残すのは、すべて新市に持ち寄るという合併の趣旨に反する」「新市ですべて整理、統合すべきだ」と主張。また、太田町の委員は「これまで蓄えてきた基金を、すべてご破算にするのはどうか」と述べるなど、食い違いが生じた。(秋田魁新報社)
(2004/08/10 19:58)
◇全市1区新市誕生後に設置選挙
佐久市、臼田町、浅科村、望月町の合併協議で、議員の任期、定数を話し合う「4市町村議会議員代表者会議」は6日、佐久市で開き、新市の議員は合併特例法の在任特例を適用せず、新市誕生後に設置選挙を実施して選出することで意見集約した。具体的な議員定数はさらに協議する。4市町村の合併協議は最終段階にあり、23日の協議会で合併調印式を実施して、今月中には4市町村議会で合併承認の議決を得る予定。
在任特例適用をめぐっては、事実上の議会解散に追い込まれた千曲市の例もあり、6月には佐久市区長会(127区、岩崎一夫会長)が「在任特例で任期を延長した場合、議員定数は77に膨れ上がって財政を圧迫する」として、在任特例を使わずに、新市の市長選との同時選挙を求める要望書を佐久市と同市議会に提出。「1年〜6カ月間の在任特例が必要」としていた町村議会をけん制する動きがあり、調整が難航していた。
代表者会議では、設置選挙の場合、旧市町村ごとに定数を設定した小選挙区選挙を行うとする意見もあったが、地域格差をなくすためには、最初から大選挙区で実施することで合意した。新市議会の定数の上限は34。定数については後日決定する。現在、佐久市議会の定数は26(任期=05年4月まで)、臼田町は定数18(同)、浅科村は定数18(07年4月まで)、望月町は定数18(07年9月まで)。来年3月の新市発足と同時に各議員は失職し、50日以内に選挙が実施されることになる。【藤澤正和(毎日新聞)
[2004年8月7日16時41分更新]
古座川町の住民投票(8月8日実施)が面白い。外野席で無責任にはやしたてているのではない。住民意思をもっとも正確に反映する場を前に、町も住民も、宣伝戦に真正面
から取り組んでいるからである。
投票は串本、古座両町との合併の是非を問うものだが、なんといってもユニークなのは、「非合併・単独」を主張しているのが住民団体ではなく、町当局と町議会だという点だ。全国の一般
の構図の逆と言っていい。
従って、この町では、町当局が持てる資料を駆使して、「合併するとこんなにひどいことになる」と強調し、広報に努めている。
合併しなければ生きていけない」と言っている、他の多くの市町村の主張を改めて考える機会を提供しているといいたくなるほどだ。
古座川町当局は町組織を動員して各地で精力的に説明会を開き、大量のチラシをまいている。「町総務課」の名前が入っているため、県が「選挙管理委員会を兼ねる課としてふさわしくない」という趣旨の見解を出したが、町当局は「直接、条例違反を指摘されたわけではない」と知らぬ
顔だ。
一方、合併賛成派の住民団体側のハンディは大きい。巨大な公的機関に対抗して理解者を増やさなければならない。合併推進の市町村で住民側が「合併理由がよく分からない」といっている程度の反論では、とても古座川町の大攻勢に太刀打ちできそうにない。しかし、住民自ら立ち上がった運動は強い。わずかな財政資料を自ら分析し、独自の冊子を発行し、町とは別の説明会を開いて、果敢に批判を強めている。
住民投票で何より大切なのは、問題点や争点が有権者の間に十分に理解されていることだ。だから運動はできる限り自由であることが望ましい。
古座川町の場合、町長も議会も合併には反対であると表明している。しかし、住民投票条例案には10%の署名にもかかわらず、全員が賛成した。自らの意見とは別に、全有権者の意見を聞くことが民主主義だと判断したのである。
とすれば、町当局が精いっぱい、自己宣伝するのは当然であり、義務でもある。しかし、公権力や公金を使った活動になりすぎないよう、強く自制が求められるのもいうまでもない。今後、論戦の過熱化も予想される。将来にわたって住民投票の模範になるよう、とくに行政側にはこの点を強く要望しておきたい。
いまのところ、両派の攻防は、町が先攻し住民団体が反撃に立ち上がったといったところだ。正々堂々、四つ相撲といわれる論戦を最後まで戦わせてほしい。
思い返せば、本宮町議会は住民投票条例を求める36%もの有権者署名を一蹴した。龍神村長は村の公共事業の入札延期などをちらつかせ、「もっと住民の声を」という住民団体からリーダーの業者を離脱させてしまった。「住民の意向はすでに分かっている」というのが理由だった。
紀南の自治体がこのような不明朗で古い体質からどうしたら脱皮できるか。古座川町の挑戦は重要な試金石と言っていい。(紀伊民報) [2004年7月29日]
今年4月に愛媛県四国中央市として合併した旧伊予三島市が、過去8年間にわたる職員123人の休日出勤に対し、計3780万円の時間外手当を合併直前にまとめて“駆け込み支給”していたことが26日、わかった。
総務省は「違法ではないが、本来は年度ごとに処理すべきで好ましくない」としている。
関係者によると、旧市は職員の休日出勤に、時間外手当か代休を与えることにしていたが、1996年からは財政に配慮して代休を選ぶよう指導していた。しかし、消化できない代休を次年度以降に持ち越す職員が続出。旧市は労組と協議し、「合併後に代休は引き継げないうえ、手当も出せなくなる」と、時間外手当を支給することにした。
昨年12月議会で可決し、今年2月に支給。最高で約200万円受け取った職員もいた。合併した他の3市町村は代休の持ち越し自体がなく、こうした措置は取らなかったという。(読売新聞)
[2004年7月27日1時4分更新]
◇議員は「民意の代弁者」の自覚を…「先輩」東かがわ市の住民団体代表に聞く
25日に投開票が迫った千曲市議選。現在、全国的に合併協議で在任特例制度を適用することに慎重な自治体が増えているが、全国で初めて同制度に反対の声を挙げ、議会解散を求める直接請求を行った香川県東かがわ市の住民団体「東かがわ・よあけの会」の西尾保代表(71)に、一連の経緯の感想や、市議のあり方などを聞いてみた。【反橋希美】
――全国で在任特例制度について、疑問の声が上がっているが。
この制度は合併協議会で結論に達したものを自治体の議会で否決されないように、議員の延命でこれを防ぐことが目的の一つ。この法律自体が「議員の資質」を疑い、不信感を持っている悪い制度だ。
――千曲市では、市議が署名を集めた市民について告発状を提出するなど、全員辞職するまでの経緯が批判を浴びたが。
東かがわ市でも、市議が選管や高裁に「住民投票は無効だ」と異議を申し立てた、よく似た事例があった。民主主義の根幹は住民自治。議員は住民の「代表」ではなくて「民意の代弁者」ということを分かってほしい。
――市民が議員減よりも経費削減を選択したことで、従来「地区代表」であった地方議員のあり方が問われているのでは。
本来議員は地域の世話役ではなく、その街全体のために汗をかくべきだ。しかし市民の側にも「議員を利用することが当然」という意識があるのが事実。東かがわの出直し市議選は、議会改革などはっきりとした争点はなく、結局は地縁・血縁に訴える「村型選挙」が行われた。市民の要望を吸い上げるような、行政制度の充実も大切だと思う。(毎日新聞)
[2004年7月22日19時41分更新]
埼玉県川口市議会は21日全員協議会を開き、蕨、鳩ケ谷両市との法定合併協議会(法定協)で新市名が「武南(ぶなん)市」に決まったことへの不満から合併を解消する方針を決めた。
岡村幸四郎市長も「公募で圧倒的多数だった『川口市』を採用しないのは民意を反映していない」と批判。川口市は近く臨時議会での議決を経て法定協を離脱する。
川口市など3市は今春、新市名を市民から公募。法定協はこの中から1位の「川口市」(1万4778票)と5位の「武南市」(579票)に絞り、今月12日、委員41人の投票により3票差で武南市に決定した。(共同通信) [2004年7月21日18時2分更新]
8カ月後の市町合併で失職する兵庫県内の町長7人を含む現職町長11人の一行が公費による9泊10日の欧州視察旅行に13日、関西国際空港から出発した。行程の大半は観光地で、参加者のうち4人は妻を同伴している。失職する町長らは「視察で得たことは残りの任期の町政に生かしたい」としているが、各町では財政難のなか合併を進めた経緯もあり、町民からは「町長を辞める前に公費を使って卒業旅行をするのか。せめて自費で行って」と批判の声があがっている。
来年4月1日の合併に伴い、合併前日に失職することが決まっていながら視察旅行に参加しているのは、「豊岡市」になる日高、城崎、竹野、但東町と、同じ日に「朝来市」になる生野、山東、朝来町の7町長。このほか同県内から佐用、上月、猪名川、稲美町の計4町長が参加した。
目的は「欧州の地方行政視察」で、10日間の日程でベルギー、スイス、イタリアの3カ国7都市を訪問。合併で発展したベルギーの首都ブリュッセルや、環境保護のため自動車の乗り入れを禁止したスイス・ツェルマットを視察する。
しかし、視察の大半は午前中だけで、午後は景勝地や博物館などを巡る観光が主。スイスでは展望台からマッターホルンを眺め、イタリア・ミラノではアルプス南麓のコモ湖へ。さらに同市内の教会でダビンチの名画「最後の晩餐(ばんさん)」を鑑賞。7、8日目の午後は予定なしの自由行動という。
海外視察旅行は、県内62町でつくる兵庫県町村会が昭和53年から、平成7年を除いて毎年行っている。各町が町村会費として毎年公費から支出している負担金から一人あたり約60万円が旅費として支給される。日高、城崎、竹野、但東の各町長は妻を同伴しているが、妻の旅費は自己負担という。
合併する町はいずれも財政難に苦しんでおり、今年度当初予算では町の預貯金である財政調整基金を取り崩し予算に繰り入れるなど財政はいずれも火の車だ。
なぜ、公費で任期の残り少ない時期に視察旅行に行くのかという指摘について、視察団長の清水豊・日高町長は「無駄遣いといわれるかもしれないが、視察して学んだことは残り8カ月間の任期中に役立てることができる。無駄ではない」と話している。(産経新聞) [2004年7月13日16時1分更新]
串本、古座との3町合併の是非を問う古座川町の住民投票(8月8日)を前に、町は住民投票で「単独」を呼びかけるチラシを町民説明会などで配布しているが、県市町村課は7日、「町住民投票で町は公正な立場で、管理執行する趣旨が規定されている。チラシは公正を欠き、適当ではない」との見解を明らかにした。これに対し、町は「条例案は住民の直接請求で成立したもので、運動は自由となっている」と主張している。
チラシはA3判の2色刷り。町総務課名で「古座川町誇りある町づくりのために」と題して、合併せずに単独町を判断した経緯を説明。裏面には「間違った情報に惑わされないでください」などと、合併推進の住民団体が出したチラシに対する反論を載せている。さらに「住民投票では『合併しない単独町』に○を付けましょう」「『合併しない単独町』が正しい選択です」などとアピールしている。
町は約3000枚用意し、6日からの住民説明会で配り、全戸配布も予定しているという。
同町住民投票条例によると、投票は「串本町、古座町との合併」「合併しない単独町」の2選択肢から1つに「○」印を記入する方法。投票は町長が執行し、地方自治法の規定に基づき、投票の管理及び執行の事務の権限を選挙管理委員会に委任するとしている。
町がこのチラシを住民説明会で配布していることについて、町民から見解を求められた県市町村課は(1)町総務課が発行元の町広報と考えられる(2)総務課は選管事務局を兼ねる(3)条例で町は住民投票を中立公正な立場で管理執行するよう規定されている―とし、「ビラの該当部分は適当とはいえない」としている。
これに対して、古座川町総務課は「住民投票は公職選挙法に縛られない。条例で運動は自由と記されている。公費という点では、国や県が合併推進の立場で公費を使っているのと変わらない。単独は議会議決を得ての町の立場だ」と説明している。
一方、住民投票を直接請求した合併を推進する住民団体「古座川町合併問題を考える会」の小山力士会長は「公平性を欠くという点で疑問に思った。近いうちに説明会を開き、町のやり方について住民に問いたい」と話している。(紀伊民報)
[2004年7月9日]
鳥取市などとの合併をめぐり混乱の続く鳥取県智頭町は8日、定例議会で合併に関する議案を反対多数で否決した。議会で合併議案を否決するのは3度目。
同町がこれまで2度実施した合併に関する住民投票は合併賛成が多数を占め、6月の町長選でも賛成派の織田洋町長が当選。しかし、反対派が多い議会によって、住民の声が無視される異例の結果となった。
智頭町や鳥取市など10市町村が11月に予定していた合併は今後、智頭町を除いてあらためて手続きを進め、9市町村での合併を目指す。
同町は合併をめぐり、単独存続を主張していた寺谷誠一郎・前町長が住民投票の結果を受け5月に辞職。合併協定書に調印後も、議会が2度にわたって合併に関する議案を否決した。(共同通信) [2004年7月8日17時3分更新]
山梨県小淵沢町議会は5日、11月に誕生する北杜(ほくと)市との合併の是非を問う住民投票条例案を可決した。合併への賛成が有権者数の半数を超えない限り「合併への反対多数」とする異例の内容で、棄権者の意思を事実上「反対」と見なすことになる。専門家からは「有権者の意思をねじ曲げる」と批判の声が上がっている。
条例案を提案した鈴木隆一町長は合併慎重派。採決はいったん賛否同数となり、議長の賛成で可決された。条例可決を受け町は8月にも住民投票を実施する方針だが、町民の反発も予想される。
同県市町村課によると、合併をめぐる住民投票では、有効投票者の過半数で賛否を決するのが一般的だという。住民投票に詳しい「住民投票立法フォーラム」事務局長の今井一さん(50)は「土俵の大きさを変えて結果を誘導するのは筋違い。投票しない人には投票しないという意思があり、それを(合併反対に)ねじ曲げるのはおかしい」と話している。【佐野勝、宇都宮裕一】(毎日新聞)
[2004年7月5日21時47分更新] .
日田郡町村議員の研修会が1日、日田市内であり、市郡合併協議で難航している議員定数問題で意見交換。郡部は日田市側の定数特例案に一斉反発し、在任特例案適用などを訴えた。6日の正副議長会で集約し、14日の合併協の議員定数・任期小委員会に持ち込む。
合併後2年間の定数・任期問題は日田市が定数特例(市議26人は残留し、5町村は計8人の増員選挙)を最終見解として町村側に通
告した。
研修会で、5町村議会代表が意見発表。「議員1人では多くの問題を新市の施策に具体的に反映できるか不安」(上・中・前津江村)と日田市案に反発し、日田市を含め全議員79人が残る在任特例を主張。「市郡同時選挙」(大山町)、「原点に戻って再検討」(天瀬町)などの意見も。天瀬町は町村が合併前に3倍の計24人に定数削減して選挙し、そのまま市議になる案も模索している。【楢原義則】(毎日新聞)
[2004年7月2日21時4分更新]
木曽郡開田村議会は28日、住民有志が直接請求した合併の賛否を問う住民投票条例案の審議で、合併に「賛成」「反対」の二者択一とした原案に「議会に委ねる」との選択肢を加えて修正した上で、全会一致で可決した。直接請求した住民は「請求の趣旨とは違う条例になってしまった」と反発している。
住民有志でつくる「開田村の将来を考える会」が有権者の49%の署名を添えて村に提出した条例案は、開田村も入って法定合併協議会を設けている木曽郡中北部7町村での合併の賛否を問う内容だった。ところが7町村のうち木祖村が、住民意向調査の結果
を受けて離脱を決定。法定協は解散へ手続きを始めた。
このため開田村の千村勇村長は村会6月定例会初日の24日、「考える会」の条例案に可決すべきとの意見書を付けた上で、請求の趣旨に沿った修正を、と議会に求めていた。
この日開いた全議員による町村合併調査特別委員会では、7町村の枠組みが崩れたことにより合併がいいのか自立がいいのか「分からない…という人がいるはずだ」との意見が出て、「議会に委ねる」の選択肢を加える修正を多数決で決めた。
続く本会議では「請求者の意図にそぐわないものになった。後々混乱を招く危ぐがある」との指摘もあったものの、条例制定そのものを否定する意見はなかった。
芝田和義議長は「次の合併の枠組みを示すことができない中ではやむを得ない」。これに対し議会を傍聴した、考える会の田中俊行さん(56)は「住民自身で判断したいというのが請求の主旨だった。憤りを感じる」と怒りをあらわにした。
条例案は村長、議会、村民は投票結果を尊重する、と規定している。千村勇村長は「判断が複雑になってしまった感じはある」としている。(信濃毎日新聞)
[2004年6月29日]
山形県羽黒町の中村博信町長(61)が、町議会に議員が発議した合併協議会離脱の議案に反対するよう、賛成派議員にビール券を渡して働きかけていたことが26日分かった。中村町長は毎日新聞の取材に「(採決で)勝てるかどうか分からなかった。軽率だった。反省している」と認めている。
中村町長によると、20日午前6時ごろ、合併反対派の議員宅を訪れ、ビール券3枚入りの封筒を渡し「考え直せないか」と議案に反対するよう依頼した。しかし、議員からは「こういう時期だからなしにしましょう」と突き返されたという。
中村町長は「買収のつもりはなかった。世話になっているお返しで、通常のあいさつのつもりだった」と説明。ビール券を渡そうとしたのは1人だけだったと強調した。
同町は鶴岡市など7市町村の法定合併協に参加。中村町長は同協議会の副会長として合併を推進しているが、議会では推進派と反対派が伯仲している。離脱案は23日の町議会で採決され、賛成8反対9で否決された。中村町長は現在3期目。【新谷崇、長南里香】(毎日新聞)
[2004年6月28日12時6分更新]
和歌山県那智勝浦町との合併が白紙に戻った“捕鯨の町”、同県太地町の浜中節夫町長(75)が23日、辞職を表明した。
理由について浜中町長は町議会に「町の将来を左右する大きな問題に一つの区切りがついたこの機会に町長を辞職するのが正しい選択。精神的にも肉体的にも疲れ果
てた」などと説明した。7月13日に退職し、50日以内に町長選挙が行われる。
浜中町長は隣接する那智勝浦町との合併協議を進めてきたが、太地町が合併の是非を問う住民アンケートを6日に行った結果
、反対が賛成を上回り、両町でつくる法定合併協議会は23日までに解散した。
町長はアンケート結果の判明後「町民は捕鯨の町“タイジ”の国際ブランドを残したかったのだろう」とコメントしていた。
浜中町長は1990年に太地町長に就任、現在4期目。(共同通信) [2004年6月23日12時26分更新]
上郡町議会は21日再開し、安則眞一町長に対する辞職勧告決議案を賛成多数で可決した。法的拘束力は無いが、町長と議会の溝は一層深まった形だ。安則町長は「現時点では辞職をする気はない」と話している。
決議案は橋本広彦議員ら9人が提案。橋本議員は「合併問題で、議会、町民に理解できない対応をしている。行政の最高責任者としての自覚が乏しく、政治的調整能力に欠けている」などと提案理由を説明。「今は町長、議会が力をひとつにして合併問題の方向性を求めるべき」などの反対意見もあったが、賛成9、反対6で可決された。
◇議会は解散を、進退は自ら判断…安則町長コメント
安則町長は「議会は自主解散するべきで、辞職勧告決議は残念。出処進退は私自身が判断させて頂く事項で、引き続き町民の民意を反映する行政を目指して努力を続ける」などとコメントした。
同町では赤穂、相生両市それぞれと合併協議会を設置。赤穂市との合併を推進する安則町長と、相生市との合併を望む議員が多い町議会が対立。議会側は、合併相手を選択する住民投票条例案を否決、赤穂市との法定合併協からの離脱を決議。安則町長は相生市との合併協を途中で退席したり欠席するなど溝は深まる一方。町議会の解散請求運動も起こり、現在、町選管で7158人分が有効署名とされ、縦覧中。【若狭幸治】(毎日新聞)
[2004年6月22日20時5分更新]
田辺、大塔、中辺路、龍神、本宮の5市町村長は19日午前、田辺市文里のホテルで合併協定書に調印した。木村良樹知事も立会人として出席した。合併関連議案が各市町村議会の6月定例会で追加提案され、可決される見込み。新「田辺市」の誕生は、来年5月1日。面
積は県内の22%を占め、最も広い自治体になる。県内で「平成の大合併」で合併調印を済ませたのは、昨年12月の南部・南部川2町村に次いで2番目。
同日午前9時から最後の合併協議会を開き、歳入歳出決算を認定した後、同10時から合併協定調印式が行われた。紀南地方選出の県議会議員や5市町村の議員がほぼ勢ぞろいし、約160人が歴史の一幕を見届けた。
開会のあいさつで、脇中孝・田辺市長が5市町村を代表して「調印式を迎えることができ、感無量
。合併する意思を公の場で確認するだけでなく、調印を節目として、5市町村の住民が手を携え、心をひとつにして新しいまちづくりに力を合わせていこうと誓い合う意味もある。合併は終着点ではなく、あくまでスタート」と述べた。
木村良樹知事の立ち会いで脇中、古久保治一(龍神)、真砂充敏(中辺路)、松本善美(大塔)、泉正徳(本宮)の5首長が壇上で5つの協定書すべてに署名・押印した。
木村知事は祝辞で「県政史上で大きく時代を画す出来事。三位一体の改革で、県内の大半の市町村が財政再建団体になる試算も出てきている。そういう厳しい状況の中で、厳しい面
だけを見るのではなく、地域を発展させる形から合併されたことに大きな意義がある」と5市町村の取り組みを評価。尾崎要二県議会議長は「合併協議を進めている他地域の大きな手本を示してもらった」と述べた。
田辺広域の合併話は、県が示した合併パターンをもとに、2001年5月、田辺、大塔、中辺路、龍神、上富田、白浜、日置川、すさみ、南部、南部川の10市町村で研究会を立ち上げたのが始まりだった。その約1年後の02年4月、「10」の枠組みで県内初の任意協議会を設置したが、3カ月後の同年7月に発足した法定協には南部、南部川、白浜の3町村が参加しなかった。
その後、新宮広域の合併を断念した本宮の参加で「8」に増えたものの、すさみ、日置川の2町が新市の「貯金」となる基金の持ち寄りをめぐって離脱し、03年4月には「6」の枠組みで3度目の法定協を発足。さらに、上富田町も基金持ちよりと同和行政を理由に、同年12月に離脱し、結局、当初の半数、5市町村での合併となった。(紀伊民報)
[2004年6月20日]
木村良樹知事は14日の県議会一般質問で、新合併特例法で知事権限が強化される市町村合併について、今後も県の関与を強めていく基本姿勢を明らかにした。発足予定の新田辺市に関して「各市町村はいろんな思いで合併した。『なぜ合併した』とならぬ
よう支援したい」と述べた。
原日出夫議員(田辺市選出)の質問に答えた。木村知事は勧告権限を盛り込んだ来春以降の合併関連3法など、今後の県の合併関与策について「新法における県の役割を踏まえ、市町村と一緒に考えていきたい」と推進姿勢を示した。「答弁が具体性にかける」との再質問に、「今は現状の合併がどんな形に落ち着くのか状況を注視したい。押しつけるべきものでもないので、(具体策については)改めて対応していきたい」と答えた。
原県議は、合併協議に当たって市町村間で調整困難となっている課題を取り上げ、「(合併する市町村の)当事者同士では問題点が大きすぎて県の指導と協力が求められているのでは」と質問。木村知事は「市町村に対しては、住民の福祉と地域の発展という『合併の大局』を見据えた議論が行われるよう助言したい」と述べ、従来からの合併のメリットを強調した。
近く合併調印される新田辺市については、「各市町村は人口は少ないが資源を活用していい行政を展開しており、合併する上でいろんな思いがあると思う。観光や林業がうまく立ちゆかないと『どうして合併したのか』となりかねず、県として支援したい」とのバックアップを約束した。(紀伊民報)
[2004年6月15日]
3市町が合併し昨年9月に誕生した長野県千曲市の市議47人が、6月定例議会中にも辞職する方針を固めたことが11日、わかった。
同市では、合併在任特例で議員数が膨らんだ議会の解散の是非を問う住民投票が来月11日に予定されており、議員側は「住民の審判で解散に追い込まれる前に、潔く辞めたい」としている。うち一会派の5人は自主解散の形を取るために議会解散決議案を提出する構え。
千曲市議会の議員数は合併後の在任特例で54人となり、今年5月、住民団体が「経費の無駄
遣い」として議会の解散を求める直接請求を行った。既に7人が辞職している。
同市議会は定数を28から24とする条例案を可決しており、全員が辞職した日から50日以内に新定数で出直し選挙が行われる。(読売新聞)
[2004年6月11日21時27分更新]
<長野県千曲市>全市議が辞職 住民投票は中止に
昨年9月に3市町の合併で誕生した長野県千曲市の市議47人全員が15日辞職した。合併後も旧自治体の議員がそのまま残る「在任特例」適用が批判され、住民有志の直接請求を受けて議会解散を問う住民投票の実施が決まっていたが、これで投票は中止が確定した。
この日の市議会で共産党市議5人の辞職願が受理され、閉会後に残り42人も辞職した。「民意を尊重したい」と、事実上の自主解散を行った形。7月11日の住民投票は中止され、出直し市議選は削減された新定数24で同月18日に告示され、25日に投開票される。
同市選管によると、「平成の大合併」では、香川県東かがわ市議会と山口県周南市議会が住民投票を経て解散したが、住民投票の直接請求後に議員全員が自発的に辞職するのは初めて。【反橋希美】(毎日新聞) [2004年6月15日20時36分更新]住民運動“勝利”宣言 千曲全市議辞職で関係者会見
千曲市議会の全議員が異例の辞職をした15日午後、議会解散の直接請求に向けた署名運動をしてきた「千曲市議会解散を求める会」の小平銀次郎代表、原利夫議長、宮坂博敏市長が相次いで記者会見した。
合併前の旧更埴市、戸倉、上山田町の54議員が在任特例を使ってそのまま在籍しているのは「合併の趣旨である経費節減にならない」と、署名運動を展開してきた小平代表は「住民運動による市民の声が議員を辞職させたことに変わりない」と“勝利宣言”。声明文を配り、署名活動に加わった市民に謝意を表した。
原議長は「混乱を広げるより、傷が軽いうちに静かに身を引けば、事実上の議会解散になる」と議員の心理を解説。「市民の声を受け止められなかった」とする半面 、「合併特例法に従って在任特例を使い(市民に)怒られる。誠に心外だ」と語気を強めた。
宮坂市長の元には午後2時まで辞職議員たちが次々とあいさつに。その後会見した市長は「議会と署名の団体の問題で、口を挟む余地はない事例だった。厳粛に受け止めている」と語った。(信濃毎日新聞) [2004年6月16日]
◇県市町村職員退職手当事務組合の条例で…県は“正常化”働きかけ
市町村合併の成立により退職する自治体の特別職に、通常の退職時の1.5倍の退職金が支給されることに対し、「高額すぎる」との批判が出ている。自治体の退職金事務を取り扱う県市町村職員退職手当事務組合(組合長・山〓繁雄南部町長)の条例で定められており、違法ではないが、厳しい経済情勢の中、割り増し支給は県民の理解を得られるのか。県市町村課は「お手盛り、との批判を招きかねない」として、通
常の支給額にするよう、組合を通じ各自治体に働きかけている。【山田泰正、久保聡、朝日弘行】
◇全国でも異例の規定
同組合には41町村が加入。全7市と串本、白浜両町は、自前で退職金事務を扱っている。複数の町村でつくる消防やごみ処理などの事務組合45団体も加入している。加盟団体からの支出を積み立て、退職金を賄っている。
特別職は町村長と助役、収入役、教育長。「1.5倍」の根拠は組合が設立された1959年にできた条例で、公務上の死亡や市町村の廃置分合(合併)により退職した特別
職への退職手当の額は「規定により計算した額に100分の150を乗じる」としている。当初は2倍だったのが、83年に1.5倍に引き下げられてから適用例はない。関係者は「失職で身分がなくなるのは通
常の退職とは違うという考え方ではないか」と話す。
しかし、同様の規定を持つ同種組合は京都府、北海道、青森県だけで、1.5倍支給は全国的にも異例。青森県では「合併による失職を通
常の場合と区別すべきだ」との声が自治体側から上がり、和歌山県を参考に新たに規定を設けた。
総務省自治行政局給与能率推進室は「『1.5倍』支給については知らなかった。支給額は各団体の判断で決めるものだが、住民の理解を得られる金額であることが大前提だ」と、割り増し支給には否定的な見解だ。
◇増額分3億6600万円と試算
同組合の試算では、合併が完了した場合に失職する特別職を140人と仮定したところ、退職金総額は11億円となった。うち増額分は3億6600万円。いったん組合の積立金から支出するが、合併後の新自治体が後で負担することが決まっており、いずれにせよ税金で賄うことになる。
県内では10月、南部町、南部川村が合併し「みなべ町」が発足する。合併協事務局によると、南部町の特別
職の報酬(月額)は町長74万円、助役62万円、教育長55万円。収入役は昨秋の退任後、空席。町長33人の退職金の合計額は4287万円で、割り増し分は1429万円を占める。南部川村は村長72万円、助役59万円、収入役、教育長は53万円。合計は2388万円で、増額分は796万円となる。
同組合の組合長を務める山〓南部町長は、割り増し支給について「組合議会で2回にわたり非公式に協議したが、存続を希望する意見ばかりだった。条例を改正する考えはない」と話している。
◇各地町議会で批判も
各地の町議会などでは「高額すぎる」との指摘も出ている。かつらぎ町の宮井健次町議は昨年3月議会でこの問題を取り上げ「町長(当時)の1期4年間の退職金は1601万円。ただでさえ高すぎるのに、合併でさらに1.5倍の割り増しとなる。メスを入れるべきだ」と指摘した。
宮井町議は「この問題は制度が複雑で、あまり知られていない。自治体の財政事情が厳しい中、こうした無駄
な支出が住民サービスを低下させている実態を納税者に知ってもらいたい」と話す。高野口町や金屋町の議会でも取り上げられた。
割り増し支給が住民の合併へのイメージを低下させる懸念もある。割り増しの廃止には条例改正が必要だが、県市町村課は「自治体の一般
職員の給与も減る傾向にある。住民の批判を招きかねず、通常の退職金のレベルに引き下げるよう関係者の自主的な判断をお願いしたい」と話している。(毎日新聞)
[2004年6月11日20時11分更新]
◇「積極的な議論必要」
◇相次ぐ協議決裂−−推進へ「アクセル踏む」
「合併をより強く促すといった『アクセルを踏む』という判断をせざるを得なくなってきた」。市町村合併をめぐる橋本大二郎知事の発言が波紋を広げている。5月16日の佐賀町の住民投票で、合併反対が賛成を19票上回った翌日の発言で、従来の「地域住民の主体的な判断」から一歩踏み込んだ内容だった。国の三位
一体改革で地方財政が一段と厳しさを増すことが予想される中、住民意思で合併協議が相次いで決裂する事態を前に、事実上の“方針転換”を迫られた形だ。県内の状況をまとめた。【小川信】
◆アクセル踏む県
橋本知事の発言を受け、県は5月31日、三位一体改革の影響による試算を発表した。地方交付税などが今年度の水準を維持したとしても、06年度には財政調整基金などの“蓄え”が底をつき、予算編成が困難になる自治体が53市町村中29市町村に上るという厳しいものだった。
予算が組めなくなれば、自治体単独で事業を行うことができなくなり、「財政再建団体」に転落する恐れが出てくる。県の発表は、橋本知事の発言を数字で裏付けたものとなった。
県市町村合併支援室の隅田明室長は「住民を対象にした協議の場で、『これからは単独自立は厳しいですよ』とはっきり話をしていく。その上で、自立を選ぶのであれば止めない」と話す。
橋本知事自身が直接住民と話をすることも検討しており、県は確実に“合併推進”へと加速しつつある。
◆市と町村の温度差
合併の当事者の市町村長側は、知事発言をどう受け止めているのか。
おおむね「歓迎ムード」で、「説明責任を果たしながら、住民の理解が思うように進まない合併協議のカンフル剤に」との思いが感じられる。
しかし、市と町村では微妙な認識の違いも見え隠れする。
「市町村合併では、市のごう慢さに町村が振り回されてしまう。我々は合併する理由がない」
5日に高知市で行われた町村長や町村議長と県選出国会議員の意見交換会。ある議長の発言に、会場は大きな拍手に包まれた。
各市の財政は決して良くない。それならば、小さな町村だけで合併し、小さくても頑張っていけばいい――。
町村長の一部には、自分たちが進めてきた改革の成果である税金や基金を、市に取られるだけ、という思いも強い。県によると「合併しても、よそに金を持っていかれるだけだ」という意見が多数を占め、合併が決裂したケースもあるという。
◆先行する感情論
来年3月の合併特例法期限に向け、全国で加速する市町村合併。市が周りの町村を吸収する「編入合併」が主要パターンを占める中、県内でこのパターンで決まったのは高知市と土佐山、鏡両村の組み合わせだけだ。
佐賀町の住民投票を受け、中村市など4市町の枠組みは白紙に戻った。室戸、安芸、南国、土佐、土佐清水の5市は枠組み議論からさえ外されており、全国的にも珍しい状況が生まれている。
市長の一人は「市を巻き込んだ合併が望ましいと思うが、好きか嫌いかの感情論が先に立ってしまう傾向がある」と分析。「現実に住民サービスが低下して、初めて合併についての真剣な議論が出てくると思う」と本音をのぞかせる。
◆低い住民の関心度
ある町は合併に関する説明会を42カ所で開いたが、参加者は560人で、1カ所平均わずか約13人という少なさ。各自治体は行財政改革を進め、住民に合併について理解してもらおうと懸命に努力しているが、住民の関心が低いという印象はぬ
ぐえない。
また、難しい数字を並べ立てるより、感情論で議論したほうが話は分かりやすいだろう。しかし、それでは子や孫に安心して自治体を引き継ぐことはできない。
県や市町村の情報公開の徹底を前提に、県民一人一人がまず、「安定した将来のために、今何をしなければいけないのか」という議論を深める必要がある。自立を決めるのはそれからでも遅くはない。(毎日新聞)
[2004年6月9日20時40分更新]